昨日の対局について、解説のリクエストがありましたので、上げていこうと思います。
第3局の「15子取られながらも勝利」したGさんとの碁です。
私の白番で、面白い手も多かったので紹介します。
参考図1
右下の形は、最近流行している、ハサミにカケる手です。この場合は、黒の一間高バサミにカケ。
白1でAとオサエるのもありますが、Bとハネられて難解な変化に突入します。黒は2とノビ、図のような進行になれば比較的穏やかです。
次に白は、CかDかを選択することになります。
参考図2
実践進行です。黒1のぶつかりは、白2と頭をたたかれるので疑問でした。白4のサガリも好手で、参考図1の白7と雰囲気が似ています。
しかし、白8がソッポ。Aのハネが好手で、ここに石があると、白14でBと打つことができました。
黒19では、とりあえずAと伸びたいところでした。ここが双方にとっての急所です。
参考図3
白としては、黒6にキリが入ったのは嫌ですが、右辺でできる限り得をすることを目指す進行です。
実践は、黒はAとマゲました。確かに好点なのですが、Bと左下を黒地化しつつ、白の攻めを狙う、左下から動く手が勝りました。
参考図4
白2は気づきにくい好手。これを実践で打てたのは自信になりました。利き筋を増やすことができます。
黒5では、普通にAか6が有力で、少し黒が打ちやすそうな形勢でした。
そして、ここが今回の目玉。黒9に対して皆さんならどこに打ちますか?実践はBからある狙いを炸裂させたのですが、何も考えずにCとツナいでしまいそうですね。
(※ヒント 白2によって生じた利き筋を利用したい。)
参考図5
白1から3が正解です!これも一瞬で見えてきて、ヨミ切った時、我ながら感動しました。
実践は、黒6でAと抜きましたが、仮にアタリにかけられた黒がずっと逃げていくと、白11でちょうどBとCが見合いになるというカラクリです。
実践は、黒A、白6、黒コウ取りと進みましたが、白にはCや11のコウ材があるのに対して、黒はDなどの大損なコウ材しかありません。ここで、白が優勢に転じました。
このような手筋が出現する碁は珍しいです。そして、まだまだ気づいていない良い手が眠っていることを、この碁は教えてくれました。
続く