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【画像20241026】【英雄ソウマの健闘をたたえた一杯】
神無月の巫女で出てくる飲み物といえば、千歌音ちゃんが姫子にごちそうする紅茶。薔薇の園で優雅にカップを手にしているイメージがありますよね。薔薇のジャムなんかを溶かしながら。
しかし、見逃しそうなのですが、最終話には重要な飲み物が登場します。それは世界再生後に、大神ソウマに差し出されたコーヒーカップ。ソウマくんは姫子に告白して結果伴わずのあと、カズキ兄さんからの慰めの一杯なのです。
微笑みでそれを受け取るソウマくんが実にいい笑顔なんですね。きっと、彼はその後の人生で叶わなかったことに遭遇しても、こういう気持ちの切り替えができる大人になったのだろうと、推察します。
アニメ神無月の巫女の旧版DVDブックレット第六巻所収のスタッフコメントで、柳沢テツヤ監督はこう述べられています。
「ソウマと千歌音の戦いは、ただ愛する者を護るための戦いであり(…)そこにあるのは、自分のことより相手を想いやる気持ち、けっして見返りなど求めない、純粋で、一途な想いだけなのです」
「自らが滅んでも姫子への愛を貫き通すソウマの姿こそヒーローの姿ではないか、だから最終回カズキの出すコーヒーには、我々スタッフ全員の想いが込められているのです。そう、たとえ、ドラマの中の記憶が消えても僕らはちゃんと知っているのだ。お疲れさま、ソウマ。君のおかげで世界は救われた。君は英雄だ、君こそ…」
女の子二人の愛に届かなかった初恋、あるいは名アシストをする百合男子、噛ませ犬だとか、いろいろ残念な見解も抱かれてしまう我らがソウマくんですが。王道的なヒーロー像をつめこんだ理想そのもの。こういう昭和くさい価値観のキャラクターは昨今敬遠されがちなのかもしれないけれど、私は大好きですね。
多くの勇者ロボや少年バトルもののアニメを手掛け、永井豪などの漫画に親しんだ監督だからこそ生まれた、清く正しく美しいヒーローだといえます。デビルマンも悪の組織に叛いて、すべてを捨てて、女の子のために闘う硬派ですものね。まさに少年漫画の主人公。
ところでカズキ兄さんが入れてくれたコーヒー、どんなお味なんでしょうか?
豆にこだわった焙煎なのか。お手軽なインスタント? ユキヒトさんならお茶目なカフェラテアートとかしてそうですが、やはり、ここは渋めにブラックなんじゃないかな~なんて想像してみました。
【Image】画像で語る、すこぶるアガる、神無月の巫女
神無月の巫女20周年、その前に。二次創作小説の更新時お知らせ記事につけていた画像。たまにコメントをつけていましたが、いい機会なので、ちょこっと遊んで企画化してみることにしました。
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神無月の巫女二次創作小説「君の瞳に生まれたエフェメラ」
第三話:来栖川姫子の供述
たとえ、いま、千歌音ちゃんのほんとうが分かっていても、わたしは大神くんの前ではそうしたに違いない。だって、わたしが幸せにしてあげられなかったひとのまえで、幸せは口にしてはいけないような気がしたから。わたしの一番のひとがやってきたんだもの、幸福すぎてもったいないよ、でも…。どうして、こんなに虚しいのかな…。
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神無月の巫女二次創作小説第十六弾にして、二〇周年記念の新作をお届けいたします。転生後に同棲しはじめたものの、ある一枚の写真をめぐる姫子と千歌音のさざなみを描いた短編アフターストーリー。
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([神無月の巫女二次小説 其の一]→「君の瞳に生まれたエフェメラ」(目次)