建築・環境計画研究室 (山田あすか)

東京電機大学未来科学部建築学科

2019ゼミ合宿1日目(小俣幼児生活團、鹿沼市立粟野小学校、他)

2019-08-21 01:32:59 | 研究日誌

今日から二泊三日のシン・ゼミ合宿です。

 *シンじゃないゼミ合宿の話はこちら



全員集合〜。
定刻通りの出発 今年は栃木方面。行ってきます。



ナンバーがぴったりじゃないですか?
1010=せんじゅう=千住 狙ってくれたに違いない。



おー、今年は大型バス 余裕があります 研究室より広いんじゃないですかこれは?(泣)

 

今年のゼミ合宿はこちらから。


‪栃木の「小俣幼児生活團」さん訪問(3年ぶり3回目)。



江戸幕末期からの古民家(元機屋敷)を利用して、太平洋戦争直後期に保育所を始めた事例。元のお屋敷の方は、建築史の先生と、歴史的建築物の福祉用途での動態保存について研究したとき、その契機になるヒントをいただいた事例なんです。

 

モンテッソーリ教育とアドラー心理学を取り入れた保育が特徴。

なお、こちらの園舎の歴史的価値、また歴史的建築物の動態保存のあり様は書籍『福祉転用』に詳しいです。

34回35回の地域施設計画研究シンポジウムで論文も出しているので興味があれば論文誌「地域施設計画」をどうぞ。

新棟は、佐賀井尚先生の設計で、栃木のマロニエ建築賞もとられています。

モンテッソーリ教育の考え方に基づき,0〜1,2,3〜5の異年齢保育を実施,

3〜5の保育集団は2つに分かれ(それぞれ,保育者の名前をとった組名前。例えば山田組みたいな。こういう考え方はユニットケアでも採用されることがある),それぞれの保育集団が一つの「家」を拠点とします。

その思想を体現した建築空間(群)。設計にあたっては,設計者と保育の話を徹底して行い,なんのための建築を作るのかということを共有することを大切にされたそうです。

5歳児の就学準備以降のための1日1時間の設定保育のほかは全くの自由保育としており,こどもは自分の保育集団を離れて他の集団に混ざることも自由。





特別支援も気負わずに。そもそも個を大事にしている,そもそも「できないこと」ではなく「できること」に着目する保育,であるので,特別支援教育だなんだと競う必要がないそうです。

小俣幼児生活團さんは、個の自立を大切に、普通であることを目指した本物のナチュラルな保育所です。

(本物であることが「普通」じゃないのが問題なのかも)

 

ありがとうございました。

 

 

 

お昼ご飯。銀釜さんで釜飯。

めいめい,好みの釜飯をいただきました(めちゃくちゃたくさん種類がある)。女将さんご自慢の通り,おこげが美味しい。ごちそうさまです。

 

銀釜さんの並びには閉鎖された元映画館がありました。これまたグッとくる景色。

 

午後は鹿沼市立粟野小学校さん見学。こちらも栃木県マロニエ建築賞受賞(近代建築2017年に掲載)。

(パノラマ撮影で歪んでいますがもちろんまっすぐです…)

公募式プロポーザルで設計者を選定。

市域の7割が森林という鹿沼市,「木のまち鹿沼」ならではの学校として,地場産材にこだわった木造二階建校舎。

 

オープン図書室(仕切れる部分と、動線空間を兼ねる本棚スペースが連続)が良いです。



 

こちらは,校舎の目玉である「夢階段」。

2階に配置された図書スペースはこの大階段とつながっていて、「めいめい好きな本を手に取り、座って読む」が日常的な風景になる。

 

学校建築にとって,行事や節目などに「記念撮影ができる場所が大事」とはよく言われますが,ここももちろん記念撮影スポットなので。

なんか半端なタイミングの一枚ですが? 粟野小学校の随所に木のブレースが使われていて印象的なので,ブレースのゼスチャーをしてみました,Xではありません(ジャンプしません)。


各所,それぞれのスパン等の特性に合わせたトラスが組まれています。

 

建築として,あまり凝った仕上げや納め方をしていないので固くなさ、素朴さが全体的な魅力に繋がっていると思います。

全校児童120人弱の,基準上「小規模校」ですが,特別教室の兼用などの計画要件の整理も確認できました。

 

ありがとうございました。

 

 

 

一路,今日の宿へ。鬼怒川温泉です。

夕食はバイキングだったのですが・・



日本酒のバイキングっていうのは困りますねえ(ニコニコ)。日替わりで6種類なんですって。困りますねえ。

わいわい食事を楽しみ,

研究テーマが近い学生さんたちのグループごとでのゼミを12時過ぎまで。他の人たちは裏番組で宴会。

お疲れ様でした。また明日。

 

 

 

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