ちまたではiPadの登場によって、出版物を自分で背表紙を裁断してスキャナでスキャンして電子化するのが流行している。
これは、日本ではまだ電子出版される出版物が、ほとんど流通していないので、自分で本なり雑誌なりを購入して自分で裁断・スキャンして電子ブックを作らなければならないからだ。
こういった活動は電子書籍の「自炊」と呼ばれていて、この影響で、インターネット上には裁断やスキャンのコツなどの様々な電子化の上でのコツやノウハウが掲載されるようになってきた。
一方で、私は自宅の部屋の結構な面積を占めている書籍をなんとかしたいと以前から考えていたのだが、これらのノウハウを使うと、かなりスムーズに高品質に電子化できる。
実際、そういった事情で困っていて電子化に踏み切っている人も少なからずいるようだ。
だけど、これを「自炊」と呼となると何かが変だ。目的はiPadなどの端末で読むために電子ブックを手に入れることではなくて、むしろ既存の大量の資産をデジタル化することで、スペースを節約したり、引越しなどのコストを圧縮したりすることだ。
そうだとすると、イメージとしては「サーバ仮想化」などの方が近いので、さしずめ「書籍の仮想化」とか「本棚の仮想化」といったあたりが適切な呼び方だろう。
それで、節約で空いたスペースはどうするのかというと、スペースの問題で購入をためらっていた本を購入して、そこに収めるわけだが。