with Anne

SCOUSE HOUSEさんのメルマガに寄稿した
2019年までのサッカー観戦記。
そしてこれからの旅の記録です。

第31話《ホッとしてやっとアンフィールドへ》

2023年01月24日 | 2008年ロンドン・リヴァプール

 

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警察署の建物を出たものの、これから向かう方向が分からずにオロオロ

その時後ろで、パトカーのトランクを開ける音

「あっ、お巡りさん」

「カッコイイー

オーストリア旅行の時も感じたけど、ヨーロッパの制服のお巡りさんってすご〜くかっこいいんだよね。



「ヨシ 道を聞こう

「あの〜、クイーンスクエアーってどっち

一応シティセンターに戻らなきゃ。「慣れたよ」って言ってもここは外国。

直接、この場所からアンフィールドを目指すなんて無理だもの



お巡りさんたら、ちょっと怪訝な顔で私を見てる。

「何で外国人が警察署にいるんだ」って思っても不思議じゃないよね。

「やばい

職務質問とかされたって、私、会話出来ないからね。無駄だよ



突然、お巡りさんの視線が私のマフラーへ・・・

そして私のマフラーに手を添え「君はリヴァプールファンかい」だって

「イエス

「君は今夜の試合に行くの

「イエス

「Great

お巡りさんたら力強く頷いて、いきなりアンフィールドへの行き方の説明開始・・・

「えっ

「ノー、ノー、バス乗り場に行きた〜い



やっとお巡りさんたら、私のお願いに気がついてくれて、シティセンター方面への行き方の説明を始めてくれた。

相変わらずよく意味は分からないけど、

指さす方にまっすぐ進んで、信号があって右に曲がるらしい。



「ふぅ〜

お巡りさん、きっとリヴァプールFCのサポーターだったんだねえ。

「あっ そうかあ。私は今リヴァプールにいるんだった



20分程歩くともうかなり見慣れたシティセンター付近だ。

クイーンスクエアへ行ってバスに乗らなきゃ。

「バスは来てるかな

キョロキョロすると赤いマフラーやユニフォームの人たちが並んでる。

「ちょうどバスが来たんだ



近くに寄って確認すると17番の表示。

インフォメーションセンターのおじさんが教えてくれた番号だね。

さすが試合当日 大勢の人達が乗車しようと並んでる。みんなのんびりドライバーさんに料金を払ってるよ。

私は自信がなかったから「セイブアウェイティケット」を購入してあったけど、

スペインのサポーター達もみんなのんびり料金を支払ってる。



こんなにのんびり乗車する風景って日本では見ないかも・・・

乗車までにかなり時間が掛かったけれど、

なんだかいいよねえ。この感じ



乗客で一杯のバスはいよいよアンフィールドへ。

クレジットカードがお財布になかった時には「どうなっちゃうの」って泣きそうだったけど、キックオフの時刻にも余裕で到着できましたよ

「神様、ありがとう

なんだかリヴァプールの街に入って神様に守られてるような気がしてきちゃった。



バスを降りると、すでにそこはたくさんのサポーターで一杯。

赤、赤、赤、アトレチコも赤いからマフラーもユニフォームも赤い人達。

あっ、私もそうだった

「どっちなんだ〜」ティケットを出して確認してみる・・・

「そうだ 試合のプログラム、プログラム・・・」もちろんシルバ君の分も一緒に購入

人が多くてどうしていいかわからな〜い



スタンフォードブリッジみたいに手荷物を調べられるのかなあ。

キョロキョロしてると笑顔のおじさんが近づいてくる。

「ほら 来たよ。きっと手荷物チェックだ

おじさんは私が握ってるティケットを覗きこんで、何か言いながら指で入口を示してくれた。

何て言われたのか解らなかったけれど「優しい

「なあ〜んだ、手荷物のチェックじゃないんだ。」

スタンフォードブリッジじゃあ3回も調べられたもんね。それも、結構厳しい顔した男性に

誰も調べられてないじゃん 雰囲気が全然違うよ。

さあ、もう選手たちは到着してる時間だし、

「そろそろ中へ入ってみようかな〜



教えていただいた入口に近づいてみると、さっきのおじさんがニコニコして誘導してくれる。

狭い入口でティケットを渡して中へ・・・

印象は「狭い」でも「古いのにとてもきれい」「大切にされてる」って感じかな・・・

売店の通路も狭い。トイレもなんだかレトロな洗面。

でもとってもきれいに清掃が行き届いてて気持ちがいい。

土曜日にスタンフォードブリッジで観戦してるから、

私の印象ってスタンフォードブリッジと比べての感想になってしまうんですけどね

都会にあるスタジアムとの違いかもしれないね。



いよいよシートの方へ

スカウスハウスさんに用意していただいたシートはパドック4のB列。

わぁ ピッチだ〜 それも、こんなにすぐ近く

スタンフォードブリッジでも3列目だったよ。

だけど、ピッチと客席との間のカメラマンエリアが広くって、近く感じられなかった。

テレビで観戦してると、イングランドのスタジアムってピッチにすごく近そうだったもの。

「これだよね〜、この近さ

イングランドのスタジアムでこれを味わいたかったんだよね〜



それにパドック4ってセンターラインの辺りだからすご〜い

「信じられな〜い

左側のすぐ近くは控え選手席

「わあっ、選手だ

アップが始まったきゃーきゃー

パドック4ってホーム側だからリヴァプールの選手が目の前でアップを始めたよ〜。

カメラ、カメラ、カメラ

ここでは撮影だって自由だもんね〜。

スタンフォードブリッジはカメラの持ち込み禁止。

「みなさん スタジアムごとに違いますからね〜注意しましょうね」



あ〜あ

近すぎてカメラのシャッターが間に合わな〜い

こんなに速く動いている選手を撮影するなんて、想像してなかった・・・

なんて贅沢な悩み・・・

アッガー キャラガー マスチェラーノ アルベロア

ジェラードやシャビアロンソばかりじゃなくて、こんなに近くで見るとみんなカッコイイ

なんていい雰囲気だろう。ピッチの警備のおじさんもニコニコしてる。

サポーターが大勢集まって、ピッチの選手に声をかけたり、撮影してるのに、止めようともしないよ。

「嬉しいなあ

選手たちはアップに集中。「なんてカッコイイ



さっきから私って「カッコイイ」ばかりだ。情けない私

もうちょっと他に言えないの・・・

「だってカッコイイんだもの



「そうだ

シルバ君も日本でLIVE放送を観てるはず。

携帯電話で撮影だ メールしよう きっと驚くよ。こんなに近いピッチに

自慢、自慢・・・きっと彼だってアンフィールドに来たくなっちゃうよ。

彼がたくさんの魅力を私に伝えてくれたように、こんどは私が伝えちゃおう。

アンフィールドの魅力を・・・いっぱ〜い

時間がたつのってなんて速いの?もうキックオフの時間に近づいちゃったんだ。

通路もアップの選手を見学してるサポーターで溢れそう。

警備のおじさんもそろそろ席に着くようにって誘導を始めてる感じ。

「あ〜あ」選手のアップも終わっちゃったし、席に落ち着こうかな。

KOPも赤く染まってきて何だかサポーターの声にも迫力が出てきたよ。

私だって、マフラーをはずして準備しなきゃ

 

 

 

 

続く

 



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