Gil Fuller & The Monterey Jazz Festival Orchestra featuring Dizzy Gillespie
トランペットを吹くビッグバンドリーダーはバックにバンドを従えたプレー振りが様になる。ハリージェームス、メイナードファーガソン、そして御大ディジーガレスピーも。
ガレスピーはどんな編成でも自分のプレーをアピールできるが、ビッグバンド好きなのかいつの時代にも話題になるビッグバンドを編成してアルバムを残したり、コンサードをしたりしていた。そのビッグバンドでのプレーは一段と熱が入る。
レギュラーバンドを持つと、どうしてもバンドのイメージ自体が固定してしまうが、ガレスピーは「BOPの夜明け」から、「フュージョン全盛期」まで時代に合わせて、またアレンジに合わせて変幻自在なプレーを聴かせてくれる。また、ニューポートのライブのように聴衆を目の前にするとノリが一段と増してくるのが伝わってくる。
このアルバムもガレスピーをフィーチャーしたビッグバンドだが、色々背景が面白い。せっかくなので紹介しておこう。
まず、このオーケストラは1965年のモンタレージャズフェスティバルに特別編成されたオーケストラ。その点では、先日紹介した“JAZZ GARA BIG BAND”とも似たような経緯だ。この‘65年のモンタレーは、ルイアームストロングの生誕65周年を記念してトランペットを賞賛するテーマが設定された。ガレスピー自身は、今回だけでなくこのモンタレーのフェスティバルには色々尽力をしてきたそうだが、この年も裏方だけではなくトランペットプレーヤーとしても当然舞台に立った。そのバックをこの特別編成のオーケストラが務めた訳だが、そのアレンジと指揮を一手に引き受けたのがギルフラー。ガレスピー自身のビッグバンドは、それまでの色々なアレンジャーを起用したが、バップスタイルの演奏といえばこのギルフラーとの付き合いは長かった。その点では、テーマの趣旨に合わせるには最適な組み合わせだったのかもしれない。
このような流れになると、昔を懐かしみバップオーケストラの再現になるのが世の常だが、中身を聴いてみると実にモダンなサウンドでびっくりする。十八番の“Groovin’ High”や”Things To Come”を捩った“Things Are Here”は確かにバップスタイルの影響は受けているが、他は曲の選定を含めて新しい時代を反映している。またメンバーもウェストコーストのメンバーが集っていて、また、編成自体も通常の編成にフレンチホルンを4本も加えたのもサウンドが新鮮に聞こえる一因かもしれない。
さらには、普通であればモンタレーの舞台での演奏のライブを記録に残すのだが、このアルバムは本番を前に3日間かけてじっくり作られた。したがって、ぶっつけ本番のライブとは違って特別編成のオーケストラとはいってもどの曲も完成度が高い。
これだけ念入りに下準備ができたフェスティバル用の編成だったので、本番の舞台もさぞかし素晴らしい演奏だったと思うが、オーケストラをバックにしたガレスピーの演奏している姿も一段と様になっていたと思う。
1. Man from Monterey Moore, Moore, Webster
2. Angel City Fuller
3. Love Theme from "The Sandpiper" Mandel, Mandell, Webster
4. Groovin' High Coburn, Gillespie, Paparelli, Parker…
5. Be's That Way Burns, Fuller, Fuller
6. Big Sur Fuller
7. Moontide Fuller
8. Things Are Here Gillespie
Dizzy Gillespie Composer, Trumpet
Gil Fuller Arranger, Conductor
Harry "Sweets" Edison Trumpet
John Audino Trumpet
Freddie Hill Trumpet
Melvin Moore Trumpet
Jim Amlotte Trombone
Lester Robinson Trombone
Francis Fitzpatrick Trombone
Buddy Collette Reeds
Gabe Baltazar Reeds
Jack Nimitz Reeds
Carrington Visor, Jr. Reeds
Bill Green Reeds
Sam Cassano French Horn
Alan Robinson French Horn
Herman Lebow French Horn
David Duke French Horn
Phil Moore Piano
Jimmy Bond Bass
Dennis Budimir Guitar
Earl Palmer Drums
Richard Bock Producer
Recorded at Pacific Jazz Studios Los Angels on October 1965
トランペットを吹くビッグバンドリーダーはバックにバンドを従えたプレー振りが様になる。ハリージェームス、メイナードファーガソン、そして御大ディジーガレスピーも。
ガレスピーはどんな編成でも自分のプレーをアピールできるが、ビッグバンド好きなのかいつの時代にも話題になるビッグバンドを編成してアルバムを残したり、コンサードをしたりしていた。そのビッグバンドでのプレーは一段と熱が入る。
レギュラーバンドを持つと、どうしてもバンドのイメージ自体が固定してしまうが、ガレスピーは「BOPの夜明け」から、「フュージョン全盛期」まで時代に合わせて、またアレンジに合わせて変幻自在なプレーを聴かせてくれる。また、ニューポートのライブのように聴衆を目の前にするとノリが一段と増してくるのが伝わってくる。
このアルバムもガレスピーをフィーチャーしたビッグバンドだが、色々背景が面白い。せっかくなので紹介しておこう。
まず、このオーケストラは1965年のモンタレージャズフェスティバルに特別編成されたオーケストラ。その点では、先日紹介した“JAZZ GARA BIG BAND”とも似たような経緯だ。この‘65年のモンタレーは、ルイアームストロングの生誕65周年を記念してトランペットを賞賛するテーマが設定された。ガレスピー自身は、今回だけでなくこのモンタレーのフェスティバルには色々尽力をしてきたそうだが、この年も裏方だけではなくトランペットプレーヤーとしても当然舞台に立った。そのバックをこの特別編成のオーケストラが務めた訳だが、そのアレンジと指揮を一手に引き受けたのがギルフラー。ガレスピー自身のビッグバンドは、それまでの色々なアレンジャーを起用したが、バップスタイルの演奏といえばこのギルフラーとの付き合いは長かった。その点では、テーマの趣旨に合わせるには最適な組み合わせだったのかもしれない。
このような流れになると、昔を懐かしみバップオーケストラの再現になるのが世の常だが、中身を聴いてみると実にモダンなサウンドでびっくりする。十八番の“Groovin’ High”や”Things To Come”を捩った“Things Are Here”は確かにバップスタイルの影響は受けているが、他は曲の選定を含めて新しい時代を反映している。またメンバーもウェストコーストのメンバーが集っていて、また、編成自体も通常の編成にフレンチホルンを4本も加えたのもサウンドが新鮮に聞こえる一因かもしれない。
さらには、普通であればモンタレーの舞台での演奏のライブを記録に残すのだが、このアルバムは本番を前に3日間かけてじっくり作られた。したがって、ぶっつけ本番のライブとは違って特別編成のオーケストラとはいってもどの曲も完成度が高い。
これだけ念入りに下準備ができたフェスティバル用の編成だったので、本番の舞台もさぞかし素晴らしい演奏だったと思うが、オーケストラをバックにしたガレスピーの演奏している姿も一段と様になっていたと思う。
1. Man from Monterey Moore, Moore, Webster
2. Angel City Fuller
3. Love Theme from "The Sandpiper" Mandel, Mandell, Webster
4. Groovin' High Coburn, Gillespie, Paparelli, Parker…
5. Be's That Way Burns, Fuller, Fuller
6. Big Sur Fuller
7. Moontide Fuller
8. Things Are Here Gillespie
Dizzy Gillespie Composer, Trumpet
Gil Fuller Arranger, Conductor
Harry "Sweets" Edison Trumpet
John Audino Trumpet
Freddie Hill Trumpet
Melvin Moore Trumpet
Jim Amlotte Trombone
Lester Robinson Trombone
Francis Fitzpatrick Trombone
Buddy Collette Reeds
Gabe Baltazar Reeds
Jack Nimitz Reeds
Carrington Visor, Jr. Reeds
Bill Green Reeds
Sam Cassano French Horn
Alan Robinson French Horn
Herman Lebow French Horn
David Duke French Horn
Phil Moore Piano
Jimmy Bond Bass
Dennis Budimir Guitar
Earl Palmer Drums
Richard Bock Producer
Recorded at Pacific Jazz Studios Los Angels on October 1965
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