NHK大河ドラマ「光る君へ」総集編

12月29日正午からほぼ17時まで、NHK大河ドラマ「光る君へ」総集編を観ました。そのあとの関連番組も含めて。この日のために予定をあけておいて、ずっとスタンバイ！

総集編はほぼ45分ずつ５回分。
最終話近くの壮年のまひろの回顧録という語り口をとっていて、いわゆる紫式部日記を映像化した、という態なのでしょうか？

一、二の巻あたりのまひろ、道長青春時代はまあよかったけれども。
三の巻以降は、けっこう端折られすぎた感があります。越後編がばっさりカットされていたせいで、国際ロマンス詐欺の宋人医師がいないことにされていました（笑）！散楽の直秀さんはしっかり盛り込まれていたのに。松下洸平さんが今年最後の朝イチ出演されていたのは、そのためだったのか？

全般的にラブシーンが多く、女性目線の多情多恨なやりとりを意図的にセレクトした印象があります。まひろと道長のシーンでも、疫病に倒れた場面や、宇治の別荘での川辺の誓い、最終回の病弱道長とまひろの看護＆語り聞かせシーンも欲しかったなと思いますが、尺が足りなかったのかな。

そのわりに、友人さわさんとの独身女共同体宣言だとか、息子（一条帝）に疎まれる母（道長姉）の恨みつらみだとか、女房たちのいびきだとか、そこ要ります…？なシーンがあったり。彰子さま渾身の「お上、お慕い申し上げています！」の告白シーンのすぐに、賢子と双樹丸の出逢いだけチラ見せしたり。弟の惟規くんの最期も語られないままで、モヤモヤしました。まひろとききょうの変装お忍びシーンはしっかりあるし！

女性スタッフが主導権を握ったせいか、かなり女性目線なドラマ構成でしたよね。清少納言の熟年離婚宣言とか、NHKでこんなこと言わせて大丈夫なのか？　世の奥様方の本音を見事にちりばめていらっしゃいます（笑）

この総集編だけ眺めていたら、初見の方はこのドラマの面白さがあまりわからないだろうなあ、と。実資卿の顔芸だとか、明子さんの呪術だとか、花山帝や伊周の狂いっぷりや隆家卿のやんちゃだとか、行成卿の推し愛ぶりだとか、連日SNS上でにぎわった見どころがばっさり切られていたのは、いたしかたないとはいえ、残念かも。

紫式部の娘（藤原賢子）が実は誰それの隠し子で、というトンデモ設定。
史実の大弐三位（だいにのさんみ）は、道兼の息子と結婚している説があるんですよね。このドラマ上ならば、まひろ母の仇の子なので、どういう扱いにするのかと思ったけども、そこには触れず。母親と比べると、和泉式部並みになかなかモテた女性だったようです。道長の血を引いていたとしたら、出世したのも頷けますけども、「三位」って夫の官位なんですよね。演ずる南沙良さんと武者の初恋を混ぜたのは、「鎌倉殿の１３人」の大姫と木曽義高の悲恋へのオマージュという噂もあります、なるほど。

総集編のあとには、吉高由里子さん、柄本佑さん、脚本の大石静氏などをまじえた最終回当日のパブリックビューイング「光る君へグランドフィナーレ」が。
主演ふたりのツッコミがおかしくて楽しい。このふたり、少年期から老年までの役づくりがうまくて、またいずれ大河ドラマに出演してほしいものです。吉高さん（素はコギャルっぽいのに）は左利きなのに、右手で仮名文字を難なく書けるように練習されていたし、柄本さんも打毬シーンなどもかっこよくて。初回は光源氏の物語だとか、その作者のイメージにそぐわないと思っていた予想を大きく裏切ってくれましたね。役者さんってすごいな、と。「道長さんぽ」の旅番組も、キャストによる聖地巡礼で嬉しい企画ですね。地方の観光キャンペーンにもなるので、どんどんやってほしい。

F4（道長ふくめた四納言）のスピンオフドラマ要望の声もあるらしいです。ほとんどの主演者が魅力的だったので、わかります！　番外編が観てみたい。

来年の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」は渡辺謙さんと里見浩太朗さんがひさびさに拝めるので、とりあえず一話ぐらい様子見とします。
もうちょっと古めの時代の大河ドラマがいずれ観たいなと願っていますけども。


（2024.12.29視聴）

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