Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

ひとまず脱稿

2005年08月18日 | Weblog
 個人情報保護法関係の論文は、手を入れだしているときりがないので、ひとまず脱稿とした。ここにPDFファイルで草稿をアップロードしているので興味のある方はどうぞ。
 個人情報保護法についてはザル法だとか、いろいろと批判があるわけだが、私の感想としては一般条項が多すぎるということだろうと思う。たとえば、「開示」と「利用」の違い、「漏えい」の意義などについては何の規定もない。
 病院に行き、以前に診察してもらったときのカルテに基づいて診断書を出してもらうとする。これ、開示ですか、利用ですか? 「診断書をください=保有個人データの写しをください」というのなら開示だし、医療機関側が保有個人データを利用して作成していると解するのなら利用でしょうね。
 そういう根本的な問題に答える法になっていない。
 各領域におけるガイドラインの運用状況を見ながら、いずれ相当に手を入れなければならなくなるのではないだろうか。

 このBlogを、ごく少数だけれども学生さんも読んでくれていることがわかったので、学生の皆さんへ。法律の内容は絶対に正しいわけではありません。内容または規定の仕方が適当でない法というものはあるのです。それを批判できるようになるのも、法律を勉強する意味の一つというものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする