独座観念
茶会が終わると、亭主も、客も、名残を惜しんで挨拶を交わします。
客が、茶室を出て、庭におり、帰途に就くのを
亭主は余韻を残しつつ見送ります。
「独座観念」とは、その後亭主が一人茶室で一日の感慨にふけることを
言います。
これも井伊宗観が「茶の湯一会集」で述べています。
茶会は計画を立て、準備を整え、当日を迎えます。
そして本番。すべてのことを終えた後は、さまざまな 思いがめぐります。
お客様をお見送りした後、
お一人お一人のお客様のことを思いその感慨を深く心に刻むひと時…。
反省もあれば、承認もあるでしょう。
気がかりなこと、未完了な感情もすべて完了させることで、
また新たな心で次に進めます。
ものごとにけじめ区切りをつける、完了の行為 でもあったのです。
未完了な感情、気がかりなことはそのままにしておくと無意識下に蓄積され、
気づかない間にストレスになってしまいます。
想いを残さない。執着しない。一つ一つを完了させる。
それでこそ、いざというときに迷わず進めることができます。
これもいつも死と隣り合わせにいた、
武士の心得。 潔さ に通じると思います。
茶の湯一会集
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