以前、「どん底からの成功法則」という本を買って読んだことがあります。
著者は堀之内九一郎という人で、株式会社生活創庫という年商100億円の会社の社長さんです。
「マネーの虎」という番組がある(あった)のでしょうか。
そこでの出資者ということでテレビに出演していたそうです。
(私はテレビをほとんど見ないのでわかりませんが。)
その本によれば、この著者は十数年前はホームレスだったそうです。
ホームレスの人が使い捨て製品の部品を拾い集めるあたりの話から、最後には新製品を開発して世界制覇を狙うまでに成長していくストーリーでゼミの問題を出したことがありました。
そのときはゼミ生から「そんなバカな。」みたいな反応だったわけですけど、現実にそういう人がいるなんてちょっと驚きでした。
その本の中で、「自信のカケラを拾い集める」とういくだりがありますのでちょっと引用します。
「でもひとつ、これだけは言えることがあります。
それは誰でも過去に一つや二つ「自信のカケラ」を必ずもっているということ。些細なことでいいのです。高校に合格できた。中学のとき、つらかったけど駅伝大会で完走した。演奏会では緊張したが、最後までピアノを弾いた。寒い冬を半袖シャツで越した。山に登れた。
本当に何でもいいのです。そのカケラさえあれば、それを思い出して引っ張り出す。きっとあなたにもあります。それを引っ張り出して意識することで、カケラを大きくして下さい。
「自信のカケラ」を思い出し、意識的に大きくすると、それはやがて大きな塊になるはずです。人間は本来、自分のことを最大限に評価したいものだから、「自信のカケラ」を寄せ集めれば、自信過剰になるくらい、自信を高めることができると思うのです。
どんなに小さいことでも、くだらないことでも、それを達成した人には必ず「自信のカケラ」が残ります。私が自信をもって、どん底から這い上がれない人間はいないと断言するのは、この「自信のカケラ」というのは、少し思い出してみれば誰にでも見いだせるものだからです。」
そういえば、もう28年も前の話になってしまいます。
私が、中学校1年のときに、体育祭のリレーの選手をクラスの話し合いで決めるということがありました。
200mのトラックを一週ずつ4人で走るリレーで、体育祭のメーンイベントです。
第1走者は一斉にスタートするので、1週回るまでに遅い奴は遅いということが白日の下にさらされてしまう大変嫌な役で、しかも、第1走者はどのクラスも速い奴が出てくるという噂があったので、誰もやりたがりません。
「吉田がやればいいじゃん。」「そうだそうだ。」「じゃ、決まりね。」「ええっ!!ボク?ボクは速くないし。もじもじ。」・・・今思えばいじめられてたのか?冗談みたいにして決まってしまい、晴れて第1走者に選ばれてしまいました。
クラスのみんなから「ええっ。よしだが第1走者じゃ勝てないじゃん。」などと残酷なことを言われ、もうリレーは得点にならないとされ、あきらめられてしまっていました。
決まったあと、全員の50m走のタイムを知っている担任の先生からの「えっ(絶句)、おまえが第1走者か。ま、精一杯頑張れ。」の声も全然期待してないよ~、という雰囲気がありありでした。
後で他のクラスのメンバーを聞いても、ボクの50m走のタイムが第1走者の中で誰よりも悪いということがわかり、しょうがない感じです。
今思えば素人だってある程度の練習をすればある程度までは速くなることは分かり切ったことなのですが、当時は、そんなことを教えてくれる人もいないし、遅い奴は速い奴に勝てない、というのが常識だったと思います。
「リレーの選手になっちゃたんだ~。」「えっ(絶句)、おまえがか。」と母にまで言われて、やっぱな~。ダメだよなボクじゃあ。
で、私は誰も期待していないそんな状況で、そんなことを言われてけっこう悔しかったので、練習したんですよ。毎日夜、家の前の道路で。
何を練習したのかというとスタートダッシュ。第1走者だから、スタートした瞬間にとにかく前へ飛び出せれば、カーブではいくら速い奴でもそんなに簡単に抜けないはずだから、直線さえ頑張り切れればきっと何とかなるんじゃないかな。どういう姿勢なら速く飛び出せるか、スタートの瞬間にどこに気をつければよいのか、ということを自分なりに考えて策を練りながら。毎日毎日・・・。
当日、そりゃもう緊張しています。自分としてはとにかくスタートの瞬間にすべてを賭ける!と気合い十分です。
でもクラスの仲間は誰も緊張していません。結果は見なくてもわかってる。そんな感じでした。「リレーで2位以内に入れば総合優勝なんだけどな~。でもダメだな。あ~あ。」 (ちきしょ~。ボクに向かって言わなくたって。。。)
いよいよスタートです。
この瞬間に賭けていました。フライングに注意しながら、最高度の緊張感でした。
「よ~い。ドン」
よしっ。なんとスタートした瞬間に一瞬先頭に立ったんです。
ただ、もともと遅いので、すぐに速い奴一人に抜かれてカーブに突入。
2番手の状態で向こう正面の直線で速い奴一人にさらに抜かれてしまったものの、そのまま最終コーナーに突入。
そのまま7人中3番手でバトンを渡すことができました。チーム内の残りの3人はボクが予想外に好位置で戻ってきたのでけっこう頑張っちゃって、結局、2位でゴール。
スタートした瞬間に一瞬先頭に立ったときのクラスのみんなのどよめきや、走っているときにクラスのみんながすごく応援してくれている声が風の中にはっきりと聞こえていました。
あとで、
「吉田、けっこうすごかったじゃん。」
「速かったね~。」
とクラスの仲間から言ってもらえたことや、
みんなの前で先生から「あそこで吉田があの位置で来るとは思わなかった。あれが最大のポイントだった。他の走者ももちろん頑張ったが、吉田、よく頑張った。みんなもよく応援した。」と言われたことなど、
いまでもはっきりと目の前に広がります。
すごく嬉しかった。その後、走ることはむしろ得意になれました。
頑張ればなんとかなる、ささやかにそんな思いを持てたこともきっと大きかったと思います。
・・・・・・・・
長々とすご~く自慢げに書いたけれども、この話の要旨は、
学校の運動会で頑張って走って7人中3番だった。。。。
それだけのことです。
たったそれだけのことで、大して自慢になるような話でないことはよくわかっています。当時の同級生も、先生も、たぶん、誰も覚えていないのではないかと思います。でも、忘れられない私の思い出だし、まさに自分にとっての大切な「自信のカケラ」。
失敗が続き、どんなに自分に対して自信を失った状態になったとしても、自分が歩いてきた人生の中で、ささやかにでも自分を誇れるできごと、きっとあると思います。
いろんなことがうまくいかなくて、自分に自信がなくなっていても、この本の著者がいうように、自分だけがもっている「自信のカケラ」を拾い集めて、そこからまた自分への自信を取り戻し、這い上がることはきっとできると思うのです。
吉田
著者は堀之内九一郎という人で、株式会社生活創庫という年商100億円の会社の社長さんです。
「マネーの虎」という番組がある(あった)のでしょうか。
そこでの出資者ということでテレビに出演していたそうです。
(私はテレビをほとんど見ないのでわかりませんが。)
その本によれば、この著者は十数年前はホームレスだったそうです。
ホームレスの人が使い捨て製品の部品を拾い集めるあたりの話から、最後には新製品を開発して世界制覇を狙うまでに成長していくストーリーでゼミの問題を出したことがありました。
そのときはゼミ生から「そんなバカな。」みたいな反応だったわけですけど、現実にそういう人がいるなんてちょっと驚きでした。
その本の中で、「自信のカケラを拾い集める」とういくだりがありますのでちょっと引用します。
「でもひとつ、これだけは言えることがあります。
それは誰でも過去に一つや二つ「自信のカケラ」を必ずもっているということ。些細なことでいいのです。高校に合格できた。中学のとき、つらかったけど駅伝大会で完走した。演奏会では緊張したが、最後までピアノを弾いた。寒い冬を半袖シャツで越した。山に登れた。
本当に何でもいいのです。そのカケラさえあれば、それを思い出して引っ張り出す。きっとあなたにもあります。それを引っ張り出して意識することで、カケラを大きくして下さい。
「自信のカケラ」を思い出し、意識的に大きくすると、それはやがて大きな塊になるはずです。人間は本来、自分のことを最大限に評価したいものだから、「自信のカケラ」を寄せ集めれば、自信過剰になるくらい、自信を高めることができると思うのです。
どんなに小さいことでも、くだらないことでも、それを達成した人には必ず「自信のカケラ」が残ります。私が自信をもって、どん底から這い上がれない人間はいないと断言するのは、この「自信のカケラ」というのは、少し思い出してみれば誰にでも見いだせるものだからです。」
そういえば、もう28年も前の話になってしまいます。
私が、中学校1年のときに、体育祭のリレーの選手をクラスの話し合いで決めるということがありました。
200mのトラックを一週ずつ4人で走るリレーで、体育祭のメーンイベントです。
第1走者は一斉にスタートするので、1週回るまでに遅い奴は遅いということが白日の下にさらされてしまう大変嫌な役で、しかも、第1走者はどのクラスも速い奴が出てくるという噂があったので、誰もやりたがりません。
「吉田がやればいいじゃん。」「そうだそうだ。」「じゃ、決まりね。」「ええっ!!ボク?ボクは速くないし。もじもじ。」・・・今思えばいじめられてたのか?冗談みたいにして決まってしまい、晴れて第1走者に選ばれてしまいました。
クラスのみんなから「ええっ。よしだが第1走者じゃ勝てないじゃん。」などと残酷なことを言われ、もうリレーは得点にならないとされ、あきらめられてしまっていました。
決まったあと、全員の50m走のタイムを知っている担任の先生からの「えっ(絶句)、おまえが第1走者か。ま、精一杯頑張れ。」の声も全然期待してないよ~、という雰囲気がありありでした。
後で他のクラスのメンバーを聞いても、ボクの50m走のタイムが第1走者の中で誰よりも悪いということがわかり、しょうがない感じです。
今思えば素人だってある程度の練習をすればある程度までは速くなることは分かり切ったことなのですが、当時は、そんなことを教えてくれる人もいないし、遅い奴は速い奴に勝てない、というのが常識だったと思います。
「リレーの選手になっちゃたんだ~。」「えっ(絶句)、おまえがか。」と母にまで言われて、やっぱな~。ダメだよなボクじゃあ。
で、私は誰も期待していないそんな状況で、そんなことを言われてけっこう悔しかったので、練習したんですよ。毎日夜、家の前の道路で。
何を練習したのかというとスタートダッシュ。第1走者だから、スタートした瞬間にとにかく前へ飛び出せれば、カーブではいくら速い奴でもそんなに簡単に抜けないはずだから、直線さえ頑張り切れればきっと何とかなるんじゃないかな。どういう姿勢なら速く飛び出せるか、スタートの瞬間にどこに気をつければよいのか、ということを自分なりに考えて策を練りながら。毎日毎日・・・。
当日、そりゃもう緊張しています。自分としてはとにかくスタートの瞬間にすべてを賭ける!と気合い十分です。
でもクラスの仲間は誰も緊張していません。結果は見なくてもわかってる。そんな感じでした。「リレーで2位以内に入れば総合優勝なんだけどな~。でもダメだな。あ~あ。」 (ちきしょ~。ボクに向かって言わなくたって。。。)
いよいよスタートです。
この瞬間に賭けていました。フライングに注意しながら、最高度の緊張感でした。
「よ~い。ドン」
よしっ。なんとスタートした瞬間に一瞬先頭に立ったんです。
ただ、もともと遅いので、すぐに速い奴一人に抜かれてカーブに突入。
2番手の状態で向こう正面の直線で速い奴一人にさらに抜かれてしまったものの、そのまま最終コーナーに突入。
そのまま7人中3番手でバトンを渡すことができました。チーム内の残りの3人はボクが予想外に好位置で戻ってきたのでけっこう頑張っちゃって、結局、2位でゴール。
スタートした瞬間に一瞬先頭に立ったときのクラスのみんなのどよめきや、走っているときにクラスのみんながすごく応援してくれている声が風の中にはっきりと聞こえていました。
あとで、
「吉田、けっこうすごかったじゃん。」
「速かったね~。」
とクラスの仲間から言ってもらえたことや、
みんなの前で先生から「あそこで吉田があの位置で来るとは思わなかった。あれが最大のポイントだった。他の走者ももちろん頑張ったが、吉田、よく頑張った。みんなもよく応援した。」と言われたことなど、
いまでもはっきりと目の前に広がります。
すごく嬉しかった。その後、走ることはむしろ得意になれました。
頑張ればなんとかなる、ささやかにそんな思いを持てたこともきっと大きかったと思います。
・・・・・・・・
長々とすご~く自慢げに書いたけれども、この話の要旨は、
学校の運動会で頑張って走って7人中3番だった。。。。
それだけのことです。
たったそれだけのことで、大して自慢になるような話でないことはよくわかっています。当時の同級生も、先生も、たぶん、誰も覚えていないのではないかと思います。でも、忘れられない私の思い出だし、まさに自分にとっての大切な「自信のカケラ」。
失敗が続き、どんなに自分に対して自信を失った状態になったとしても、自分が歩いてきた人生の中で、ささやかにでも自分を誇れるできごと、きっとあると思います。
いろんなことがうまくいかなくて、自分に自信がなくなっていても、この本の著者がいうように、自分だけがもっている「自信のカケラ」を拾い集めて、そこからまた自分への自信を取り戻し、這い上がることはきっとできると思うのです。
吉田
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