『元大統領の娘②』
吉岡(以下Y)「金大中さんは朴正熙大統領に対してはかなり批判的でした。お父様から金大中さんのことを聞いていましたか?」
朴槿恵(以下K)「父は、自分を批判する人たちもいずれは理解してくれる日が来るだろう、といっていました。金大中氏は浦項製鉄所建設のような国策事業に対しても批判していました。そればかりか高速道路建設、韓日会談、ベトナム派兵問題など、全てに反対されてましたが、父がやったおかげで今日の韓国があるではないですか」
Y「1973年に起きた金大中拉致事件のことをお父様からお聞きになりましたか?」
K「はい、直接父に聞きました。そのとき父は、新聞を見て始めて知った、と驚いていました。指示もしていないのにこんなに大きな問題が起きたのは全く不思議だ。もしかしたら、韓国政府を混乱させるために、北朝鮮が工作したのか、などとも言ってました。そして執務室に行かなければならないといって、部屋を出て行きました。父と関わりのない事件が起きて苦しめられているようでした」
Y「お父様の指示ではないかとともいわれていますが?」
K「絶対違います。そして李厚洛氏が関わっていたと知ったとき、父は唖然として、怒鳴りました。あいつはいったい何をやったんだと言って」
Y「それは断言できますか?」
K「勿論です」
Y「ありがとうございました」
事件から34年。日韓の間に刺さっていた拉致という国際謀略事件は、朴正熙大統領の指示はあったのかどうか、そして両政府による政治決着という中味の不透明な影を残しながらも、一件落着した。いずれ二つの真相も明るみに出るに違いない。そのときに始めて事件は落着する。その日が来ることを願って、事件に関係した人々へのインタビューを終えます。
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