SAMURAI・コーチング!

戦国武将は、なぜ茶の湯に魅せられたのか?茶室で男は、日本男児になる!
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SAMURAI・コーチング!  ~ もののあわれ ~

2021年12月08日 | もののあわれ
もののあわれ。
 
日本人の美意識の根底に流れているのが、もののあわれという情緒です。


万葉の昔から歌い継がれたこの情感は、平安貴族に受け継がれ、

その後の武家社会にも仏教の無常観と共に受け入れられます。

小さきもの、滅び行くもの、消え去るものへ心を寄せるやさしさです。

その後、それらは侘びさびへと通じてゆきます。


日本には、古来より荒魂「あらみたま」と、


和魂「にぎみたま」という対立というよりは、


対になる二つの側面を神霊にみていました。


荒々しい闘争的な精神と、思いやりのある情け深い心、滅びゆくもの、

移りゆくものに心を寄せるやさしさです。


武士たちは闘争に明け暮れるからこそ、

敗れたもの、滅び行くものを、思いやる、


そういった情緒、弱者や敗者をも肯定し、自らの内に統合していったのでしょう。


敵ながら天晴れ、


武士の情け、



などといった    すべてを受け入れて生かそう   とする、

日本人の情緒の特徴が垣間見えます。



ちなみに、あっぱれは、哀れ、あわれが、促音化してあっぱれに転化したと

語源由来事典には、解説されています。


あわれは、

「あは」、という心の底から噴き出す感動のすべてを表す感動語に、

「れ」という接尾語が付いたもので、


後に、あっぱれは感嘆したときに使い、


哀れは、悲嘆や嘆賞を表すようになった、とあります。



平家物語に登場する、平 忠度(たいら の ただのり)は、平家一門の武将。
平清盛の異母弟。 

伊勢平氏の棟梁である平忠盛の六男として生まれる。
母は藤原為忠の娘で、薩摩守。

歌人としても優れており、藤原俊成に師事しました。

平家一門と都落ちした後、6人の従者と都へ戻り、

和歌の師、俊成の屋敷に赴き、市に別れを告げて、

自分の歌が百余首収められた巻物を俊成に託しました。

撰者・俊成は朝敵となった忠度の名を憚り、

『千載和歌集』に「故郷の花」という題で詠まれた歌を一首のみ

詠み人知らずとして掲載しています。


さざなみや 志賀の都は 荒れにしを 昔ながらの 山桜かな

                         — 千載集六十六


 戦いに敗れながら、都落ちしつつも、雅な心を忘れなかった 

   平忠則の逸話です。



 

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