二次創作は、リアル私が大っぴろげに言えない趣味のひとつでもあります。
しかし、この趣味があったおかげで、私はなんとか生き延びたといっても過言ではありません。今回は二次創作をしてよかったこと、よくなかったことを自分なりにつづってみました。
【よかったこと】
・物語のつくりかたをなんとなく理解したつもりになるので、フィクションを楽しむ余地がひろがる
私は二次創作をするようになってから、小説や漫画、映画などをよく楽しむようになりました。素材として参考にするためでもありますが、純粋になんとなく手にとってよかったと思うものもあります。これは二次創作のみならず、ブログ記事にしようとネタを探しているときでもそうですね。自分の専門分野以外の本も好奇心をひろげて、よく読むようになりました。
・人物の感情の機微に聡くなる
フィクションで描く気持ちのやり取りと現実の人間の気の持ちようは別とは思いますが、多少、テクニック的に活かせるところはあるのではないでしょうか。私はカップル話ではなく、複数名が交錯するような群像劇を二次創作で書くようになってから、会社勤めなどでも人間観察をよくするようになりました。しかし、逆に他人の内面をイメージしすぎてこんがらがってしまうこともあります。
・絵や文章を書くことにより癒される
アートセラピーという療法があります。PTSDになったひとの絵を読み解いて心理面を分析したり、また、音楽を聴いてこころを落ち着かせる。専門家ではないので詳しくはないのですが、しかし、創作には正解がないので、敷居が低いですし、評価を気にしなければ、孤独に楽しむことのできる最高の趣味なのです。
・好きなキャラにありえなかった人生を与えることができる
二次創作は基本、版権者からキャラや設定をお借りしています。なので、いち読者がかってにいのちを吹き込むなどと言うと、それはとてもおこがましいわけですが。完結してしまってもう続編の望みがない物語や、あるいは作中でちらりと触れられたサイドエピソードなどを膨らませて、自分の想像力を駆使して、あらたな世界をつくりだすのは、とても面白いことなのです。
・好きなキャラに愛と勇気をもらうことができる
なんだかくさい言い回しですが、私が二次創作をつづける大きな動機のひとつがこれです。好きな作品のキャラに言わせたい台詞や、とってほしい行動がある。それはまあ、現実では与えられないものなのかもしれないですし、満たされない気持ちの代弁者として、彼ら彼女らを利用しているとも言えます。
【よくなかったこと】
・うっかりのめりこんで、時間をかけすぎてしまう
もう、これしかありません(笑)。仕事や資格取得に必要な勉強時間などを大幅に奪ってしまいます。実は数年前に大幅に断捨離してしまった折に、いまハマっている原作ジャンルのグッズをすべて廃棄して、書きかけのもののデータも消去しようとしかけたことがあります。けっきょく、過ごした時間があまりに惜しくて捨てられず、それから、原作ジャンルも数年のブランクを経てリヴァイヴァルしたりで、熱がもどってきてしまい、二次創作意欲もまたぶり返してきたのでした。
ほとんど交流はしてこなかったので、他人に振り回されて、創作熱を削がれたということはなかったです。ただ一時期ブログに荒らしのようなコメントがあったりして嫌だなと思ったことはあります。
ジャンル内での人間関係とくにSNS上でのそれで悩む方は多いのでしょう。
私の経験則ですが、やはり、それは現実の付き合いと同じで、適度に距離をとったり、相手のペースに巻き込まれないようにするしかありませんよね。誰か困ったさんについて悩んでいるときは、そのひとのことをあまりにも考えすぎています。なので、誰かに見てもらうとか、褒めてもらうとか、他の同志の創作ぶりに注目せずに、自分のやりたい二次創作に衷心すべきではないでしょうか。
【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。