田舎というのは世間が狭いもので、お隣がやりはじめたら自分も横に倣え、みたいなところがあります。うちの近所でも断捨離ブームなのか、地域のごみステーションに大量の廃棄物が積み上げられていることがあります。古いお宅で蔵みたいなのに、仕舞い込んであったりするのでしょうね。
片付けしていると、ほんとうに色んなものを目撃します。
結婚式の引き出物とか、お見舞い品とか。石鹸と洗剤と食用油、食器類やシーツはこれまでどれくらい目にしたことでしょう。たぶん、私と家族が死ぬまでに使い切れないくらいありますね…。新品のままでもはや型遅れになった家電とか調理器具とか、大工道具とか。黄ばみ過ぎて読めなくなった本とか。
この断捨離問題、まだ自分の家だけだったらいいほうで。
最近は夫婦が共働きで転勤族であったりとか、一人っ子どうしで結婚し、別世帯を構えているとか、珍しくない時代です。子どもが県外どころか、海外に移住していたりする。遠くに離れて住む親御さんが介護状態になって、はじめて実家の荒れ具合を知って愕然とすることもあります。
私の知り合いの男性で、その人は一人っ子長男。
独り暮らしがしたくて現在は賃貸マンション住まい。その人の実家にはいまだ母親だけが住んでいる一戸建て。じつは、その人の父は田舎の旧家の長男なので、父方祖父の古い家が残されている。さらには、その母親も別の自治体に自分の出里の実家があって、管理している。母親の実家の名義は、母親の兄である伯父のものとなっているが、その伯父一家が県外に居住しているので、母親が代理で管理しているという。父方祖父の家は父が亡くなってしまったので、嫁である母親の名義になってしまったが、実質は近くに住む父の姉が管理している。しかし、将来的には、この男性本人もこの三軒の空き家に関わらねばならないでしょう。
もし、この男性が結婚し、その奥さんも同じように自分の実家やお墓の継承責任者であったとすると、どうなるでしょう。へたに配偶者が先に亡くなったりすれば、よそのお宅の家の管理まで負担せねばなりません。子どもが生まれたら、そのツケが将来に先送りされてしまうのです。もし、夫婦に子がいなかったら、遺された方、たいがいは長生きする女性のほうが面倒を負わされてしまうことが多いわけです。独身のまま自身が高齢化すれば、いずれ、一人ですべてやらなくてはいけなくなります。
最近、国内で空き地空き家問題が顕在化しておりますが、子どもが地元を離れた結果、親の老後に無関心な結果、そして経済発展のためにむやみやたらに住宅を増やし過ぎてしまったせいです。固定資産税の負担を免れるために相続登記をしないまま、何世代にも渡ってしまって、所有者がわからず、自治体が近隣で工事しようにも障害になっていることが問題視されていますよね。
年を取ってからの断捨離はかなり大変です。
私も数年前に家族の協力で、納屋の二階から手力でひたすら重いものを荷下ろししたことがあります。土建屋が後片づけをいやがったのか、わざと貰ったのか知らないが、建築資材や土間板などが大量にあって、すべて手づから解体したりして。ふだんの生活や仕事などがあるから、毎日、そればかりできるわけではない。昔は大家族でしたから人手はあったでしょう。でも、いまは少子高齢化で、子育てや介護も人生の後半にさしかかってしまうこともあります。ご自分の実家だけならまだいいですが、ほとんど交流のない親族や独身の身内の後片づけをせねばならないこともありえます。古い家屋だったら、リフォームや解体費用もかなりかかりますし。夫婦の双方の実家が他県にあったら、片付けのために通う交通費もばかになりませんよね。
ご家族が健在なうちに、家の始末はどうするか。荷物はどうするか。ある程度は話し合っておくことをお勧めします。将来を共にしたいというパートナーがいたら、育児や老後、介護のことはもちろんですが、実家の家はどういう状態かもきちんと確認しておいたほうがよいでしょう。
最近、若者のナントカ離れで物欲がない、経済を回さない、と非難されていますが。
そもそも、バブル期までのあの派手はでしくモノが溢れた時代じたいが異常だっただけではないでしょうか。次世代へ負の遺産を残さないためにも、まだからだが動けるうちに、不要なモノは始末しておきたいものです。
★片付け上手は生き上手(目次)★
不器用だから、片付けられない。そんな自分でも、ちょっとずつ。2012年ごろから手掛けている実家、我が家の断捨離の記録です。めざせ、シンプル・イズ・ベストなミニマルライフ。
片付けしていると、ほんとうに色んなものを目撃します。
結婚式の引き出物とか、お見舞い品とか。石鹸と洗剤と食用油、食器類やシーツはこれまでどれくらい目にしたことでしょう。たぶん、私と家族が死ぬまでに使い切れないくらいありますね…。新品のままでもはや型遅れになった家電とか調理器具とか、大工道具とか。黄ばみ過ぎて読めなくなった本とか。
この断捨離問題、まだ自分の家だけだったらいいほうで。
最近は夫婦が共働きで転勤族であったりとか、一人っ子どうしで結婚し、別世帯を構えているとか、珍しくない時代です。子どもが県外どころか、海外に移住していたりする。遠くに離れて住む親御さんが介護状態になって、はじめて実家の荒れ具合を知って愕然とすることもあります。
私の知り合いの男性で、その人は一人っ子長男。
独り暮らしがしたくて現在は賃貸マンション住まい。その人の実家にはいまだ母親だけが住んでいる一戸建て。じつは、その人の父は田舎の旧家の長男なので、父方祖父の古い家が残されている。さらには、その母親も別の自治体に自分の出里の実家があって、管理している。母親の実家の名義は、母親の兄である伯父のものとなっているが、その伯父一家が県外に居住しているので、母親が代理で管理しているという。父方祖父の家は父が亡くなってしまったので、嫁である母親の名義になってしまったが、実質は近くに住む父の姉が管理している。しかし、将来的には、この男性本人もこの三軒の空き家に関わらねばならないでしょう。
もし、この男性が結婚し、その奥さんも同じように自分の実家やお墓の継承責任者であったとすると、どうなるでしょう。へたに配偶者が先に亡くなったりすれば、よそのお宅の家の管理まで負担せねばなりません。子どもが生まれたら、そのツケが将来に先送りされてしまうのです。もし、夫婦に子がいなかったら、遺された方、たいがいは長生きする女性のほうが面倒を負わされてしまうことが多いわけです。独身のまま自身が高齢化すれば、いずれ、一人ですべてやらなくてはいけなくなります。
最近、国内で空き地空き家問題が顕在化しておりますが、子どもが地元を離れた結果、親の老後に無関心な結果、そして経済発展のためにむやみやたらに住宅を増やし過ぎてしまったせいです。固定資産税の負担を免れるために相続登記をしないまま、何世代にも渡ってしまって、所有者がわからず、自治体が近隣で工事しようにも障害になっていることが問題視されていますよね。
年を取ってからの断捨離はかなり大変です。
私も数年前に家族の協力で、納屋の二階から手力でひたすら重いものを荷下ろししたことがあります。土建屋が後片づけをいやがったのか、わざと貰ったのか知らないが、建築資材や土間板などが大量にあって、すべて手づから解体したりして。ふだんの生活や仕事などがあるから、毎日、そればかりできるわけではない。昔は大家族でしたから人手はあったでしょう。でも、いまは少子高齢化で、子育てや介護も人生の後半にさしかかってしまうこともあります。ご自分の実家だけならまだいいですが、ほとんど交流のない親族や独身の身内の後片づけをせねばならないこともありえます。古い家屋だったら、リフォームや解体費用もかなりかかりますし。夫婦の双方の実家が他県にあったら、片付けのために通う交通費もばかになりませんよね。
ご家族が健在なうちに、家の始末はどうするか。荷物はどうするか。ある程度は話し合っておくことをお勧めします。将来を共にしたいというパートナーがいたら、育児や老後、介護のことはもちろんですが、実家の家はどういう状態かもきちんと確認しておいたほうがよいでしょう。
最近、若者のナントカ離れで物欲がない、経済を回さない、と非難されていますが。
そもそも、バブル期までのあの派手はでしくモノが溢れた時代じたいが異常だっただけではないでしょうか。次世代へ負の遺産を残さないためにも、まだからだが動けるうちに、不要なモノは始末しておきたいものです。
★片付け上手は生き上手(目次)★
不器用だから、片付けられない。そんな自分でも、ちょっとずつ。2012年ごろから手掛けている実家、我が家の断捨離の記録です。めざせ、シンプル・イズ・ベストなミニマルライフ。