Maurice Ravel
1875-1937
フランス1875年シブールに生まれ、1937年パリに没.
土木技師だった父親がラヴェルの才能を見いだし 音楽の道へと導いた。
パリ音楽院で作曲法を学ぶ。
1928年11月28日、パリオペラ座初演。
・曲の内容
セビリアのとある酒場。一人の踊り子が、舞台で足慣らしをしている。やがて興が乗ってきて、振りが大きくなってくる。
最初はそっぽを向いていた客たちも、次第に踊りに目を向け、最後には一緒に踊り出す。
・曲の特徴
ハ長調で、一般的な演奏では、この曲の長さは15分程度です。最初から最後まで(最後の2小節を除く)同じリズムが繰り返されます。
メロディもA、B、2つのパターンのみ 下図2、3
最初から最後まで1つのクレッシェンドのみ
楽器はソロで順番に
楽器の特徴を知り尽くし、組み合わせている
持続の限界を意識し、もう飽きてくるぎりぎりの所で曲を終えている
オルガンから借用した手法
曲中、旋律が完全に並行音程で重ねられている箇所が何度も登場するが、オーケストラの中で非常に新鮮に響くこの効果は、パイプ・オルガンで日常的に使用される倍音の組み合わせを採り入れた手法と言われている。パイプ・オルガンにおいては、実際に奏する鍵盤にとって倍音関係にある音の発音されるパイプ群が並行音程を保って装備されており、それらを自在に組み合わせることによって種々の倍音構成を特徴づけるという技術は、パイプ・オルガンにおいて複雑な音色を生み出す常套手法である。この箇所においては、ホルンの実音が基音とみなされ、それに対して第2倍音をチェレスタが、第3倍音をピッコロが、第4倍音をチェレスタが、第5倍音をピッコロが、それぞれの楽器の実音によって重ねられることで輝かしい音色が生み出されている。
チェレスタ
チェレスタが使われている曲
チャイコフスキー:『くるみ割り人形』 第2幕の『こんぺいとうの踊り』
マーラー:交響曲第6番(当時の大交響曲にしては珍しく、チェレスタが音楽
表現上、非常に重要な役割を演ずる曲。)
メロディを奏でる楽器は以下のように変化する。なお、数字はA/Bの両パターンを通しで振っている。
1 第1フルート(ハ長調)
2 第1クラリネット(ハ長調)
3 第1バスーン(ファゴット)(ハ長調)
4 ソプラニーノクラリネット(ハ長調)
5 オーボエ・ダモーレ(ハ長調)
6 第1フルート(ハ長調)、第1トランペット(弱音器付き)(ハ長調)
7 テナーサクソフォーン(ハ長調)
8 ソプラニーノサクソフォーン→ソプラノサクソフォーン(ハ長調)
9 ピッコロ(ホ長調とト長調)、ホルン(ハ長調)、チェレスタ(ハ長調)
10 オーボエ(ハ長調)、オーボエ・ダモーレ(ト長調)、コーラングレ(ハ長調)、クラリネット(ハ長調)
11 第1トロンボーン(ハ長調)
12 フルート(ヘ長調とイ長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調とイ長調)、コーラングレ(ヘ長調)、クラリネット(ハ長調)、テナーサクソフォーン(ハ長調)
13 フルート(ハ長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調)、クラリネット(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調)
14 フルート(ホ長調とト長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調とト長調)、コーラングレ(ハ長調)、クラリネット(ハ長調とト長調)、テナーサクソフォーン(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調とホ長調とト長調)、第2ヴァイオリン(ハ長調とホ長調とト長調)
15 フルート(ハ長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調)、コーラングレ(ハ長調)、トランペット(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調)、第2ヴァイオリン(ハ長調)
16 フルート(ヘ長調とイ長調)、ピッコロ(ハ長調)、オーボエ(ハ長調とイ長調)、コーラングレ(ヘ長調)、クラリネット(ヘ長調とイ長調)、トロンボーン(ハ長調)、ソプラノサクソフォーン(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調とイ長調)、第2ヴァイオリン(ハ長調とイ長調)、ヴィオラ(ヘ長調)、チェロ(ハ長調)
17 フルート(ホ長調とト長調)、ピッコロ(ハ長調)、トランペット(ハ長調とホ長調とト長調)、サクソフォーン(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調とホ長調とト長調)
18 フルート(ヘ長調とイ長調)、ピッコロ(ハ長調)、トランペット(ハ長調とヘ長調とイ長調)、トロンボーン(ハ長調)、サクソフォーン(ハ長調)、第1ヴァイオリン(ハ長調とヘ長調とイ長調)
オーケストラの団員は、この曲を演奏する度に命が縮むと言われています。
トロンボーンは、広い音域を持ち、非常に音が出しにくく、失敗することも多くあるとか。
他の団員に聴かれながら、完璧な独奏が要求される。
小太鼓はずっと あの単調な2小節を延々と繰り返すため、もっと変化があったほうがやりやすいそうです。早口言葉みたいなもの?