陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

定額給付金の話 その2

2009-04-01 | 政治・経済・産業・社会・法務

過日、ある知り合いのところに定額給付金申請書が届きました。早ければ三月初旬に窓口で現金支給された方をテレビで観るにつけ、うちはまだかと気を揉むばかり。その知人のすむ自治体は、窓口での直接申請の受付は四月以降、手渡しは六月以降になるそうです。

注意すべきなのは申請受付開始日が、全国まちまちであること。そして、申請期限はその日からわずか半年しかありません。つまり、お住まいの自治体がすでに申請受付がはじまっていれば、あと六箇月間もないわけでして。二月一日時点で住民基本台帳に掲載された住所のある自治体が管理するわけです。しかし、三月、四月なんてまさに引っ越しシーズン。申請書が送られてくるまえに転出届を出していればあたらしい住所で受けとれるはずですが、行き違いですでに旧住所に届いていたなんてこともありえますよね。
家族いっしょなら、世帯主や代表者が一括して受けとれるのですが。この春、進学や就職で独立世帯主となった方は手続きがややこしいかと思われます。

さて。この知人の場合、郵送で申請し、口座振り込みを希望いたしました。
この場合、役所の用意した返信用封筒には申請書と、身分証明書や預金通帳のコピーを同封せねばなりません。悪用されたりはしないでしょうけれど、ちょっと気持ちわるいですよね。振込にしたほうが、平日窓口に行けない方には好都合とはいえ。とはいえ、本人に確実に届けるにはしかたのない手続きなんですけれど。この方法だと、親御さんはちゃっかり子どものぶんのお金とっちゃうんでしょうね。まあ、食べさせてもらってばっかりで自分で稼いだこともない立場の人にいきなり二万円もあげるのもどうかと思うけど。
しかし、郵送申請で振込にしたら、お金持ちや犯罪者なんぞは、誰彼はばかることなく受けとれますよね。そして、去年までしっかり所得税をおさめてきたのに急に派遣切りされて住む場所をうしなってホームレスになったひとは受けとれない。

気がかりなのは、定額給付金に乗じての振込詐欺。
自治体のほうから、給付金を振り込むからさきに手数料を振り込んでくれと請求したり、口座番号や暗証番号を聞き出したりすることはありません。この振込詐欺って犯人の大半は二十代が多いそうですが、他人から金品を奪って遊び歩くだなんて恥ずかしい生き方ですね。私もけっして人に誇れるような人生歩んでるわけじゃないですけど、他人の蓄えを盗んで糊口をしのぐくらいなら死んだほうがましだと思います。

しかし、この給付金じたいもある意味、逆詐欺とはいえなくもない。二年後に消費税アップがもくろまれているだけでなく、この四月から給食費や国民年金の額があがってしまいます。前者は国産食材をつかうと費用がかさむためですが、後者はじつは平成二十九年度まで段階的に引き上げられてしまい、数千円の差が出てしまいます。いまの年金世代あるいはあと数年で退職見込みの団塊世代はいいでしょうが、その下の世代には重い負担になってきます。ですから失礼なんですけれど、給付金を手にして孫に小遣いやれるとかいいながらにこにこしてる老人見てると、心境複雑なんですよね(いやな若造ですな)もちろん、こういう人には戦争で青春時代がなかったので、とうぜんなんでしょうけれど。
かといって現役世代が払わなければ、次の世代に年金破綻させた張本人あつかいされてしまうでしょうし。

一万二千円のお涙金で甘い夢を見させておいて、数年後には地獄が待っている。しかし、未来の借金をおそれて、いま飢え死にするひとを見過ごすこともできない。
うちのほうはまだ申請書が届いていませんし、給付は五月、六月になりそうです。いまのところ、何か買うという予定はないですが。どうせならひとりで楽しむものよりも、家族で食事に行くとかで使ってみたいですね。自分の労働でもらったお金じゃないんですから、ちゃんと経済にひびくような使いかたしないと。納得のいく買い物をしたいというのが本音です。でも、生活費に消えちゃいそうですね…。ふつうに年金払ったらごっそり回収されます(笑)



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