お金をかけない自然菜園で、気ままにコマツナづくりをはじめてふた月ほど経過。
今回は間引き7回目。株のあいだが適度になり、そろそろ最終収穫を待つばかりに。葉っぱがけっこう大きくなってきてびっくり。
この畑は風が強いので、葉が折れたり、株が倒れたり。
土寄せして垂直に戻していますが、雨で流れてしまうのか、なぎ倒されたようになる株もあります。これは教本どおりには育たない部分で、意外な発見なのでした。今後、他の作付けをするときには余り線の細い野菜は向いていないのかもしれませんね。
11月下旬から気温が急降下。
畝も冷たくなってきます。夕刻、すりつぶした卵の殻を撒いて、米のとぎ汁を水やりしていますが、夜間に凍結が心配…。
そこで挑戦したのが、誰でもできる自然菜園の基礎、草マルチ。
農業者が用いるプラスチック製の黒マルチは空き家にあるにはあるのですが、ひとりでピンと張るのがめんどくさい。たぶん、下手。しかも破れたあと、土に混じるのがとても嫌!
草マルチの手法は、畑のそこたしにある雑草を刈って、畝に敷く。たったこれだけ。上記画像の右側は3日前に敷いたばかりの草マルチ。風に飛ばされることなく、密着してくれています。草を敷いたあとに水やりしたのがよかったのかも。
何と、この草マルチ、江戸時代からある由緒正しき自然農法。
そりゃそうだ、昔は藁なんぞをかぶせていたのでしょう。プラスチックのシートなんぞなかったわけだから。昔ながらの手法の方がよほどエコロジーなんですよね。
草マルチにしたのは、空きスペースに群生していた青々としたスギナ。
これまで除草剤を撒いたときにも生えていましたが、もっと濃い松みたいな色でした。このコマツナ栽培をするにあたって、畑全体を夏場から二度、三度、刈ったり、耕してきたので、他の雑草が控えめになったんですね。とくに秋に多い種を飛ばす野草は徹底的に抜き取りました。なので、遠まきには明るいグリーンのじゅうたんみたいな景色に見えたはずです。一度刈ったので、いま生えているのがすこし若いからなのでしょう。
このスギナ、とうしょは草マルチにする予定ではなく。
畑が忙しいので除草できなかっただけなのですが。以外にも、草マルチにするのにとても便利! なにせ、種を飛ばさないからです。 ほかの雑草と違って色が単一なので敷きつめた時に鮮やかで美しく映えます。スギナは除草剤で枯らすのもめんどくさい扱いされていますが、そもそも繁殖力が旺盛なので、他の雑草を抑えてくれると思えば、除草シート代わりとも言えて、ありがたい存在なのかも?
草マルチをすると保温にもなり、雨で畝が崩れるのを防ぐ役割も果たします。
畝の脇に種がながれて、発芽してしまったものもあります。草マルチをするまえは、畝に生えてきた柔らかいスギナを摘んで食べていましたが。さすがに畝が多くなると、すべてを手刈りするのは不可能。畝の雑草抑えにもなるのでありがたい。
敷いていた雑草は腐敗して、有機肥料に。
さらに、草マルチの下で微生物が活性化、テントウムシなどの益虫が棲みやすくなるとか。害虫も増える恐れもありますが、黒マルチを片付ける手間を考えたら、草マルチの方が楽かも。
この草マルチは、それ専用の雑草もしくはイネ科やマメ科の緑肥植物を生やしておくスペースが必要になるため、そこそこの面積が必要にはなります。当然ですが、プランター栽培では無理ですし、そもそも室内へ移動できる鉢なら不要ですね。スギナは糸のような細い雑草なので、畝ひとつあたりでは二倍か三倍ぐらいの広さ分を刈らねばなりません。
この畑は登記上はおよそ4アール(=400平方メートル)あるらしいので、けっこう広く、すべてを畑にしたら家庭菜園の規模超えちゃうよ? と、仲の良いプロ農家の奥様に笑われたのですけども。草マルチ用のスペースを考えたら、あんがいちょうどいい広さなのでは? と安堵しています。ただ、春以降になると、草がどんどん生えてくるので、手刈りはけっこう大変。畑をするなら、この土地はもう除草剤を散布できないので、除草シートに頼るしかないのかも。
ところで、草を刈っていると、セキレイがよく近づいてきます。
土があらわになるので、ミミズなどを見つけやすいからなんですね。数年前からの除草作業中にもバッタだとか、カエルだとか、カニだとか(たまにヘビも)いろいろ遭遇していますが、人間が怖くないのか、かなり近づいてきます。身近に生きものと出会うと、自然と共生しているこの瞬間がとてもかけがえのない貴重な時間に感じられます。私はたぶん、前世は人間じゃなかったのかもしれません(苦笑)。
鉢植えに移植した間引き株は、活着がよくないのか、枯れかけています。
やはり移植するなら、根が張って大きく育てられる土のほうがよさそうですね。そもそも密着して植えすぎです、アホですか。
(2024.11.30)