皆さまご機嫌いかがですか?
姫宮千歌音です。
今日は姫子から漫画の単行本を借りてみました。
介錯先生のひさびさの新作『姫神の巫女』第一巻です。
私たちの物語を生んでくださった方々による、あのウェブ小説がもとになっているみたい。とてもおもしろく読みました。
表紙を眺めるに、なんだかとても懐かしい気分。胸がときめきます。
今度の彼女たちのイメージカラーは赤と黒。愛しあってしまうけれども、殺しあうのが定め。哀しい予感がします。なのに、どことなく落ち着いて構えてしまえるのは、私たちの魂の生まれ変わりだからなのかしら。
それにしても元号が変わって、都会でふたりが女子高生をしているなんて、とても不思議な気分。
これまでの「私たち」はだいたい衣食住を共にしていたことが多いのだけど。皇月さんと日乃宮さんは別々の学校に通っていらして、住まいも別々。私と姫子の学園生活には薔薇の園という逢瀬の場所があったし、ひとつ屋根の下に暮らせてもいたけれど…。すれ違いも多くて、逢える時間が限られるふたりだから、苦労も多そうです。まして、残された日々が数か月しかないとなれば…。
先日、薔薇の香りがする美しいタペストリーも早速届きました。
ふたりだけの寝室の壁がさみしいので、お取り寄せの絵画で埋めようと思っていたら丁度いいサイズ。私たちの現役時代のタペストリーはすこし大胆で、撮影するのは恥ずかしかったけれど。これなら、お客様にも見せられそう?
ここ数日天火明村にも寒波が押し寄せてきて、姫宮邸内も雪が積もりました。
雪かきをメイドたちに頼むのも酷なので、乙羽さんに相談していたら。姫子がお任せあれの顔つきになって。翌日、タケノヤミカズチが出動。前庭におおきな足跡をつくりながら、屋根をきれいにしてくれました。そのあとに早乙女さんも参加して、かまくらづくり。中にこたつを入れて、四人でお汁粉をすすりながら温まりました。大神さんと早乙女さんは、氷柱(つらら)と雪玉で野球ごっこをして元気いっぱいです。
大神さんともいろいろあったけれど、今ではすっかり、姫子と共通のお友だちです。『姫神の巫女』の双磨さんも、いずれは、あの子たちと仲良くなるといいのにね。
そろそろバレンタインデーが近くて、周囲もそわそわしています。
私あての心づけは、かねてからお断りしています。けれど、学園内でも邸内のメイドたちも告白をしたり、お世話になったお礼をこめたり、ありがとうのやり取りが進んでいるみたい。せっかくなので、姫子や乙羽さんと話し合って、有志からお菓子を募り養護施設などへプレゼントすることにしました。もちろん、姫子とのチョコはこっそり休日にふたりしてつくるつもり。今年はもうすこしお砂糖を控えめにして、大人向けの味にしたいと思います。
昨晩、こっそり恋心を書き溜めていた昔の日記を暖炉へ放り込もうとしたら、姫子に慌てて拾われてしまいました。
もう恥ずかしいから棄てたいと言ったのに…。「どんなに怖いことや悲しいことがそこにあっても、それは千歌音ちゃんが私に抱いてくれた大切な想いだから、なくしたら嫌だよ…」と。姫子に瞳をうるませてせがまれたものだから、私もお返しに抱きしめてしまい、お互いに灰だらけに。いっしょにお風呂に入ってきれいにして、ブランデーを片手に暖炉の前でひとつのブランケットにくるまったまま、冬の夜を過ごし明かすのもいいものです。
17年経った今でも忙しくて気持ちの行き違いがあったりもする私たち。
かつての青くさい情熱ではないけれど、お互いを好きなままでいます。愛はふたりで育てていくもの。このまま、ずっと一緒にいられたら…。哀しい運命はもうたくさんと思うけれど、ふたりでなら乗り越えられる夜もありそう。
それでは姫子との約束があるので、この辺で…。
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「宮さま日記」とは…
2006年夏頃、姫宮千歌音が書いていたとされる幻の日記ブログ。
その正体は――アニメ「京四郎と永遠の空」の放映記念の、原作者の介錯先生によるお遊び企画。ファン悶絶のネタ満載。褒めなさい、称えなさい。
スタッフそれぞれが宮様になりきって、アニメの進捗状況を語るものだったらしいが、その後、別ブログの介錯日記が稼働したので放置状態に。なお、現在の近況報告はおもにツイッターでおこなわれているが、アイコンは「京四郎と永遠の空」の絶対天使ムラクモのかおんのままなので、読者諸子の熱い愛(マナ)を必要としているらしい。
センセイ、そろそろヘッダー画像を「姫神の巫女」に変えませんか?
◆神無月の巫女二次小説 其の二◆
神無月の巫女の二次創作のうち、短編・お笑いSS・コミックをあつかっています。
*漫画「絶対少女聖域アムネシアン」&ウェブノベル「姫神の巫女」、そのほか関連作レヴュー一覧*
漫画「絶対少女聖域アムネシアン」および、ウェブノベル「姫神の巫女」、そのほかの漫画などに関する記事です。
★★神無月の巫女&京四郎と永遠の空レビュー記事一覧★★
「神無月の巫女」と「京四郎と永遠の空」に関するレビュー記事の入口です。媒体ごとにジャンル分けしています。妄言多し。