私が上海に来てもうすぐ1年半。全く知らなかった服飾副資材業界に飛び込んだわけですが、この1年半の間にもいろんな変化がありました。
特に感じるのが日系企業の「内販強化」の流れです。これは中国国”内”での営業強化のことを言います。私は日本人なので、内販と聞くとつい「日本国内に向けての販売」だと思ってしまいます、自分がどこで働いているかという自覚が足りませんかね?(苦笑)
私が来た当初は内販に向けての動きは未だ「いつかはやらなければならないよねぇ」という程度でした。しかしこの1年半の間に各社とも営業戦略的に大きく舵を切った様に感じます。その間円高があり、欧州の金融不安があり、地震があり、タイの洪水がありと、在中国の日系アパレル業界は事ある毎に大きく揺さぶられ、その度に「やはり日本向けだ」「やはり内販だ」と右往左往したわけなんですが、大きな内販への流れはあった様に感じます。
中国自体の経済成長を捉え、「工場としての中国」から「市場としての中国」へと観点を変える動きはもう随分前から始まっているので考え方として新しい考え方ではありませんが、業界によってはまだまだ進んでいなかったわけなんですね。自動車なんかは中国にメーカーがほぼ無かったわけですからわりと早い段階で動き出したわけですが、一方で”服”は当然国内でも生産されており、その価値基準を揺るがすにはもう少し中国全体が豊にならなければなりませんでした。それがもう少しでターニングポイントに届くところまで来ているのだと思います。
日本の10倍以上の市場(人口)を目の前にして、日系アパレル業界は日本向けビジネスに倦怠感を感じています。小ロット、短納期、厳しい検査基準…。それでも”日本人同士”のビジネスには様々なメリットがあり(単価が高い、支払等に関して信用がある)何よりそれを目的として中国に来たわけですから、日本向けビジネスを止めることはありません。しかし、もう伸びしろがないのです。それでも伸びて行くには新たな市場に飛び込まなければなりません。そのタイミングで、足場である中国自体が大きな市場に変るんですね。
アウターの取り扱いが多い上海周辺では、昨年初め頃から内販に向けてのゴーサインをよく耳にするようになりました。当然大手さんはずっと前からブルーオーシャンへのファーストムーバーを目指して動かれていたわけですが、その動きを中小零細も追随し始めたのです。更にはインナーの取り扱いが多い青島近辺でも最近ではそんな話を多く聞くようになってきました。
この動きの成否が我々にも大きく跳ね返ってきます。なんとか成功して欲しいのですが、状況はなかなか簡単ではないんだと思います。そもそも日系アパレル業界は中国には居るものの「中国ビジネス」はしていないのです。日本人からの発注を日本人が受けて”中国人が作って”日本に送る。実際は日本で中国人の方だけで稼働している工場で作るのとたいして変わらない状況です。市場やクライアントが中国になるということは、話には聞いていても慣れている作業ではありません。品質や流通や決済やコストや販売意識や・・・簡単にヤル気が無くなりそうな程違うことがあります。加えて、これは私の個人的な意見ですが、日系企業が市場と見るに足る程中国が豊になるのは”もうすぐ”ではありますが、未だもう少し先の話です。その前のタイミングから動かなければファーストムーバーには成りえないのですから仕方が無いのですが、合わない市場を育てつつの営業活動は骨身に滲みるものがあるでしょう。
ともあれ、黙って突っ立っていても売りを立て・なばさなければならない状況が変わるわけでもなく、在中国の日系アパレル業界はこれからより”内販”に本腰を入れて行くことになるわけなんですね。微力ながら私もその流れに一役買おうと思います、が、当社のクライアントは日系より中国企業の方が多いので、実はどっちでもいい部分もあったりするのですが(苦笑)
追記
なんでこんなことを考えたか…きっかけはちょっと違った感じなんですけどね。昨日飲みに行ったお店で凄く横柄な態度の日本人のお客さんを見かけたからなんです。彼は「俺は3年上海に住んでるけど、中国語は下品だから覚える気なんてない!」とかなんとか言い放っていました。万が一にも「同じ日本人」みたいなくくりをされたらたまらないなぁと思います。けど、こういう人まだまだいるんです。それって、中国を「工場」「下請け」みたいな感じでしか見ていないからなんじゃないだろうかと思ったんですね。もしその中国が「お客様」になれば、彼らももっと中国のことを知り、中国人の方と仲良くしようとするんじゃないかと思ったんです。まぁ彼の3年間に何があったか知らないですから仕方ない部分もあるのかもしれません。が、そうまでならないと変わらない人っていうのどうかと思いますが…。
特に感じるのが日系企業の「内販強化」の流れです。これは中国国”内”での営業強化のことを言います。私は日本人なので、内販と聞くとつい「日本国内に向けての販売」だと思ってしまいます、自分がどこで働いているかという自覚が足りませんかね?(苦笑)
私が来た当初は内販に向けての動きは未だ「いつかはやらなければならないよねぇ」という程度でした。しかしこの1年半の間に各社とも営業戦略的に大きく舵を切った様に感じます。その間円高があり、欧州の金融不安があり、地震があり、タイの洪水がありと、在中国の日系アパレル業界は事ある毎に大きく揺さぶられ、その度に「やはり日本向けだ」「やはり内販だ」と右往左往したわけなんですが、大きな内販への流れはあった様に感じます。
中国自体の経済成長を捉え、「工場としての中国」から「市場としての中国」へと観点を変える動きはもう随分前から始まっているので考え方として新しい考え方ではありませんが、業界によってはまだまだ進んでいなかったわけなんですね。自動車なんかは中国にメーカーがほぼ無かったわけですからわりと早い段階で動き出したわけですが、一方で”服”は当然国内でも生産されており、その価値基準を揺るがすにはもう少し中国全体が豊にならなければなりませんでした。それがもう少しでターニングポイントに届くところまで来ているのだと思います。
日本の10倍以上の市場(人口)を目の前にして、日系アパレル業界は日本向けビジネスに倦怠感を感じています。小ロット、短納期、厳しい検査基準…。それでも”日本人同士”のビジネスには様々なメリットがあり(単価が高い、支払等に関して信用がある)何よりそれを目的として中国に来たわけですから、日本向けビジネスを止めることはありません。しかし、もう伸びしろがないのです。それでも伸びて行くには新たな市場に飛び込まなければなりません。そのタイミングで、足場である中国自体が大きな市場に変るんですね。
アウターの取り扱いが多い上海周辺では、昨年初め頃から内販に向けてのゴーサインをよく耳にするようになりました。当然大手さんはずっと前からブルーオーシャンへのファーストムーバーを目指して動かれていたわけですが、その動きを中小零細も追随し始めたのです。更にはインナーの取り扱いが多い青島近辺でも最近ではそんな話を多く聞くようになってきました。
この動きの成否が我々にも大きく跳ね返ってきます。なんとか成功して欲しいのですが、状況はなかなか簡単ではないんだと思います。そもそも日系アパレル業界は中国には居るものの「中国ビジネス」はしていないのです。日本人からの発注を日本人が受けて”中国人が作って”日本に送る。実際は日本で中国人の方だけで稼働している工場で作るのとたいして変わらない状況です。市場やクライアントが中国になるということは、話には聞いていても慣れている作業ではありません。品質や流通や決済やコストや販売意識や・・・簡単にヤル気が無くなりそうな程違うことがあります。加えて、これは私の個人的な意見ですが、日系企業が市場と見るに足る程中国が豊になるのは”もうすぐ”ではありますが、未だもう少し先の話です。その前のタイミングから動かなければファーストムーバーには成りえないのですから仕方が無いのですが、合わない市場を育てつつの営業活動は骨身に滲みるものがあるでしょう。
ともあれ、黙って突っ立っていても売りを立て・なばさなければならない状況が変わるわけでもなく、在中国の日系アパレル業界はこれからより”内販”に本腰を入れて行くことになるわけなんですね。微力ながら私もその流れに一役買おうと思います、が、当社のクライアントは日系より中国企業の方が多いので、実はどっちでもいい部分もあったりするのですが(苦笑)
追記
なんでこんなことを考えたか…きっかけはちょっと違った感じなんですけどね。昨日飲みに行ったお店で凄く横柄な態度の日本人のお客さんを見かけたからなんです。彼は「俺は3年上海に住んでるけど、中国語は下品だから覚える気なんてない!」とかなんとか言い放っていました。万が一にも「同じ日本人」みたいなくくりをされたらたまらないなぁと思います。けど、こういう人まだまだいるんです。それって、中国を「工場」「下請け」みたいな感じでしか見ていないからなんじゃないだろうかと思ったんですね。もしその中国が「お客様」になれば、彼らももっと中国のことを知り、中国人の方と仲良くしようとするんじゃないかと思ったんです。まぁ彼の3年間に何があったか知らないですから仕方ない部分もあるのかもしれません。が、そうまでならないと変わらない人っていうのどうかと思いますが…。