〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(147)

2016年07月26日 16時21分19秒 | 短歌
松に倚(よ)る庵、倚松庵とはもともと、この家に移る何年も前、まだ松子夫人と熱烈な恋愛中であった谷崎が名乗った自分自身の号であるが、それは、
けふよりはまつのこかげをただたのむみはしたくさのよもぎなりけり  谷崎潤一郎
という一首の歌によっている。「まつ」とはいうまでもなく松子夫人のことである。谷崎はこの歌のとおり、やっと掌中に収めた理想の女性の権化と崇める松子夫人にかしずきながらこの家で七年という歳月を送った。
「俳句的生活」長谷川 櫂 著 中公新書 2004年
                    富翁
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