今回は、「コスミ」について書いていこうと思います。
コスミといえば斜めですね。囲碁では、斜めに繋がっている石同士は、決して切れません。そこで、コスミは手堅く足を延ばす手法と捉えることができます。
図1
図1です。
左上、黒3が古来「秀策のコスミ」と言われてきた一手です。次に、黒A のカケが狙いです。最近は、AIが多用することにより、再び頻繁に出現するようになってきました。なお、黒はAだけではなく、B付近のハサミも有力です。序盤ですと、黒Cなど、隅を重視する手は軽く白Bなどとかわされてしまいます。
右上、黒13もコスミ。次に、Dのハザマを見ています。白Eには、順に黒F、白G、黒Hと受けて、黒13が実によい働きを担っています。
右下、黒17は白Iのワタリを防ぐコスミ。白18にツケてきても、黒19からはみ出していけば、白はワタることができません。黒17でIなどの方が働いているように見えますか?黒17なので、Jの断点が補われているのです。
最後に左下、白30は中盤戦で頻出のコスミです。黒Kにツケられても、白Lにハネることができる仕掛けです。また、白としては下の黒2子への攻めを狙っているので、反対側の黒29にモタレるという作戦があります。白30は、こうした狙いも含んだ一手です。
コスミについてまとめると、
- しっかり石同士が連絡している。
- しっかりしているため、相手に響く手を打つことができる。
- 位を取ることができる。
他にも、ナナメに石を使っているので、目を作りやすいという特徴もあります。ただ、整形に手を費やした分、足が遅いということは否めません。部分的には「この一手」になり得るものの、足早に打ちまわす方がよい場合もあります。進出の手法としては、確実で群を抜いていますので、安心して打ち進めることができるでしょう。