パリ五輪にかこつけてある人気お笑い芸人の放ったSNSでの発言と、それに対するアンチコメントが思わぬ反響を呼んでいます。
もと自衛隊員お笑い芸人Yが「生きてるだけで偉い、みんな優勝でーす」とX(旧ツイッター)に投稿。
これに噛みついたのがユーチューバー出身の芸人Fで、「お前は偉くないので死んでくださーい」と暴言。例によって拡散されてしまい、Fは出演番組への放送制限やCM降板などが発表され窮地に。あわてて謝罪したものの、本心ではなくアンチコメントをつけたらという遊びだったと言い訳し、火に油を注いでいます。
ユーチューバー芸人Fは語学も堪能で芸能界の大物にも物おじせず絡む態度が評判になっていたものの、度重なる遅刻や無礼なふるまいで周囲から不平がこぼれていたという話。実家も裕福でバイリンガルなだけに、どこか選民意識が見え隠れしますね。
自衛隊芸人Yは母子家庭生まれ、養護施設育ちの苦労人。
小太りでほんわかしたしゃべり方をするので、いじられる方で器用なほうではないが、ひとを傷つける発言はしないせいか、ここ近年、テレビの出演がじわじわ増えているタレントです。
個人的にどちらも特に好きではなく、麻薬に手を出したとか、不倫や傷害事件や詐欺を働いたとかではない、ただの失言ではあるのですが。ネットでは大騒ぎ、ついにワイドショーでも取沙汰に。
なぜ、Fの失言がこれだけ大騒動になっているかといえば。
貧困家庭育ちでも底抜けの明るさを失わないYの強さや優しさの言葉に救われている人がいたことを、Fが全く理解しておらずにおちょくったために、Yの背後にいた国民の多くを怒らせてしまったたためです。
ただでさえ猛暑日で光熱費がかさみ、物価も上がるなかで、不快指数マックスで過ごしている人も多いです。
仕事を失ったり、病気や障害で働けなかったり、職場、学校、家庭環境ふくめた人間関係がよくなくて孤独を感じている人も多いわけです。「お前は偉くないので死んでくださーい」なんて言われたら、その対象が自分にとってどうでもいい相手であっても、むかついて、反論されてもしかたないといえます。人権無視もいいところです。
私もブログのコメントで死ねと連投されたので閉鎖していますし、かつての勤め先のパワハラ経営者が他の従業員に「殺すぞ、お前」と言ったのを聞いたことがあります。その経営者は後継者を追い出してしまい、けっきょく会社を手放すことになりました。その経営者も有名大学卒で英語が堪能で、自画自賛がひどく、他者をことごとく見下す人間でした。目立ちたがり屋でFとどこか雰囲気が重なります。
学歴があるとか語学ができるとか、そういった才能はいくらでも若くて後から来た人に置き換えられますよね。
片親に生まれたとか、ヤングケアラーだったとか、本人ではどうしようもない要因で恵まれた教育を受けられず、学生時代も理解者がいなかったために、やむをえず子どもらしくない悟りやできあいの笑顔でのりきってきて、それが本人の人の好さになっている。そこに横暴な、頭がいい上級国民意識の人がつけこんで自分のプライドを満たすために、おもちゃにしたり、さげずんでいい道理はありません。
「生きているだけでみんな偉い」という言葉は偽善なのかもしれません。実際には、職業の有無、収入や役職、学歴や能力、性差や傷病や障害、結婚の子の有無、福祉の世話になっているかなどで、私たちは誰かから「お前は生きている価値がない」「役立たず」「お前があの人の代わりに死ねばよかったのに」などと自己否定されつづけることがあります。
どんなに自己否定され続けても、みじめでも、それでも、自分の本能で生き抜いていたいと思ったからこそ「生きているだけでみんな偉い」とまじないのように唱えねばならない言葉なのであって、それに対して、ふざけて砂をかけるようなことを、自分が人生の上で勝ち組であると思い込んでいる側が他者に言う権利は微塵もないのです。
そして、こうした間違った人権意識を抱いている人を「自分らしい生き方をしている女性」などと褒めたたえて、教科書に載せる愚挙は行ってほしくないですね。語学ができる人、世界を知っている人=一流人で、陰湿な日本人の壁を破れる人、みたいな誇大妄想はほんとうに辞めていただけませんか? 学校の先生が親の職業などの家庭環境で子どもを差別するのと同じなんです。早めに本人の愚行や人格のゆがみが発見されてよかったと思った次第です。
(2024.08.09)
もと自衛隊員お笑い芸人Yが「生きてるだけで偉い、みんな優勝でーす」とX(旧ツイッター)に投稿。
これに噛みついたのがユーチューバー出身の芸人Fで、「お前は偉くないので死んでくださーい」と暴言。例によって拡散されてしまい、Fは出演番組への放送制限やCM降板などが発表され窮地に。あわてて謝罪したものの、本心ではなくアンチコメントをつけたらという遊びだったと言い訳し、火に油を注いでいます。
ユーチューバー芸人Fは語学も堪能で芸能界の大物にも物おじせず絡む態度が評判になっていたものの、度重なる遅刻や無礼なふるまいで周囲から不平がこぼれていたという話。実家も裕福でバイリンガルなだけに、どこか選民意識が見え隠れしますね。
自衛隊芸人Yは母子家庭生まれ、養護施設育ちの苦労人。
小太りでほんわかしたしゃべり方をするので、いじられる方で器用なほうではないが、ひとを傷つける発言はしないせいか、ここ近年、テレビの出演がじわじわ増えているタレントです。
個人的にどちらも特に好きではなく、麻薬に手を出したとか、不倫や傷害事件や詐欺を働いたとかではない、ただの失言ではあるのですが。ネットでは大騒ぎ、ついにワイドショーでも取沙汰に。
なぜ、Fの失言がこれだけ大騒動になっているかといえば。
貧困家庭育ちでも底抜けの明るさを失わないYの強さや優しさの言葉に救われている人がいたことを、Fが全く理解しておらずにおちょくったために、Yの背後にいた国民の多くを怒らせてしまったたためです。
ただでさえ猛暑日で光熱費がかさみ、物価も上がるなかで、不快指数マックスで過ごしている人も多いです。
仕事を失ったり、病気や障害で働けなかったり、職場、学校、家庭環境ふくめた人間関係がよくなくて孤独を感じている人も多いわけです。「お前は偉くないので死んでくださーい」なんて言われたら、その対象が自分にとってどうでもいい相手であっても、むかついて、反論されてもしかたないといえます。人権無視もいいところです。
私もブログのコメントで死ねと連投されたので閉鎖していますし、かつての勤め先のパワハラ経営者が他の従業員に「殺すぞ、お前」と言ったのを聞いたことがあります。その経営者は後継者を追い出してしまい、けっきょく会社を手放すことになりました。その経営者も有名大学卒で英語が堪能で、自画自賛がひどく、他者をことごとく見下す人間でした。目立ちたがり屋でFとどこか雰囲気が重なります。
学歴があるとか語学ができるとか、そういった才能はいくらでも若くて後から来た人に置き換えられますよね。
片親に生まれたとか、ヤングケアラーだったとか、本人ではどうしようもない要因で恵まれた教育を受けられず、学生時代も理解者がいなかったために、やむをえず子どもらしくない悟りやできあいの笑顔でのりきってきて、それが本人の人の好さになっている。そこに横暴な、頭がいい上級国民意識の人がつけこんで自分のプライドを満たすために、おもちゃにしたり、さげずんでいい道理はありません。
「生きているだけでみんな偉い」という言葉は偽善なのかもしれません。実際には、職業の有無、収入や役職、学歴や能力、性差や傷病や障害、結婚の子の有無、福祉の世話になっているかなどで、私たちは誰かから「お前は生きている価値がない」「役立たず」「お前があの人の代わりに死ねばよかったのに」などと自己否定されつづけることがあります。
どんなに自己否定され続けても、みじめでも、それでも、自分の本能で生き抜いていたいと思ったからこそ「生きているだけでみんな偉い」とまじないのように唱えねばならない言葉なのであって、それに対して、ふざけて砂をかけるようなことを、自分が人生の上で勝ち組であると思い込んでいる側が他者に言う権利は微塵もないのです。
そして、こうした間違った人権意識を抱いている人を「自分らしい生き方をしている女性」などと褒めたたえて、教科書に載せる愚挙は行ってほしくないですね。語学ができる人、世界を知っている人=一流人で、陰湿な日本人の壁を破れる人、みたいな誇大妄想はほんとうに辞めていただけませんか? 学校の先生が親の職業などの家庭環境で子どもを差別するのと同じなんです。早めに本人の愚行や人格のゆがみが発見されてよかったと思った次第です。
(2024.08.09)