多摩ニュータウンにおけるこどもの屋外活動に関する研究
近藤樹理 山田あすか 松本真澄 上野淳
日本建築学会計画系論文集第73巻第628号2008年6月
09FA030 小林志乃
背景・目的
歩車の分離と融合などの居住者の安全や利便性を考慮したまちづくりの多摩ニュータウンにおいて地域環境とそこを生活の舞台とするこどもの屋外活動との関係を明らかにすることで、こどもの成長環境としての地域環境づくりに資する知見を得ることを目的としている。
調査概要
研究対象地は歩車分離を基本とする初期の地域計画の概念が明確に体現された豊ヶ丘・落合地区とする。
小学校を通じた課外活動に関するアンケート調査、こどもの屋外活動に関するフィールド観察調査、こども個々人の屋外活動に関するGPS個人追跡調査を実施。
結果・まとめ
一週間の放課後時間に関しては通いごとの有無、帰宅時刻を考慮しても十分な余暇時間がある。放課後の2~3時間という短い時間でも自転車で公園などの施設に行き、家の中以外にも活動場所を見出していることは注目される。歩行者専用のオープンスペースによって住戸群と施設がネットワーク状に結ばれていることが、自転車や徒歩が主な移動手段であるこどもたちのアクセスを容易にしている。
屋外活動の主な場所は公園やプレイロット(PL)であるという実態が把握できたが、ぺデストリアンデッキ(PD)や団地構内の道路でも一定程度の活動は見られた。
個々人の活動ではPDを移動して1つの場所で活動を長時間継続し、活動場所を変えながら時間を過ごす、といった移動と滞留を繰り返す様子が見られた。
こどもの屋外活動は主にPDやPLのようなオープンスペースに沿った場所にみられた。ネットワーク状に構成された公園とPDが地域に連続した歩行者専用空間を形成しており、こどもの活動環境の形成に大きく寄与している。
感想
PLやPDは集合住宅内の施設なので、地域の目もあり保護者も安心して遊ばせられるので小学生にとってはちょうどいい遊び場ではないかと思う。また、ある程度の広さがあれば小学校の校庭を開放していない場合でも遊ぶことができるし、この集合住宅に住んでいれば家の中で遊んだ延長で外遊びにもつながるのではないかと思う。
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