[20]は発明の実施や特許権侵害の問題でした。これを落としてはいけませんね。
【問題文】
〔20〕特許権に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ) 生産、使用、譲渡、貸し渡し、輸出及び輸入をする行為は、物の発明についての実施に含まれる。
(ロ) 薬を生産する方法の発明につき我が国で特許権の設定の登録がなされている場合、外国の製薬会社が外国で当該方法を使用して製造した薬を、当該特許権者の許諾を得ずに販売を目的として我が国に輸入する行為は、特許権の侵害となる。
(ハ) 特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了し、その延長は一切認められていない。
(ニ) ラジオ受信機の発明につき特許権の設定の登録がなされている場合、個人が当該特許権者の許諾を得ずに趣味として当該特許発明の技術的範囲に含まれるラジオ受信機を1台製造して家庭内に設置し、個人で楽しむためにラジオ放送を受信する行為は、特許権の侵害となる。
(ホ) 特許発明の技術的範囲についての特許庁の判定は、裁判所を拘束する。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
【コメント】
(イ) 特許法2条3項1号ですね。輸出は実施行為としては規定されていませんので誤りです。もし、単なる見落しにより間違えたとしたらケアレスミスなどというにはあまりにもお粗末な不注意です。
(ロ) 特許法2条3項3号では生産方法の発明については、その方法により生産された物の輸入も実施行為であることが規定されています。ですから侵害となりますね。正しい。
この問題についてなぜか並行輸入を考えて侵害にならないなどと思ってしまった人は、並行輸入の話についての理解がなっていません。
(ハ) 延長登録制度があるので誤り。この問題はいったいなんなんだ?という感じですね。
「延長登録がされていない場合の特許権の存続期間は特許出願の日から20年間である。」なんて問題ならひっかかって○にしてしまう人もいるかもしれません。
(ニ) 問題文の状況で個人が趣味としてラジオ受信機を製造し、個人で楽しむためにラジオ放送を受信する行為は、発明の実施行為には該当しますが、「業として」の実施ではないので、侵害にはなりません。誤りです。
この問題自体は簡単ですが、問題文の最後のフレーズが、「・・・行為は、特許発明の実施行為に該当する。」だったら正しいことになります。そのような問題だったとすると勘違いしてしまう人もいるかもしれません。
実施行為と侵害行為とはイコールではないという点、注意しておきましょう。すなわち、実施行為をしていても侵害にならない場合もあれば、実施行為をしていないのに侵害になる場合もあるということで、その点の説明を求められても完全に応えられるようにしておきたいところです。
(ホ) 判定の結論には法的拘束力はない、というのも当然の知識ということでよいでしょう。この判定制度は旧法の確認審判が法的拘束力があると解釈され得る制度であったため、これを廃止して法的拘束がない制度として現行法で規定したということですね。その歴史が青本の71条に書いてありますし、法的拘束力がないことも明確に述べられています。
☆本問の正答率は合格者で9割以上とかなり高いです。これを落として不合格だったという人は、敗着の一つとして挙げてよい問題です。
【問題文】
〔20〕特許権に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
(イ) 生産、使用、譲渡、貸し渡し、輸出及び輸入をする行為は、物の発明についての実施に含まれる。
(ロ) 薬を生産する方法の発明につき我が国で特許権の設定の登録がなされている場合、外国の製薬会社が外国で当該方法を使用して製造した薬を、当該特許権者の許諾を得ずに販売を目的として我が国に輸入する行為は、特許権の侵害となる。
(ハ) 特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了し、その延長は一切認められていない。
(ニ) ラジオ受信機の発明につき特許権の設定の登録がなされている場合、個人が当該特許権者の許諾を得ずに趣味として当該特許発明の技術的範囲に含まれるラジオ受信機を1台製造して家庭内に設置し、個人で楽しむためにラジオ放送を受信する行為は、特許権の侵害となる。
(ホ) 特許発明の技術的範囲についての特許庁の判定は、裁判所を拘束する。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
【コメント】
(イ) 特許法2条3項1号ですね。輸出は実施行為としては規定されていませんので誤りです。もし、単なる見落しにより間違えたとしたらケアレスミスなどというにはあまりにもお粗末な不注意です。
(ロ) 特許法2条3項3号では生産方法の発明については、その方法により生産された物の輸入も実施行為であることが規定されています。ですから侵害となりますね。正しい。
この問題についてなぜか並行輸入を考えて侵害にならないなどと思ってしまった人は、並行輸入の話についての理解がなっていません。
(ハ) 延長登録制度があるので誤り。この問題はいったいなんなんだ?という感じですね。
「延長登録がされていない場合の特許権の存続期間は特許出願の日から20年間である。」なんて問題ならひっかかって○にしてしまう人もいるかもしれません。
(ニ) 問題文の状況で個人が趣味としてラジオ受信機を製造し、個人で楽しむためにラジオ放送を受信する行為は、発明の実施行為には該当しますが、「業として」の実施ではないので、侵害にはなりません。誤りです。
この問題自体は簡単ですが、問題文の最後のフレーズが、「・・・行為は、特許発明の実施行為に該当する。」だったら正しいことになります。そのような問題だったとすると勘違いしてしまう人もいるかもしれません。
実施行為と侵害行為とはイコールではないという点、注意しておきましょう。すなわち、実施行為をしていても侵害にならない場合もあれば、実施行為をしていないのに侵害になる場合もあるということで、その点の説明を求められても完全に応えられるようにしておきたいところです。
(ホ) 判定の結論には法的拘束力はない、というのも当然の知識ということでよいでしょう。この判定制度は旧法の確認審判が法的拘束力があると解釈され得る制度であったため、これを廃止して法的拘束がない制度として現行法で規定したということですね。その歴史が青本の71条に書いてありますし、法的拘束力がないことも明確に述べられています。
☆本問の正答率は合格者で9割以上とかなり高いです。これを落として不合格だったという人は、敗着の一つとして挙げてよい問題です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます