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囲碁 実践解説④‐3

2021年09月01日 | AI研究

冷静に打ち進めて入れば、たとえ劣勢でも何かとチャンスが巡ってくるものです。逆に、優勢な時の雑な打ち方は、劣勢の相手に逆転の機会を提供しかねません。特に、眼形に関わる手が先手のヨセになると大きいです。これが、部分的にしっかり打つ手法の特長です。前回はこちらから。

 

 

手順図

 

この譜では、あわや逆転というところまで追い上げるのですが。。。決め手を逃してしまいました。

白1は、明らかにAが得でした。ここまで頑張ることができます。

そして、黒2の瞬間、白に後半戦最大のチャンスが訪れました。この手の時点で、形勢は黒1目勝ちくらいです。

まず、黒2では、上辺の23や左辺のBがよく、例として下の参考図1のような進行で、中央の黒一団を捨ててもコミ分くらい黒良しでした。

 

 

参考図1

 

白3から黒10までは大体こうなるところ。ここで、白11が悔やまれる一手となりました。ここは、当然ながらCとカケツぎ、真ん中と右辺の両方を打って我慢するくらいでした。

懸案の黒22に先着され、この黒を追いかけても逆に黒38と滑られてはコミがあっても20目ほどの差です。この後も打ち継がれましたが、黒の中押し勝ちに決着しました。

細かい話ですが、この後、白が左上を打つならば、下の参考図2のように白1、3のコンビネーションが好手順です。🔺に一眼あるので、黒6と一子を取られても手を抜くことができます。単に白3だと、黒1と打たれさらに手入れをする必要があります。

 

 

参考図2

 

この碁からの考察

  1. その碁の急所はいつまでも残っている(左辺のハネ、左辺のケイマの位置の打ち込みや守りなど)。
  2. 眼形に関係する手は大きい(いつでも、白から手順図のDが大所だった)。
  3. 形が整った目一杯の手が好手になることが多い。

難しいことをしなくても、とりあえず3手の読みができていれば、いい碁を打つことができると思います。3手先を読むことができれば、5手先、7手先、数10手先と徐々に深く読むことができるようになります。

それと、どうしても部分的な手ばかりを考えてしまいがちなので、頻繁に盤全体に目を注いでみるのも効果的です。部分的な本手が全体的な最善手ではないことはよくありますし、全体ばかりを気にして、地に甘い手を連発してもいけません。このあたりが、囲碁の難しいところで、楽しいところでもあります。

 

 

総譜