陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「レイダース 失われた魔宮と最後の王国」

2018-08-17 | 映画──SF・アクション・戦争

観終えた感想は、よくもこんなバカバカしいものをおまじめにつくりあげたものだ、というただそれだけしかないという。2008年のドイツ・南アフリカ共和国の合作映画「レイダース 失われた魔宮と最後の王国」(原題:African Race – Die verrückte Jagd nach dem Marakunda)はそんな映画です。暇な方だけにおすすめします。

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ドイツの宗教的権威の象徴たるケルンの大聖堂がある日、突然、崩壊しはじめる。
その原因が、かつて柱に埋め込まれていたはずの巨大ダイヤモンドにあると突き止めた考古学者のセバスチャンは、一路、ダイヤを求めてアフリカ大陸へ飛ぶ。しかし、アフリカに着いた当初から地図をなくしたり、騒動に巻き込まれたりのトラブル連続。美女の探検家アレックスの助力を得て、目的地の洞窟へと向かうが…。

タイトルからあのハリソン・フォード主演の逞しい冒険家兼考古学者を思い起こさずにはいられませんが、まったくのパチモン。訳者のいたずら心だったのでしょうかね、この邦題。といいいますか、もはや原型すら留めていませんね、これは。セバスチャンはまったくの草食系、軟弱なタイプ(ただし、眼鏡を外すとイケメンとかどんだけ古典的なのかと)だし、アレックスは美女という枠にとどまらないワイルドさ。さらには、太っちょのドイツ人青少年施設のオーナーやら、アメリカの犯罪組織のドンの業突く張りおばさんとか、インドの大富豪のドラ息子だとか、銀行強盗の二人組プラスアルファだとか、ダイヤを付け狙う面子がどんどん増えてきてひと騒動に。取材になかなかいけない新聞記者も、ラストでは一役買っていたりします。

それぞれの追っ手たちの冒険にひとすじ縄ではいかないやっかいなことが絡み合ってきますが、最後はそれなりに落ち着くところに落ち着くことになります。お約束の古めかしいギャグのオンパレードとはいえ、強引とはいいつつ、最後はちゃんとまとめてあるところは好感がもてるかもしれません。ストーリー的には破綻してないんですよね。ただ、いささかセックスジョークがどぎついので、コメディといえ、ファミリー層向けではありません。なぜか、突然、インドのミュージカル調になってしまうのも謎。なんで、ここでクイズミリオネアやねん、と突っ込みたくなることも。くだらないと言えばくだらないのですが、エロバカではあるものの、スカトロジックだったりグロさはないので、見れるほうでしょうね。

それにしても、ドイツ人女性はタフな方が多いのでしょうかね。
「バグダッド・カフェ」であるとか、かかあ天下っぽいお国柄なのかも。ハリウッドスター並みの美女が目当てという方にはぜったいにおすすめできないです。それと本家のインディがお好きな方にももれなく不評のようで。

監督はアクセル・ザント。
主演はヤン・ソスニオク、ミリヤ・ブースほか。出演者のほとんどはドイツの有名なコメディアン。本作はドイツのテレビ映画 CRAZY RACEシリーズの第4弾だそうです。

(2012年11月13日)


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