Light As A Feather / Chick Corea with Return To Forever
サドメルのオーケストラの初代にサックスセクションに唯一人新人のエディーダニエルスが加わっていたが、もう一人のテナーはセルドンパウエルとジョーファレルが交互に座っていた。来日時はベテランのセルドンパウエルであったが、初録音にはジョーファレルが加わっている。このファレルは創設時から’70年までサドメルのオーケストラに参加していたが参加したときは30歳。メンバーの中では若手の部類であったが、メイナードファーガソンのオーケストラでプレーし、ミンガスやジャッキーバイヤードとの共演など実績を積んですでに中堅として活躍していた。サドメルのオーケストラに在籍中もコルトレーン亡き後のエルビンジョーンズとのグループで活躍していた。
そして、ファレルともう一人親しく付き合っていたのがチックコリアである。サドメルのメンバー達とコリアを加えたジャムセッションを行ったり、コリアのリーダーアルバムの一作目にも参加していたが、大きくブレークしたのが”Return to Forever”だろう。
あのカモメのジャケットで有名だが、何故かアメリカでは同じタイミングでは発売されずバンドが解散後にリリースされ、第2作のこのアルバム方が先に出たという経緯があった。’60年代の後半から’70年の初めにかけては、まさにポストコルトレーンの模索が色々な所で行われていたが、コリアを中心とした動きの中にこのファレルはしっかり軸足を置いていた。
このコリアのRTFのサウンドは実に新鮮だった。コリアエレキピアノ、スタンリークラークのベース、アイアートモレーラのドラム、そしてフローラプリムのヴォーカル、どれをとってのそれまでのジャズとは違うサウンド、それにジョーファレルのテナーとフルートが加わる。ファレルも周りの刺激を受けて、新しいサウンド作りに打ち込んでいたことだろう。
このグループとしてのサウンドは一度聴いただけで好きになった。その当時の自分はどちらかというと古いジャズが好き、コルトレーンは今ひとつ、ハードバップ物は定番としてはいいけどウェストコースト系も捨てがたい、ソロもいいがビッグバンド好きという嗜好であったが、このコリアのグループをきっかけにフージョン物も聴くようになった。
定番カモメのアルバムではなく、久しぶりにこちらのアルバムを聴いたが今聴いても新鮮だ。このアルバムが録音されたのが’72年の10月、最初のカモメがその年の2月だが、丁度その直後の3月にコリアとスタンリークラーク、そしてモレイラの面々はスタンゲッツと“Captain Marvel”を録音している。RFTのテナー、ファレルがゲッツに替わったアルバムだ。クール派の代表だったゲッツが熱いモーダルな演奏をするようになった。ゲッツもファレルを意識したのか、ファレルもコルトレーンをそのまま引き継ぐというというよりはどこかゲッツのクールなサウンドも影響を受けているような、何か2人には接点があるような気がする。ゲッツはドラッグを克服し晩年まで活躍をするが、ファレルの方はドラッグの影響もあり80年代に入ると目立った活躍もせず’86年に48歳で他界する。もう少し活躍すると思ったのだが。
1. You're Everything Corea, Potter 5:10
2. Light as a Feather Clarke, Purim 10:54
3. Captain Marvel Corea 4:52
4. 500 Miles High Corea, Potter 9:05
5. Children's Song Corea 2:48
6. Spain Corea, Rodrigo 9:48
Return to Forever
Joe Farrell (ts,ss,fl)
Stanley Clarke (b)
Flora Purim (Per, Vocals)
Airto Moreira (ds,Per,Vocals)
Chick Corea (ep,keybord)
Richard Seidel :Executive Producer
Hugh Jones :Engineer
Richard Manwaring :Engineer
Recorded on Oct.8,15, 1972
サドメルのオーケストラの初代にサックスセクションに唯一人新人のエディーダニエルスが加わっていたが、もう一人のテナーはセルドンパウエルとジョーファレルが交互に座っていた。来日時はベテランのセルドンパウエルであったが、初録音にはジョーファレルが加わっている。このファレルは創設時から’70年までサドメルのオーケストラに参加していたが参加したときは30歳。メンバーの中では若手の部類であったが、メイナードファーガソンのオーケストラでプレーし、ミンガスやジャッキーバイヤードとの共演など実績を積んですでに中堅として活躍していた。サドメルのオーケストラに在籍中もコルトレーン亡き後のエルビンジョーンズとのグループで活躍していた。
そして、ファレルともう一人親しく付き合っていたのがチックコリアである。サドメルのメンバー達とコリアを加えたジャムセッションを行ったり、コリアのリーダーアルバムの一作目にも参加していたが、大きくブレークしたのが”Return to Forever”だろう。
あのカモメのジャケットで有名だが、何故かアメリカでは同じタイミングでは発売されずバンドが解散後にリリースされ、第2作のこのアルバム方が先に出たという経緯があった。’60年代の後半から’70年の初めにかけては、まさにポストコルトレーンの模索が色々な所で行われていたが、コリアを中心とした動きの中にこのファレルはしっかり軸足を置いていた。
このコリアのRTFのサウンドは実に新鮮だった。コリアエレキピアノ、スタンリークラークのベース、アイアートモレーラのドラム、そしてフローラプリムのヴォーカル、どれをとってのそれまでのジャズとは違うサウンド、それにジョーファレルのテナーとフルートが加わる。ファレルも周りの刺激を受けて、新しいサウンド作りに打ち込んでいたことだろう。
このグループとしてのサウンドは一度聴いただけで好きになった。その当時の自分はどちらかというと古いジャズが好き、コルトレーンは今ひとつ、ハードバップ物は定番としてはいいけどウェストコースト系も捨てがたい、ソロもいいがビッグバンド好きという嗜好であったが、このコリアのグループをきっかけにフージョン物も聴くようになった。
定番カモメのアルバムではなく、久しぶりにこちらのアルバムを聴いたが今聴いても新鮮だ。このアルバムが録音されたのが’72年の10月、最初のカモメがその年の2月だが、丁度その直後の3月にコリアとスタンリークラーク、そしてモレイラの面々はスタンゲッツと“Captain Marvel”を録音している。RFTのテナー、ファレルがゲッツに替わったアルバムだ。クール派の代表だったゲッツが熱いモーダルな演奏をするようになった。ゲッツもファレルを意識したのか、ファレルもコルトレーンをそのまま引き継ぐというというよりはどこかゲッツのクールなサウンドも影響を受けているような、何か2人には接点があるような気がする。ゲッツはドラッグを克服し晩年まで活躍をするが、ファレルの方はドラッグの影響もあり80年代に入ると目立った活躍もせず’86年に48歳で他界する。もう少し活躍すると思ったのだが。
1. You're Everything Corea, Potter 5:10
2. Light as a Feather Clarke, Purim 10:54
3. Captain Marvel Corea 4:52
4. 500 Miles High Corea, Potter 9:05
5. Children's Song Corea 2:48
6. Spain Corea, Rodrigo 9:48
Return to Forever
Joe Farrell (ts,ss,fl)
Stanley Clarke (b)
Flora Purim (Per, Vocals)
Airto Moreira (ds,Per,Vocals)
Chick Corea (ep,keybord)
Richard Seidel :Executive Producer
Hugh Jones :Engineer
Richard Manwaring :Engineer
Recorded on Oct.8,15, 1972
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