当初、独学か、進級教習か迷いました。
ネットで、1級進級コース講習の相場を調べたところ、講習料金が教材費込みで40,000円ちょっと、比較的お手ごろな国家試験免除の1級進級コースの日程を見つけたので、講習で取ることにしました。
(国家試験免除の1級進級講習の相場は、約35,000円~50,000円くらいです)
今回は、お金と時間を買ってしまいました!
教習に使用した教本!
1級進級講習は、1日目が8:45~16:45で、2日目が9:00~15:00迄の、計約13時間の講習でした。
(※国家試験免除の国土交通省ので登録教習所では、約12時間の学科講習が法律で義務づけられています)
2日目の講習が終わった後に、終了審査があります。
修了審査は、各問題の正答率が50%以上かつ合計65%以上の得点で合格とのこと。つまり、上級運航Ⅰが4問以上・上級運航Ⅱが3問以上・トータルで10問以上の正解が必要になります。
今回の1級進級教習の受講者は、自分以外に男性が4人が受講をしました。
<1日目・午前>
午前の講習はチャートワーク(教習用海図)です。
問51・52・53の実際の過去問題に沿って、三角定規とコンパスを使った作図の実習を行います。
問51は、航海計画の問題が出ます。
出発時刻を求める問題か、到着時刻を求める問題か、どちらかが出題されます。
とはいっても、どちらが出題されても、作図の手順は同じだと思います。
出航点A→第一変針点B→第二変針点C→到着点D
A・B・C・Dの各地点を求めて線を結ぶ→線の長さ(距離)をコンパスで、図る→距離を船の速力(ノット)で割って所要時間を計算する…という感じです。
手間はかかりますが、一つ一つの地点を丁寧に求めれば、確実に正解出来る問題だと思います。
問52は船位(緯度・経度)に関する問題です。
クロス方位/重視線の利用/レーダーによる測定のうち、どれかが出ます。
・クロス方位の問題は、自差がWの場合はコンパス方位から引く(-)、Eの場合はコンパス方位に足す(+)あとは2つのコンパス方位から船位(緯度・経度)を求めるだけ(一番簡単)。
・重視線(トランシット)の問題の場合は、海図上のトランシット(山頂と灯台を一直線に結んだ線)の磁方位を求める→磁方位とコンパス方位の差が自差になる。
もう一方のコンパス方位を磁方位に改正して、位置を求める。
・レーダー方位の場合は、コンパス方位(自差の加減をして磁方位に改正する)にレーダー方位を足して、物標の磁方位を求める。(答えが360°を越えたら360を引く。)
どの問題も、コンパス方位を磁方位に改正するところ(Wの場合は-、Eの場合は+)のがポイントになります。
そういう意味では、問51よりは作図の手間がかからない分、早く解ける問題だと思いました。
問53は潮流問題です。
海流を加味した針路/海流の流向(真方位)・流速/実航磁針路・実航速力
いずれかの問題が出ます。
3パターンのどの問題が出るにしても、出発点・実航針路(海流の影響をうけた実際の針路)・磁針路(海流の影響を考慮しない針路)を作図する問題です。
問53は、流向の向きは真方位(コンパスローズの外側)で測定するので、角度の測定を間違えないこと。
「海流の流速(ノット)」は、1時間あたりの海里に変換すること(問題文ではたいてい1時間半後になっているから)
この2点が回答の上での引掛けポイントになっているので注意が必要です
問51・52は簡単と書きましたが、最初は磁方位一つをはかるのも結構手間取ります。😅
ちょっとした角度の「ズレ」が、後々に大きなズレになってしまう(答えが合わなくなる)ので、意外と神経を要します。
コンパスローズの内側で磁方位をはかり、片方の三角定規を押さえて、もう一方の三角定規を並行移動させて…といわれても、そもそもどこにどうやって三角定規を置けば効率よく並行移動できる状態ですが、並行移動するときに三角定規がズレてやり直したりする場合もあります。
磁方位を一つ測るの、講師の先生は、「定規は使い慣れていないと、作業に時間がかかるんだよねー」と苦笑いしていましたね!
でも三角定規やコンパスを使って作業をするなんて中学校の理科の授業以来でしたので、慣れているわけないし(笑)
それでも、午前中3~4時間かけて練習をしているうちに、3パターンは、どうにか問題が解けるようにはなりました。
ちなみに教習では、コンパスと三角定規のみを使いました。
<1日目・午後>
昼食休憩を挟んで、午後からは上級運航 Ⅰ:試験問題の問51から53の(航海計画)部分の海図作成講義でした。
終了審査では、問54:航海計画に関する注意事項・航海中の注意事項、航海計器・救命設備(膨張式救命いかだなど)・通信設備(レーダースコープ)
問55:気象予測・潮流・海流
問56:潮汐表の計算問題
問57:荒天航法(シーアンカー、ドローグ、荒天準備)、台風避航
問58:海難事例問題
が出題されます。
でも、気象関係のことは、数時間の教習で本質的なところを理解するのは難しそうだけど、理解できるようになったらきっと面白いんだろうな、とは思いました。
潮汐については、計算問題が出題されます。2パターンあって、1つ目が潮汐を求める問題もう1つが、潮流を求める問題です。どちらも、潮汐表の見方がポイントになります。
この日は朝8:45~夕方16:30までの講習で、結構長い1日でした😩
家に帰ってからは、問51~53の海図問題の復習と海図作成練習、教習機関の貸し出された上級運航Ⅰの試験過去問題を解きました。
(三角定規とコンパスは、次の日の修了試験が終わるまで貸与してくれました。)
海図問題を一通り解きなおしたところで、やっとスムーズに三角定規が扱えるようになりました。
2日目の講習スタートです。
この日はオリエンテーションがないので、9:00集合迄に、集合して教習開始でした。
2日目の午前中は上級運航Ⅱ(問59~問64に該当する部分)の講義でした。大きく分けると、機関の保守整備(燃料消費量・航続距離,ディーゼルエンジン及びガソリンエンジンの基本、燃料油系統・潤滑油系統、冷却水系統・電気系統、動力伝達系統)・機関故障時の対応(始動不良・停止・オーバーヒート、異常な振動・臭気・音)です。
修了審査では、問59→燃料消費量、ディーゼルエンジンの燃料
問60→プライミング、エンジンオイル
問61→バッテリーの充電、冷却水系統のサーモスタット
問62→プロペラ、プロペラシャフト、スターンチューブ
問63→始動不良・停止・オーバーヒート
問64→異常な振動・臭気・音
が出題されます。
正直言うと、エンジンまわりのメカニックな話は割と得意分野です。軽油やガソリンは、危険物乙4種の免許で勉強した時の内容で理解できたという感じです。
<修了審査>
審査時間は、1級進級コースの場合は70分です。
1時間で14問(上級運航Ⅰ・8問、上級運航Ⅱ・6問)を解きます。
なお、修了審査では、新しい海図を配布してくれます。
合格基準は、各問題の正答率が50%以上かつ合計65%以上とのことなので、上級運航Ⅰが4問以上・上級運航Ⅱが3問以上・トータルで10問以上の正解が必要です。
海図問題は時間がかかるので後回しにして、まずは問54~問64の知識問題を先に解きました。
実際、問54~問64は、約10分もあれば解けます。
この時点で、合格基準は海図問題抜きでもほぼクリアできたかな、と思いました。
問54~64を解き終えた後は、問51~53の海図問題に着手です。
海図問題では、2問はストレートに答えが出せたけど、残りの1問は、出した答えが選択肢の中にみつからず、再度作図をやりなおすはめに…。
70分の審査を無事、終了して、来月の16日午後3時に合格発表です(合格してるはず笑!)😅
不合格の場合は、補講後、に再試験です。(ちなみに再審査料3000円がかかるそうですが、再試験料の要否は教習所によって変わります)
2日間の教習を無事終えてほっとしました😊