2021年8月11日(水)晴れ。日中は暑かったけど、午後5時30分頃、涼しい風が吹いている。
小学生の頃、私の通学路となっていた商店街の中に歯医者があった。この前を通るだけでもイヤだった。
悲鳴が聞こえるから・・・。私には悲鳴に聞こえた。あのいやな歯を削る機械の音とともに「あ˝あ˝あ˝・・・」なんとも痛さを精一杯こらえて我慢しても我慢しきれないような痛々しい声が聞こえてくることがしばしばあったからです。
自分の歯の症状が悪化して歯医者に行かなくてはならないとき、それはもう地獄に行くかのごとき決断が必要だった。「あ˝あ˝あ˝・・・」私も腹の底から声を出した。声を出して紛らわすしかないのだ。
働き出して、はじめて東京の歯医者に行ったとき、麻酔の注射すら痛くなかったのにはびっくり仰天した。
「なになになに?痛くないぞ!」「なんか吹きかけてるぞ。」「これ麻酔?」
本当に私は感激した。「これなら歯が少しおかしいと感じたらすぐに歯医者に行くぞ!」と思った。
しかし、結婚して暮らし始めたのは田舎だった。
どの歯医者に行っても、ほとんど説明もなしに治療を始め終える。麻酔は痛い。しかし、麻酔の痛さなら痛くても何とか慣れた。我慢できないのは、麻酔したはずなのに削っている最中に急に脳天に来る痛さを感じる時だった。
「なんで麻酔したのに痛いんだ!」いつ痛みを感じるかわからない恐怖と戦うのが常だった。
極めつけは、「痛い顔をするな!」と言った医者がいたことだ。この時は、東京の子供の所に行って歯医者に通った・・・。
最近またぼろぼろになるまで我慢していたけど、コロナのワクチンも二度終わったし、ネットでダメもとで調べていたら、無痛治療という言葉が目に入ってきた。よし、行ってみよう!隣町だ。嘘かもしれないが・・・。
結果、勇気を出して行ってよかった。東京の方の歯医者と同じだった。痛くない。治療中も痛くない。治療の前後で詳しく説明してくれる。なんという違いだ!!!同じ治療費でこんなに治療内容が違うの?なんて思っちゃいました。
ちょっと調べてみた。
まず、表面麻酔という作業をするんですね。麻酔注射しても痛くないように。
それから、麻酔液を温めたり、電動注射器(針が細い)を使ったりして痛みを極力抑えるようにしている。
麻酔していても治療中痛くなるのは、麻酔の仕方がいい加減だかららしい。電動の細い針で症状に合わせた場所(位置・深さ)に適切に注入しているかで違ってくるようです。自分の素手で太い針を使う医者はまずダメです。
田舎でやっと信頼できる無痛治療の歯医者さんを見つけてほっとしている。もっと早くこんな歯医者さんと出会えていればと思うけど、この病院は最近できたばかりだった。これが運命というものか。患者の痛みのことを配慮してくれる医者は説明も詳しくしてくれる。
そして、できるかぎり自分の歯を温存するという歯科治療の新常識に従って治療してくれる。