《子を連れて西へ西へと逃げて行く愚かな母と言うならば言え》 (俵万智)
先日、台風21号の警戒で初めて避難生活を経験した。( 2017/10/23 初めての避難所で一泊 )
避難理由は「大和川氾濫の危険」。もし氾濫して「水漬き」を考えると、
「つし」(屋根裏の物置場)はあるが、平屋建てのわが家の避難はやむを得ない。
避難するとき頭をかすめたのは、「自分一人だけ避難していいのか」ということ。
ご高齢でひとり住まいの方が多くおられる。一人ひとり思い浮かべ、5分くらいで
お子さんが駈けつけられる方、二階建てにお住まいの方、高台で浸水の心配がいら
ない方など、全員が安全を確保できると判断し避難した。
その後、「大和川氾濫」は下流で発生し当地域での影響はなかった。もし被害が
出ていれば「老人会会長が真っ先に逃げた」と批判する人がでてくるだろう。
避難で思い出すのは東北地方に伝わる津波の教訓「津波てんでんこ」「命てんでんこ」。
標準語に置き換えると
「津波が来たら、肉親にも構わずに、各自てんでんばらばらに一人で高台へ逃げろ」、
「自分の命は自分で守れ」になる。
これは共倒れすることを防ぐための約束事である。自分が助かれば他人は
どうなっても良いとする利己主義とはまったく異なる。
冒頭の俵万智さんは東日本大震災後、石垣島へ避難した。
「自分だけが・・・」 「逃げたくても逃げれない人の心を逆なでしている・・・」
などと批判する人がいた。
私は、それは違っていると思う。「津波てんでこん」「命てんでこん」である。
避難生活を経験して
〇 行政用語
正確な意味がわからなかった。ネットなどでしらべると、
・ 「避難」の種類
当町では「避難準備・高齢者等避難開始」「避難勧告」「避難指示(緊急)」
が順番に出た。
私は「避難勧告」で避難所に向かった。
・ 河川の右岸、左岸
河川を上流から下流に向かって眺めたとき、右側を右岸,左側を左岸と呼ぶ。
〇 台風情報が入らない
・ 避難所には「テレビ」「防災無線受信機」が設置されていない。
・ 職員は入退館者の管理などで忙しく、情報を伝達してくれない。
〇 10月下旬だが寒い
・ 毛布1枚/人の貸与があった。厚着をしていたが、私は寒くて眠れなかった。
座布団1枚でも持っていけば、枕にもなる。
〇 携帯電話・スマホ
・ 女房殿は「メール契約なしのドコモの携帯」を持っている。
となりの天理市、大和郡山市のエリアメールが入ってきていた。
・ 私はMVNO(格安SIM・格安スマホ)を持っている。
エリアメールは入らず、「Yahoo防災速報」で情報を得ていた。
これで十分な情報を得られたと思っている。
〇 その他
・ 用意のいい人は「避難袋」と書いた「リュックサック」を背負って来た。
・ 徒歩で避難所に向かったが、車で向かった方が安全だった。駐車場が広く駐車に
困ることはない。車に最低限のものが入れられる。
台風一過とはいかず、昨夜も「激しい雨」が降った。
今朝、畑を見回ると水浸しだ。
午後から晴れてきた。
2017/10/25 17:02
曇 のち 晴