陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

実写に近づきすぎた日常アニメがなぜか苦手

2024-05-31 | 二次創作論・オタクの位相

拙ブログを開設した頃は、レビュー材料がてらに深夜アニメをよく観ていたりもしました。
さすがに20年近くもなると、数作品をはしごするのも、辛くなります。話題作を聞きつけると、全話視聴しとおすよりも前に、レビューを漁って概要を掴むことも多くなりました。

NHKで「響けユーフォニアム」だとか「宇宙よりも遠い場所」だとか、「アイカツ!」だとか。
京都アニメーション系の、よく動く、可愛らしい美少女もりだくさんの、作品が扱われているのを知って、けっこう驚いています。

「君の名は」「天気の子」で知られる新海誠作品も人気です。
背景美術がとても美しいですよね。動きも違和感がない。最近、地上波放映された「すずめの戸締り」も良作だとは思ましたが、しかし、二度見したいとは思わないのです。ジブリアニメみたいなもので誰もが認める名作なのだろうけども、自分だけの神作とまでは思えない。

おそらくなのですが、実写に近すぎたキレイな表現を追求するアニメが苦手なんでしょう、自分は。
これらの作品はVRのアバターかって思うくらい、人間の自然な動きを再現できていて、瞬きするのすらほんものっぽい。けれども、なにかそれが違和感があるんですね。滑らかすぎて、アニメでないと感じる。

おそらく私は90年代までの、劇画調で主線が太くて、漫画っぽい表現があるアニメのほうが好きなんですね。
驚いたり、怒ったりすると、大げさに顔が崩れるといったような。上記の作品は表情がきれいすぎるために、感情の波がよくわからない。ロボットのように私には感じられるのです。おそらく、私が余りキャラの感情をくみ取るタイプではないせいなのかもしれませんが。

世界観にしても教室の風景だとか、明らかにどこかの学校をモデルにしたのかとわかるようなリアリティがあります。なら、いっそ、アニメじゃなくて、実写にしたほうがいいのに、とさえ思いますが。10代の子が20人以上は余裕ででてくるキャストを集めるのはたいへんだし、だいたい高校生を30前後の俳優が演じるなんてこともザラなので。

アニメはやはりアニメだからできるファンタジーな演出や表現技法をひねってほしい、というのが私の好みです。
たとえば、「少女革命ウテナ」みたいな書き割り舞台。現在のCGならば立体的に再現できるのかもしれませんが、あのアニメスタッフだからこそできるもの。

その一方でNHK夜ドラの「作りたい女と食べたい女」や「VRおじさんの初恋」みたいな、日常が舞台の漫画で原作にあまり背景の広がりがないものは、実写化するとかなり面白く感じます。主人公が社会人かつ自分に年齢が近くなっているからかもしれません。

若い頃は観ていたアニメが何となく苦手になり、特定作品にこだわりつづけることしかできなくなったこの20年。
とくに日常学園で青春群像劇ものは苦手きまわりなくて、あまりリアルに描いたものは観たくないなと避けたくなります。卒業間近で進路がどうたらの、部活アニメだとか、どうでもいいじゃないか、と。登場人物が多すぎると名前も覚えられません。学生時代を過ぎたら、人生に区切りのない消化試合が何十年と続くわけです。いろいろお察しください(苦笑)

余談ですが。NHKは「精霊の守り人」のドラマ化をしてよかったけれども。
アニメはシリーズ第一作のあれ限りなんですかね。ドラマの続きはタンダ役の俳優さんの問題があって無理なんでしょうかね。

(2024.05.05)














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