山之上もぐらの詩集

2024年01月30日 | 日記

帰らぬ黒ねこ


帰ってこない

どこかで 黒いおまえの骸は
この雨に 打たれているだろうか

おまえは 僕に命をくれたのだろうか
それとも 僕が おまえに言って聞かせたように
僕より 先に逝ったのだろうか

もう一匹の黒ねこも 先は長くない
そして僕も 先は長くない

おまえたちの心配が 無くなれば
思い残すことはないけれど
少しだけ 何か足りない気がするのだ

しかし 少しだけの不足なら
それは 贅沢なのぞみだ

おまえの黒い骸は すぐに土に帰る
もう一匹の黒ねこも もうすぐ おまえの処に行く
そして土に帰る

僕も こんなものだと思って
ありがたく おまえたちの処へ行く

 



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