Together Again ! / Teddy Edwards & Howard McGhee
ジャズのミュージシャンというのは、常に自分のグループで演奏をしている訳ではない。他のグループに加わったり、レコーディングがあったり、ジャズとは関係のないスタジオワークがあったり。時にはたまたま集まったメンバーでのジャムセッションもある。スケジュール調整は至難の業だと思う。ひとつでも予定が変更になると他の予定の調整も大変そうだ。それも広いアメリカでは尚更。
しかし、偶然が重なんと思わぬメンバーの組み合わせのセッションが生まれることもある。
テナー奏者のテディーエドワーズは、ロスを拠点として活動していた。バップ時代から活躍していたが、旅の多い生活を嫌いロスに定住したという。スタジオでの仕事も多くなったが、ジャズの演奏も忘れなかったようだ。
いわゆるウェストコースト派の演奏とは違って、よくスイングする味のあるテナーだ。そのエドワーズは、ウェストコーストジャズのブームが一段落した後、コンテンポラリーレーベルにリーダーアルバムを残すようになる。
そのテディーエドワーズは、デビュー直後の1945年から47年にかけてはトランペットのハワードマギーのグループに加わって演奏していた。このグループは最初活動のベースは西海岸であったようだ。しかし、マギーがロスを去る時、テディーはそのままロスに残り、自然にグループを離れる事になった。
ハワードマギーは、その後麻薬で演奏活動を何度か中断することになるが、1960年になって、ダスティーブルーというアルバムで再び復帰を果たした。若い頃デトロイトでも活動していたマギーの復帰作には、トミーフラナガンやペッパーアダムスも参加しマギーの復帰を支えた。持つべきものは昔の仲間である。
そのマギーが、ジャイムスムーディーのグループに加わって、翌年5月にロスにやってきた。旧友のテディーエドワーズと久々の再会を果たす。久々の再会セッションを段取りしたのは、地元ロスのコンテンポラリーレーベルのオーナーレスターケーニッヒであった。
ウェストコーストジャズのブームが去ったこの頃コンテンポラリーレーベルはそれほど多くのアルバムを出していない。反対に、オーナーがこれはと思うアルバムだけを作っていたように思う。
ピアノには、ちょうどその時ロスに居たフィニアスニューボーンを起用した。というのも、今回の主役でもあるエドワーズが一週間クラブ出演するのに、このニューボーンをメンバーに起用していた。話題の新人の起用は大金星だった。
さらに都合がいいことに、丁度その時オスカーピーターソントリオがロスに2週間滞在していた。その時のピーターソントリオのベースはレイブラウン、ドラムはエドシグペンの黄金のトリオであった。
レイブラウンとテディーエドワーズは旧知の仲、音楽だけでなくロスにブラウンが来た時はいつもゴルフを一緒にする親友同士でもあった。またレイブラウンはピーターソンのトリオがオフの時は、コンテンポラリーのアルバムには何度か登場する勝手を知った常連であった。
このような経緯で偶然ロスに集まった5人でセッションが行われたのは、5月15日と17日の両日。ケーニッヒの拠点であったコンテンポラリースタジオであった。
仲良く、マギー、エドワーズ、ブラウンのオリジナル曲が一曲ずつ、それにパーカーの曲にスタンダード曲が2曲でアルバムが作られた。
アルバムタイトルのように、基本はマギーとエドワーズの15年ぶりの再会セッションだが、それを支えるバックの演奏が素晴らしい。普段ピーターソンと一緒に演奏しているブラウンもニューボーンジュニアのピアノには手応えを感じたであろう。後に、レイブラウンはニューボーンの復帰の時のレコーディングにも参加することになる。
1961年というと世間はファンキーなジャズが主流になりつつあった時代。東海岸の喧騒とは別に、5人のいぶし銀のようなプレーがかえって輝いて聴こえる、いいセッションだと思う。
1. Together Again Teddy Edwards 9:40
2. You Stepped Out Of A Dream Nacio Herb Brown / Gus Kahn 7:19
3. Up There Ray Brown 3:27
4. Perhaps Charlie Parker 5:12
5. Misty Johnny Burke / Erroll Garner 4:19
6. Sandy Howard McGhee 9:50
Howard McGhee (tp)
Teddy Edwards (ts)
Phineas Newborn Jr. (p)
Ray Brown (b)
Ed Thigpen (ds)
Produced by Lester Koenig
Recording Engineer : Roy DuNann
Recorded at Contemporary Records' Studio, Hollywood, CA, May 15 & 17, 1961
ジャズのミュージシャンというのは、常に自分のグループで演奏をしている訳ではない。他のグループに加わったり、レコーディングがあったり、ジャズとは関係のないスタジオワークがあったり。時にはたまたま集まったメンバーでのジャムセッションもある。スケジュール調整は至難の業だと思う。ひとつでも予定が変更になると他の予定の調整も大変そうだ。それも広いアメリカでは尚更。
しかし、偶然が重なんと思わぬメンバーの組み合わせのセッションが生まれることもある。
テナー奏者のテディーエドワーズは、ロスを拠点として活動していた。バップ時代から活躍していたが、旅の多い生活を嫌いロスに定住したという。スタジオでの仕事も多くなったが、ジャズの演奏も忘れなかったようだ。
いわゆるウェストコースト派の演奏とは違って、よくスイングする味のあるテナーだ。そのエドワーズは、ウェストコーストジャズのブームが一段落した後、コンテンポラリーレーベルにリーダーアルバムを残すようになる。
そのテディーエドワーズは、デビュー直後の1945年から47年にかけてはトランペットのハワードマギーのグループに加わって演奏していた。このグループは最初活動のベースは西海岸であったようだ。しかし、マギーがロスを去る時、テディーはそのままロスに残り、自然にグループを離れる事になった。
ハワードマギーは、その後麻薬で演奏活動を何度か中断することになるが、1960年になって、ダスティーブルーというアルバムで再び復帰を果たした。若い頃デトロイトでも活動していたマギーの復帰作には、トミーフラナガンやペッパーアダムスも参加しマギーの復帰を支えた。持つべきものは昔の仲間である。
そのマギーが、ジャイムスムーディーのグループに加わって、翌年5月にロスにやってきた。旧友のテディーエドワーズと久々の再会を果たす。久々の再会セッションを段取りしたのは、地元ロスのコンテンポラリーレーベルのオーナーレスターケーニッヒであった。
ウェストコーストジャズのブームが去ったこの頃コンテンポラリーレーベルはそれほど多くのアルバムを出していない。反対に、オーナーがこれはと思うアルバムだけを作っていたように思う。
ピアノには、ちょうどその時ロスに居たフィニアスニューボーンを起用した。というのも、今回の主役でもあるエドワーズが一週間クラブ出演するのに、このニューボーンをメンバーに起用していた。話題の新人の起用は大金星だった。
さらに都合がいいことに、丁度その時オスカーピーターソントリオがロスに2週間滞在していた。その時のピーターソントリオのベースはレイブラウン、ドラムはエドシグペンの黄金のトリオであった。
レイブラウンとテディーエドワーズは旧知の仲、音楽だけでなくロスにブラウンが来た時はいつもゴルフを一緒にする親友同士でもあった。またレイブラウンはピーターソンのトリオがオフの時は、コンテンポラリーのアルバムには何度か登場する勝手を知った常連であった。
このような経緯で偶然ロスに集まった5人でセッションが行われたのは、5月15日と17日の両日。ケーニッヒの拠点であったコンテンポラリースタジオであった。
仲良く、マギー、エドワーズ、ブラウンのオリジナル曲が一曲ずつ、それにパーカーの曲にスタンダード曲が2曲でアルバムが作られた。
アルバムタイトルのように、基本はマギーとエドワーズの15年ぶりの再会セッションだが、それを支えるバックの演奏が素晴らしい。普段ピーターソンと一緒に演奏しているブラウンもニューボーンジュニアのピアノには手応えを感じたであろう。後に、レイブラウンはニューボーンの復帰の時のレコーディングにも参加することになる。
1961年というと世間はファンキーなジャズが主流になりつつあった時代。東海岸の喧騒とは別に、5人のいぶし銀のようなプレーがかえって輝いて聴こえる、いいセッションだと思う。
1. Together Again Teddy Edwards 9:40
2. You Stepped Out Of A Dream Nacio Herb Brown / Gus Kahn 7:19
3. Up There Ray Brown 3:27
4. Perhaps Charlie Parker 5:12
5. Misty Johnny Burke / Erroll Garner 4:19
6. Sandy Howard McGhee 9:50
Howard McGhee (tp)
Teddy Edwards (ts)
Phineas Newborn Jr. (p)
Ray Brown (b)
Ed Thigpen (ds)
Produced by Lester Koenig
Recording Engineer : Roy DuNann
Recorded at Contemporary Records' Studio, Hollywood, CA, May 15 & 17, 1961
Together Again! | |
クリエーター情報なし | |
American Jazz Class |