4~5年前、私は冬場の上信越自動車道をよく走っていました。目的地に到着したとき、車が真っ白になってるのにびっくりしていました。「えっ、何で?」と思っていたら、ある時、それが凍結防止剤の影響であることが分かりました。その頃は、ただ「汚れたから洗わないといけない。」と思うだけで、深く考えなかった。
最近、ガソリンスタンドで「車の底が随分錆びついてますねぇ。マフラーのこの部分、交換した方がいいですよ。」と言われました。ヘッドライトも白く汚れて光が届きにくい状態だからコーティングしてもらってましたから、「ここもかぁ!」とがっかり。もっと早く気づいて、こまめに洗車しておくべきだったと後悔するも、時すでに遅しだ!
これは一体何という物質だろうと思い調べました。塩化カルシウムでした。家庭用除湿剤は、除湿してくれて液体がたまりますが、これが塩化カルシウム水溶液。
ニュースで受験会場の入り口付近で、受験生が滑って転ばないようにと、塩化カルシウムをまいている人が紹介されていました。「ほう、こんな所にも使っているのか・・・!」
塩化カルシウムは水に溶けやすく、水溶液の凝固点が低くなるから凍りにくくなるというわけ。だから除湿剤や、融雪剤に使われます。さらには豆腐やチーズの凝固剤、清涼飲料水のPH調整(硬度調整)など食品添加物としても使われています。いろいろと活躍していますが、注意も必要です。
除湿剤でたまった水溶液は、脱水症状や粘膜の浸蝕・潰瘍が起きるので、子供がさわったり、誤って飲んだりしないように要注意。この水溶液が漏れて皮革製品や衣類にかかったらダメになるので要注意。融雪剤をまいた道路を通行する場合、乾いたままの粉が車や体に付着(吸引)しても、水溶液となりしぶきとして車や体に付着しても、車の場合は、早期腐食や早期劣化の原因となるから洗車が必要だし、体は除湿剤の例のようになるので、マスクしたり車のしぶきを浴びないようにしないといけない。もししぶきを浴びたら、家に帰った後すぐに風呂に入ったり、手をよく洗うなどしたほうがいいでしょう。山間部の道路に多量に撒かれると、植物への影響や生態系への影響が心配されます。毒性はない物質とされてますが、何事も度を超す使用はよくない。
日本人は便利さに慣れすぎていますが、便利には代償があることをそろそろよく自覚する時がきていると思うのですが・・・。