わたしは多情
良い所ばかりが 目に着きし
この人も あの人も
素敵に思えてくれる
気立ての良い人 トークの上手い人
私には無い 素晴らしいものを持っている
そんな人に 惹かれてしまう
多情と言われるだろう
浮気者と言われるだろう
そう言われても 反論はできはしない
人それぞれに 持つ魅力に 惹かれてしまう
そんな己に 身の破滅を恐れしや
あの人も この人も
わたしの心を 捉えて離さない
年甲斐も無く ひとり恋焦がれてる
酔えば酔うほどに 募りしや
グラス重ねて 今宵又
多情多情の狭間を 彷徨いし
あの人 この人
己の心を 揺らしながら
今宵が 更けてゆく
若き青春の 血潮が蘇える
老いた身を 焦しながら・・・
酔うて酔うて 思うてます
酔うて酔うて 献立を
明日の献立 思うてます
何を食べようか 明日の昼
何を作ろか 夕飯は
酔うて酔うて 思うてます
独り身生活 何やかや
するのは独り 己だけ
酔うて酔うて 段取りを
今も今とて 思うてます
あれもこれもと 思うてます
グラス重ねて 思うてます
食事のバランス 思いつつ
酔うて酔うて 酔うてます
グラス傾け 思うてます
野菜に肉に魚を・・・と
献立色々 思うてます
朝はレタスに 生卵
何やかやと 思うてます
酔うて酔うて 思うてます
酔うて酔うて 更けていく
酔うて酔うて 嘆かわし
髪の毛思いて 嘆きます
ふさふさ髪が 懐かしや
何故かこの頃 目立ちます
酔うて酔うて 気になるや
鏡見るたび 薄くなる
頭の天辺 薄くなる
あれ程剛毛 嫌いしに
今や懐かし あの感触
酔うて酔うて 鏡見る
鏡の中の 髪の毛よ
かっての密林 何処へやら
禿山ちかし この頭
酔うて酔うて 寂しきや
酔うて酔うて 恐ろしや
トニック リンス 甲斐も無く
怖々 シャンプーしています
酔うて酔うて 心配ぞ
この先どうなる 思いては
酔うて酔うて 心配ぞ
この先どうなる 思いては
酔うて酔うて 過ぎていく
今宵も酔うて 過ぎていく
ウツラウツラと 酔うてます
酔うて酔うて 空見上ぐ
青空高し 何処までも
ゆくり流れし ちぎれ雲
ふわりふわり 流れゆく
酔うて酔うて 眺めしや
小鳥か雀か 囀るは
耳の奥にと 届き来る
酔うて酔うて 気持ち良し
緑の風に 誘われて
気持ちは飛び交う 蝶のよう
酔うて酔うて フワフワと
酔うて酔うて 舞い上がる
黄色にピンク 紫と
酔うた目をば 楽します
風に吹かれて 飛んでいく
酔うて酔うて タンポポに
空の遊泳 楽しけれ
ゆらりゆらりと 酔うてます
まどろむ ひと時 酔うてます
酔うて酔うて 大空に
酔うて酔うて まどろみし
止まってる 止まってる
全ての時が 止まってる
酔うた己も 止まってる
思考さえも 止まってる
酔うた身を 横たえる
静寂の中に 身を置きて
そばだてる そばだてる
かすかな音も 聞き洩らさじと
なのに聞こえぬ 酔うた耳には
鳥の声も 風の声も
聞こえぬ聞こえぬ 全ての音が
音無き静寂 安らぎし
酔うて酔うて 浄化さる
身も心も 洗わるごと
全ての雑念 飛び去りて
無の世界に 入り浸る
酔うて酔うて 時忘る
酔うて酔うて 時止まりしや
酔うて酔うて 日が変わる
今日が明日へと 移りゆく
昨日が今日へと 潜り抜け
新し一日 始まりし
今日と言う日が 始まりし
新たな気持ち 生まれ来る
真更なる日 引き締まる
気持ちも新た 引き締まる
酔うて酔うて 捨て去りし
昨日と言う日 捨て去りし
酔うて酔うて 迎えしや
新し今日を 迎えしや
果てさて何を しようかと
真更なる日に 身構える
耳を澄ませば 音も無し
全てが無から 始まりし
真更なる 今日と言う日が
酔うて酔うて 無になるや
目をつむり 無想の境地
酔うて酔うて 入りたるぞ
無から始まる 今日と言う日
不気味なり 不気味なり
日本列島 噴き出すか
酔うて酔うて 憂えてる
御岳噴火 思い出し
その後の 箱根と
不気味なり 不気味なり
蔵王の山も 気になるや
酔うて酔うて 心配ぞ
阿蘇 櫻島も 鳴動し
いつ又起こる 爆発に
酔うて酔うて 気が揉める
日本列島 燃える島
いつ又何処で 起こるやら
海の中なら 嬉しいが
拡張続ける 西の島
そんな噴火 大歓迎
酔うて酔うて 嬉しきや
海中噴火で 大きくなる
見る見るうちに 西島が
そんな噴火 喜びし
酔うて酔うて 頼もしき
静かなり 静かなり
物音ひとつ 無きや
過ぎていく 過ぎていく
酔うて酔うて まどろみし
深みし緑 輝くを
酔うて酔うて 眺めてる
音無くそよぐ 緑の風
人の気配 全く無し
前も後ろも 右も左も
家に囲まる 住宅街
静まれる 静まれり
音無き庭の 緑の葉
そよいでる そよいでる
柔らか陽射しに そよいでる
照らしてる 照らしてる
静かな静かな 住宅街
酔うた瞼に 宿りしや
静かな静かな 住宅街
スペイン旅
