ワールドカップが始まった。
今回のワールドカップはブラジル開催ということもあり、昼間に試合が行われているため、車中でラジオを通じて試合の実況を聞くことも多い。
ブラジル滞在17年目にして、ようやくポルトガル語の実況で試合の状況がある程度分かるようになったかなと思う。
僕が初めてブラジルに来たのは98年4月。フランスワールドカップが開催される3ヶ月くらい前に来たのだが、当初はこの3ヶ月の間にテレビの実況中継のポルトガル語くらいは聞き取れるようになるかなと思っていた。
しかし、考えが甘かった。3ヶ月の勉強では何も分からなかった。
サッカー用語をポルトガル語で覚えてしまえば、アナウンサーはそれらの用語を試合中に頻繁に使うから、何が起きているかを想像できることは確かである。でも、残念ながらそれだけでは実況を理解することは不可能だ。
なぜなら、サッカーの実況では意外とサッカーと関係がなさそうな言葉が多用されているからである。実況を聞いていて、この言葉をこんな使い方をするんだなんて感心する事も本当に多い。
また、実際に文字に起こしてみないと確信を持って言えないが、日本のサッカーの実況同様、必ずしも文法的に正しい話し方で実況している訳ではないと思う。
なぜなら大事なのはライブ感覚であり、気持ちがこもっていなければならないからである。
そして、テレビとラジオを比べると、やはりラジオの方が映像に頼れないために、早口で言葉数が本当に多い。ゴールした時などの気持ちの入れ方が半端ない。
とにもかくにも、実況内容が分かるようになると、入ってくる情報の量が増えて楽しい。
ブラジルの開幕試合を見ていたが、日本人の主審によるあの疑惑のPK判定に対して、ブラジル人解説者がPKではないと断定しており、これは試合後に問題になるだろうなと思っていたら、案の定次の日に大々的に取り上げられていた。
本来母国を応援するブラジル人がブラジルに有利になる判定に対してPKではないと言っているのだから、その判定がどれだけ疑わしいものだったかが分かるだろう。正しい判定かどうかはともかく、日本人が世界から注目される開幕戦の主審をするのは、時期尚早だったような気がする。
それにしても、一般のブラジル人はともかく、日本語を勉強しているブラジル人のワールドカップへの関心の低さには驚く。日本文化というマイナー文化が好きなブラジル人はやはり普通のブラジル人とは趣向がちょっと違っているのかなと思う。
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