性風俗店に並々ならぬ興味があるが、未経験。色街五反田の真っ昼間、入ろか辞めとこか考え中なう。今時のシャイネス青年サラリーマンの葛藤をここに描く。
●これまでの話
午前11時20分
改めて、まばらに人が行き来する昼前の五反田。男は坂本龍馬の有名なポートフォリオみたく遠く開国の方角へ目を細める体で、アポロシアター(ピンサロ)の方角を眺めていた。。
左:イメージ図
突然、内ポケットの携帯が震える。
画面にはあの嫌な客先の名前が、、男は戦慄した。暫し躊躇し、携帯を見つめた後、
「はい、◯◯です」
「おー、今どこ?やっぱ今日のあれ持ってきてくれるかな。無理言ってごめんなさいなんだけど。すぐ持って来てくれると嬉しいな。」
「は、はあ」
「まあ、すぐいるってわけでは無いけどさ、早めに目を通したいと思ってさ。別に明日でもいいんだけど、、」
「明日にします。」
男は無意識かつ、反射的に即答した。それは彼が営業マンを始めて、初めての「NO」だった。
客先は初めての「NO」にたじろいだ。
「明日に、明日に、させてください。」
男はさらにたたみかけた。それはプリミティブな自我の発動と言えよう。
その切迫感、間、語感の重みに客先はただならぬ何かを感じたのであった。
「いいですよ。明日で」
「ありが、ありがとう、ございます」
これも男の営業マンとしての初めての心からの感謝であったのであった。
入社6年、「イエスマン」「御用聞き」「アナタノイイナリ(AE)」と呼ばれた彼の初めての「NO」。男はついにワンランク上の営業マンになったのだ。
この五反田と呼ばれる場所で。
そして、期は熟したのであった。
余談ではあるが、かの坂本龍馬が初めて黒船と対峙した場所「立会川」と「五反田」は結構、目と鼻の先であるのだ。
[立会川]
多分、続くかも。
●これまでの話
午前11時20分
改めて、まばらに人が行き来する昼前の五反田。男は坂本龍馬の有名なポートフォリオみたく遠く開国の方角へ目を細める体で、アポロシアター(ピンサロ)の方角を眺めていた。。
左:イメージ図
突然、内ポケットの携帯が震える。
画面にはあの嫌な客先の名前が、、男は戦慄した。暫し躊躇し、携帯を見つめた後、
「はい、◯◯です」
「おー、今どこ?やっぱ今日のあれ持ってきてくれるかな。無理言ってごめんなさいなんだけど。すぐ持って来てくれると嬉しいな。」
「は、はあ」
「まあ、すぐいるってわけでは無いけどさ、早めに目を通したいと思ってさ。別に明日でもいいんだけど、、」
「明日にします。」
男は無意識かつ、反射的に即答した。それは彼が営業マンを始めて、初めての「NO」だった。
客先は初めての「NO」にたじろいだ。
「明日に、明日に、させてください。」
男はさらにたたみかけた。それはプリミティブな自我の発動と言えよう。
その切迫感、間、語感の重みに客先はただならぬ何かを感じたのであった。
「いいですよ。明日で」
「ありが、ありがとう、ございます」
これも男の営業マンとしての初めての心からの感謝であったのであった。
入社6年、「イエスマン」「御用聞き」「アナタノイイナリ(AE)」と呼ばれた彼の初めての「NO」。男はついにワンランク上の営業マンになったのだ。
この五反田と呼ばれる場所で。
そして、期は熟したのであった。
余談ではあるが、かの坂本龍馬が初めて黒船と対峙した場所「立会川」と「五反田」は結構、目と鼻の先であるのだ。
[立会川]
多分、続くかも。