陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

通勤時間の過ごし方で人生の満足度が違う

2022-12-20 | 仕事・雇用・会社・労働衛生

以前の仕事カテゴリーの記事では、通勤手段についてお話しました。
今回は、その通勤時間での過ごし方についてつっこんでみましょう。

私は勤め先でいうならば、大阪府内か、もしくは現在のご当地県でしか働いたことがありません。都会圏在住だと、私鉄や地下鉄が充実しているし道路もいい、さらに県がお隣になっただけで最低賃金額が上がったり、健康保険料率が下がって手取りが増えたり、なんてこともありますよね。

でも、私は全国転勤を命じられるような大企業務めでもなく、著名な公法人でも契約職員だったので移動もなく、その勤め先を辞さない限りは通勤手段や時間が変わってしまう、なんてことはありませんでした。まあ、私はヘタレなので、通勤時間が長くなった時点で辞めてたとは思いますけど。

今回のお仕事エピソードは通勤時間での過ごし方について。
電車通勤のいいところは、乗ってしまえば自動的にからだが運ばれるので、そこで自由な時間が手に入ることです。

私はよく資格のテキストを持ち込んで勉強していました。
いかにもいま難しいこと考えてるから、邪魔すんなよというオーラを醸しだしながら。すると、お隣にだいたい真面目そうなサラリーマンか、読書好きそうなご婦人か、はたまたおなじく受験勉強に熱心そうな高校生が座ってくれたりするんですよね。失礼なんですが、お勉強嫌いのひとが近づいてこないので快適なんです。見た目派手めなギャルとかお兄さんも座るけれど、意外と遠慮がちにスマホを触っておとなしかったりする。友だち同士でぎゃあぎゃあお喋りする子は避けてくれるんですね、ありがたい。…ていうか、ただこっちが煙たがられてるだけですけどね。

田舎のJRは1時間弱の通勤時間。
毎日往復2時間+早朝の学習時間。細切れ時間ですけれどあなどれないものです。おかげで、ふつうは3箇月ぐらいかかるとされる資格をひと月ほどの学習期間で取得し、職場でも驚かれたことがあります。テキストは分解して単元ごとに、科目ごとに持ち運びできるタイプがおすすめです。

通勤時間にあんがい触らなかったのがスマホ。
なぜって、後ろから覗かれたりするのが嫌だからです。あのブログの管理人なんだなと知られるのが怖い。熱中してるから忘れがちですけど、スマホってあんがい画面が目立ちますよね。イヤホンつけて動画観てると周囲に気が回せなくなるから怖いのです。不特定多数がいて、事件が起こるかもしれない場所で、無防備なのは恐ろしい。

食べるとか化粧するとかも絶対やりません。
ペットボトルを飲むぐらいはするけれど、匂いが気になりますよね。朝食はしっかりとって、家で準備してから会社に行くほうでしたので。

とくにやることがなければ、たいがい鞄に入れておいた文庫本を読むか、車窓外の景色を眺めています。田舎なので土地の用途が変わったり、なかったりした建物があったりする。住人が変わって、家のたたずまいが新しくなったりする。街というものは人間が関わっていないと、あっというまに自然に戻されてしまう。住民は線路側に近づかないので見えないけれど、こちら側から丸わかりのことがある。不特定多数のまなざしが毎日ある時間に流れていくのに、住んでる本人たちがまったく気づいていないこと。危ないよと言いたいのに、その言葉が届かないままのこと。そこから学ぶことは多々あります。

朝夕の通勤時間でやたらと眠ることが多かったりしたら、もう不健康のサインだと思っていました。頭がぼんやりしたまま降りると、やはり仕事でもパフォーマンスが悪い。

士業事務所の正社員で勤めていたときは、覚えることがあまりに多くて。
資料を家でも読んで、電車内でも目を通したり理解に努めようとして。そんな日々をくりかえしたあげくメンタルを壊してしまったこともあります。やはり通勤時間は自由に自分の好きなことをできたほうがいいです。過重労働が原因のストレスで電車に乗れなくなってしまい、現在は電車通勤のお仕事はかたくなに避けています。コロナ禍だから、他人と接触したくもないですし。

私は原則的に、他人とスペースを共有するのが厭わしいほうですが、電車は別。
通勤時間に余裕ある過ごし方をすることで、気持ちを整え、あるいは仕事帰りにリフレッシュできる。勤め人だったとき一日で一番充実していたのは、帰りの電車に乗った時間だったのかもしれません。自宅に着けば着いたで、そこでの責務もあったりもします。

仕事をしてきたという充実感だけを抱えつつ、ずっと電車のなかにいられたらいいとは思いますけども。
電車というのはかならず辿り着く駅があるもので、乗せてもらえる夢のついえる瞬間があるもので、そして互いに無関心だけれども社会の端っこにいるという実感が得られる場所でもありまして。だからこそ電車で会社に通うのにはロマンがあったと言えるのです。もうこれは、昔の想い出だからことさら飾って語れることではありますが。

(2021/08/31)

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