三面張り工法。
こうしたセメント固めでは、生物が住めません。(写真は写真ACより)
こうしたセメント固めは、明治時代から少しずつ始まったわけですが、
キツイ農薬が出回った1960年代。
この時は東京オリンピック、カラーテレビの時代でもあり、高度経済成長で、セメントもうなぎ上りに使われた時代でした。
その後も、バブルがはじける平成まで、セメントは山のように使われました。
そして、現在、都市化。
田舎も海も、セメント固めだらけです。
はっきり言って、ヘドロの時代は脱したと言えど、まだその一歩手前・・・
今回は、農業用水路のお話です。
「生きもののゆたかな農業水路を目指して」「水路評価の流れ」より抜粋
農林水産省のHPより
こうしたセメント固めした水路では、水を流すことぐらいしか、出来ていません。
流れが速く、生物が生きられない。
生物の隠れる場所がない
土砂の堆積がないため、エサ、産卵場所がない
土砂がないため、貝類が住まない
護岸が垂直で、水路に生物が落ちた場合、這い上がることが困難
コンクリート化され、魚などと遊ぶことが出来ない
非かんがい時、渇水時には水がなくなり、魚類、貝類が生き延びることが出来ない
周囲までセメントでガチガチ工法で、周囲の護岸にも植物が生えてない。
水路も周辺もアスファルト、セメントで日陰がまったくない。
植物があると、水温上昇の防止、魚の隠れ家になったり、水路に昆虫が落下することで魚のエサになったりする
セメントでなければ、昔の湧き水があったり、山や周辺からの滲みだし水、沢水があるのも、流れる
(扇状地での湧き水、中山間地域の零細な山際のしみだし水、沢水などは水温が低く、そのような水が流れ込む水路は、冷たい水を好む魚類などにとっては欠かせません。
冷たい水の源となる湧き水や沢水が確保されていれば、それらを好む魚類が生息できます)
こうした水路は、水路と川、海までつないだ道があって、本来なら、水路や川、海と川を行き来する動物たちの棲家となっています。
川と海、水路はつながっている。そこを断絶してしまったのが、今の水路や川です。
こうした水路、海、川はつなげていくことで、アユやウナギなどの魚も住めます。
川、水田、水路、海とのつながりがあったら、ウナギもアユもドジョウも、またそこにいるかもしれません。
やり方としては・・・さまざまなことが出来るでしょう。
1960年代から、平成までのセメント固めで数十年。古い三面張りを今まで数十年も使っているのが大半です。
ですが、セメント固めから数十年経っていて、そろそろ新しいものに変えていく時期が来ています。海も川も。
その時、またセメント固めをしてしまうと、今後もまた数十年も死の水路です。
これまでと合わせて100年以上、となる・・・もう死に絶えた水路と言って過言ではない。
昔の生き物を復活させるのは、次の工事の時がある意味、チャンスです。
動植物が生きられる環境になれば、水も綺麗になってきます。
絶滅危惧種が増え、さまざまな種が絶滅の一途を辿り、温暖化により、その脆弱性をついて荒廃が進行中です。
ただ・・・
多自然護岸、植生護岸であっても、自然を痛めつける工事です。
昔からの本物の川や水路などがあったら、それが一番いいです。
だから、もちろん、自分は昔ながらの石積み工法で行くとか、俺は手掘りの水路で行くという猛者もいるなら、それも良い。
美しい水辺は本来の環境です。
アユとウナギの来る綺麗な川や水路。
水辺は昔から日本人が一番くつろげる場です。
川のほとりで、アユやドジョウを見て、リラックス。
そういう水辺に、全国各地、どこでも、どの水路でも戻っていけば、日本人全員、どこでも水辺でリラックスしているでしょう。
澄んだ水はきれいです。