日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

日系シニアボランティア

2014年08月06日 21時23分38秒 | ブラジル事情

 僕はJICAの青年ボランティアという制度を利用して、1998年にブラジルに来た。

 青年ボランティアのブラジル組25名のうち、3年の任期を終えてブラジルに残ったのは男3名のみ。

 一人は3年後くらいにブラジル人の奥さんと一緒に日本へ戻ったため、居残り組みは二人だけだった。

 でも、ここ3、4年同期の女性陣がブラジルにまた戻って来て、総勢5名にまで増えた。

 そして、ついに先週メキシコ派遣だった同期がシニアボランティアという制度でブラジルのベレーンに赴任する事になり、赴任前にサンパウロで同期会が開催された。

 僕も誘われたのだが、直前だったために飛行機のチケットが1100レアル以上と高額だったので、参加を断念した。

 とにもかくにも同期がブラジルに戻ってきているのは嬉しい。

 それにしても、43、44歳で日本語教育のシニアとして赴任するのはいろいろと大変なんじゃないかなと想像する。

 同期がメキシコでの日本語教育3年間のあと、どういうキャリアを積んだのかは良く分からないので何とも言えないが、少なくとも僕らが青年ボランティアとして赴任された際にシニアとして派遣されてきた方の評価・評判はすこぶる悪かった。

 大体が国語の先生とか、元校長先生で、ちょっと日本語教育講座420時間を受講しましたという経歴の方なのだが、日本語教育経験もなければ、ポルトガル語も話せない方ばかりなので、ブラジルの日系コロニアに入ってもほとんど何も貢献できていないのだ。

 彼らの任務は現地の日本語教師の育成なのだが、そんなの絶対に無理な人選をしているのである。

 また、たとえ日本での日本語教育経験がある方が選ばれたとしても、日本における日本語教育とブラジルにおける日本語教育があまりにも違うので、現地の要求に応えるのは相当難しいと言わざるを得ない。

 だから、習字が上手なので、教師セミナーで習字を教えましたとか、折り紙を教えましたとか、何だか学生向けの国際交流コースでやる行事みたいのを任期中に何回かやって日本に帰国するシニアも本当に多い。

 参加者が自費参加でそれをやっているのなら誰も文句はないが、少ないとは言っても日本人が払った税金で給料もらってやっている訳だから、もうちょっと本来の趣旨に沿った活動をしてほしい。でなければ、日本国民に申し訳なければ、ブラジルの現地の教師にとってもありがた迷惑な話である。

 青年ボランティア1人に来てもらったほうが、よほど戦力になるという訳だ。

 同期の場合、1度青年ボランティアとして活動しており、任期終了後も日本語教育に携わり続けたようなので、日本語教師としての資質・適性は全く問題ないだろう。

 焦点は複雑な日系コミュニティーの中でうまく立ち振る舞い、実際に現地の教師の養成にどれだけ貢献できるかだと思う。

 今までのシニアに対する評価を覆すような活躍を祈っている。

 僕もいつかこの制度でブラジルに赴任したいなあという希望はあるが、人の上に立つ仕事に適性もなければ、教師を養成する能力もないので、一生ただの日本語教師のほうがいいかなあと思っている。

 教師を指導するより、ブラジル人に日本語の授業をしている方がずっと楽しいから。

 

 

 


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