A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

遠来の客を迎えたつもりが、どっちが主役・・・・・?

2007-09-02 | MY FAVORITE ALBUM
THE ARRIVAL OF VICTOR FELDMAN

アンドレプレビンのヴァイブの余興をめいたものを聴いたら、やはり本格的な両刀使いのものを。先日紹介したピアニストVICTOR FELDMANのヴァイブは本物だ。
アメリカ生まれのジャズマンがヨーロッパに渡ったが、もちろん反対に海外のジャズプレーヤーが本場アメリカのジャズにあこがれ、またそこでジャズを学びに数多くわたっている。日本からの秋吉敏子や渡辺貞夫に始まり多くのミュージシャンがアメリカで活躍した。
フェルドマンもその一人。最初はドラムを叩いていたというのだから、本物のマルチ奏者だ。
イギリス出身のフェルドマンがアメリカに渡ったのは1957年。ウディーハーマンのオーケストラに加わって、その後西海岸で活動の領域を広げていった。WEST COASTでの録音では御馴染みになる。そのフェルドマンのアメリカでの初のリーダーアルバムがこの一枚。

ではあるが、このアルバムは世間ではベースのスコットラファロの実質的なデビュー作としても良く語られる一枚だ。まだエバンスと共演する前22歳の時の録音だ。BOPムーブメントをパーカーやガレスピーと一緒にやったレビィーがこのセッションでは兄貴役だ。
確かにこのアルバムを最初に聴くと、まずは音の良さ。それにラファロのベースの何ともいえない唸るようなリズム感に聞き入ってしまう。そしてレビィーのドラミング、最後にフェルドマンのピアノとヴァイブになってしまう。
この時期のContemporaryは、アルバムタイトルに合わせて実に洒落っ気のある写真を使っている。まさに、イギリスから渡来してきたばかりのフェルドマンを他の2人が迎える様子をコミカルに表現している。2人がラフな格好なのに対して、フェルドマンはタキシードに身を固めて。尊敬の念を込めてイギリス紳士を表現しているのか・・・それとも?フェルドマンのプレー振りはそつは無いがやはり多少硬さを感じるのは気のせいか。でも、ラファロとレビィーのお陰かもしれないが。新しい物チャレンジしようという周りの空気は伝わってくる。急速調のBEBOP3人のプレーは見もの。やはり、どうしてもベースに耳が行ってしまうが、色々な意味で歴史の一ページに残るアルバムだろう。

1. Serpent's Tooth            Davis 3:28
2. Waltz                Chopin 5:30
3. Chasing Shadows          Feldman 3:58
4. Flamingo         Grouya, Anderson 3:18
5. S'posin'          Denniker, Razaf 4:29
6. Bebop              Gillespie 2:46
7. There Is No Greater Love    Symes, Jones 4:24
8. Too Blue              Feldman 4:13
9. Minor Lament           Feldman 4:00
10. Satin Doll    Strayhorn, Mercer, Ellington 5:59

Victor Feldman (vib, p)
Scott LaFaro (b)
Stan Levey (d)

Los Angeles, CA, January 21 & 22, 1958

コメント
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