建築・環境計画研究室 (山田あすか)

東京電機大学未来科学部建築学科

尹俊到,木村充神,鈴木毅,他:都市部における子ども社会的コンタクトの変化に関する研究

2012-03-16 20:26:50 | 書架(こども関係)

都市部における子ども社会的コンタクトの変化に関する研究

 ー校区統合と市街地更新の進む大阪市立中央小学校区を事例として(子どもの環境・空間認知, 建築計画I)ー

尹俊到,木村充神,奥俊信,鈴木毅,松原茂樹,木多 道宏

日本建築学会大会学術講演梗概集 2006年8月

1.背景と目的

近年の都市における子どもの取り巻く環境は市街地の更新等によって大きく変化しており,それに伴う子どもと地域の希薄化が大きな問題として取り上げられている.子どもの地域における社会的コンタクトの質の変化とその原因を明らかにし,都市に住まう子どもたちにとっての豊かな社会環境形成のために知見を得ることを目的とする.

2.研究の調査方法

都市部における子どもと地域コミュニティとの関係を

①子どもの社会的コンタクトの変化

②子ども行動から見た社会的コンタクトの実態

③子どもの社会的コンタクトの変化と要因の分析の3点を通して把握し,子どもの地域の関わりに関する課題について考察する.調査方法は,学校関係者,地域組合,子どもに対して,ヒアリング調査,アンケート調査を行う.

3.過去の都市部において,子どもと地域の関係が良好に維持されていた理由

①親が近隣との付き合いをしていた繋がりで子どもが近隣に知り合いを増やしていく.

②個人商店や工場が子どもと地域の人とが接触する場となっていた.

③まちの中にこれらが多くあり,接触しやすい人が必ず近くに存在していた.

④遊び場所が地域に分散的に存在し,人の生活する家の前の路地や道路であることが多かった.

⑤街を単位とした地域行事が多く,そこで近隣住民との協働作業を通じた接触機会があった.以下のことがわかった.

4.まとめ

昔は遊び場所が分散的であり,その多くの周囲には,常に店の従業員や住民が存在していたが,現在は公園というポイントに集中しており,日常的に接する人がその近くに存在しないということである.また地域の人と協働で何かを作り上げるような行事が減少しており,この変化が現在の子どもと地域の人との関わりの希薄化に影響を与えていると考えられる.子どもにとって良好な生活環境形成を進めるためには地域住民と子どもとの協働作業が行われるような行事プログラムの企画作成や地域の中で日常的に子どもが地域の人と接する事ができる場所の分散化がもとめられる.

5.感想

現在の日本で地域との関わり合いを大切にしようという動きはあるが,ではもっと具体的に地域と人(子ども)が交流を増やす都市に作り変えればいいのか気になった.

横井 玲伊


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