中盤は、石の強弱の判断力に加え、部分手筋や形勢判断力も問われます。これらの有無が総合的な実力を反映すると言えるでしょう。前回の続きです。手順図はこちらから。
1~4では、黒白どちらも57が急所でした。
白9はぬるく、やはり57のまがりが好点で、その後11にケイマするのが良い打ち方でした。
下辺は固めてしまいますが、ぐいぐい押していくのは仕方がありません。
黒が18と打った時が白にとってチャンスで、参考図1の手段がありました。実践は、右下を固めてしまいました。
黒22では、単に23とつなぐのが形です。
ここで、白25が非常に甘い一手で、Aと切って下辺に仕掛ける手がありました。実践は、真ん中の白をシノぐことしか考えていませんでした。
対して、黒も26では、Bからのわりつぎを決めてCにかけつぐのが良い天順でした。
28~30では、黒からはDの守り、白からはEからの切断を横目にFやGと策動するのが良かったようですが、かなりきわどい変化です。
白33と打てば黒を切断できていると考えていましたが、参考図2の黒の応手がうまく、手になっていなかったようです。
好機が訪れましたが、白35が相変わらずの頑張りすぎで、41が絶好点でした。
黒40では、一路下の41にはうのが冷静で、黒42はまずい一手。今度は一路上の52に打っていれば、全く互角でした。
更に、黒44は味消しで、56からの勝負が怖かったです。実践は、黒がだいぶ窮屈な姿に。
黒56から被せて、左上の白のシノギ方が焦点です。
やはり、形に弱点が残っていると、後から打ちづらくなってくるようです。前回の続きです。手順図はこちらから。
黒1は、右辺を備えたいところでした。実践は白が先着。
しかし、白4では8と低くはさんだ方がより厳しかったようです。
黒11、15、17ではAがちょっとした味付けの手筋で、実践より勝りました。右辺を味よく取りきっては、白が優勢です。
戦場は左上へ。白20では、Bとコスミつけて先手を取って右下の消しに向かうのも有力でした。
実践白24は頑張りすぎ。左上に弱い石があるので、戦線拡大より、軽い打ち方を目指すべきでした。30やCが有力でした。
最終手の黒37では、参考図のような進行を目指したかったところです。やはり、黒三子をしっかり取りきっておくべきでした。
左辺で競り合いが続いています。攻めと守りの切り替えは難しいですね。
今回は、実践解説をしてみようと思います。打った碁は、検討して振り返ることが大切です。
私の白番です。最近は、この三々と小目の組み合わせを試しています。
黒19は、23に抑えるのが普通です。
白20,22と切っていきましたが無理気味で、参考図1のように打って不満なしです。この後、白はAから動き出します。
参考図1↓
ここから問題手が続きます。
黒31と打ちましたが、これではAの断点の備えになっておらず、素直にAと守るのが形でした。
しかし、白32もチャンスを逃しており、すぐにAと切りたかったところで、参考図2のような進行が予想されます。
参考図2↓
実践進行です。錯覚があったのでしょうが、黒33も右辺の白一団を狙いすぎで、Bに飛んでいて十分でした。白は上下の石の処理に苦労します。
白34と黒三子をとることができては、一気に白優勢です。
しかし、白36は頑張りすぎで、単にC、あるいはDと取りきるべきでした。渡りを妨げたかったのですが、想像以上に損をしました。
私の棋風がよく表れています。私は、細かいところに目が行ってしまうので、小を捨てて大につくことを特訓しています。
接触戦の時は、序盤のようにどこに打っても一局とはいかず、一手間違うと一気に形勢を損じます。
ここまで形勢は互角。次に黒は、右辺を守る一手でしょう。