3週間ほど前、僕が勤める私立大学からサンパウロ連邦大学日本語学科の教授のポストの募集要項をメールでもらった。上の画像はその募集要項の1ページで、全体で2ページある。
ブラジルの公立大学で文学部で日本語学科があるのは、上述のサンパウロ大学を含めて5校余りと少ない。日本の公立大学と同じく、公立大学の先生は公務員であり、学歴、職歴などの書類審査のほか、筆記・面接試験などによる選抜試験がある。
ブラジルの場合、小中高の公立学校などの毎年教員が必要となる機関でも公務員試験は毎年行われない。すべての公立機関が人数が不足してきたら試験をやり、合格しても必ずしも採用されない。その合格の有効期間が2,3年だかに設定されており、それを過ぎるとまた同じ試験を受けなおさなければならない。基本的に採用されるのはテストで上位にランクされた人からなので、上位で合格するのがなるべく早く採用されるための秘訣である。
今回、ブラジルの最高学府と崇められているサンパウロ大学の日本語学科の教授のポストの選抜試験が実施されたということは、前教授の方が退職されてポストが空いたからと想像する。
昔は公務員試験がブラジル国籍の者に限られていたため、こういったポストに就くためにブラジルに帰化し、日本国籍を失っていた人が多かった。しかし、昨今では帰化せずに日本国籍のままでも合格できる。
但し、この試験の受験資格は厳しい。まず、日本語関連分野で博士号を有している必要がある。そして、もちろん大学の学士の修了書はブラジル教育省に認知されていなければならない。つまり、日本で大学を卒業した人は、卒業した学部に関係なく、基本的にこちらの大学で何十もの授業を受けて単位を取り、ブラジルでの大学卒業資格を取得するという手順を踏んでいる必要がある。
この条件は外国人である日本人にとってはかなり厳しい条件である。また、ブラジル人であっても、この条件を満たす人材はブラジル国内に僅かしかいないものと想像する。なぜなら、日本語を勉強してもあまり就職に有利にならないから、日本語学科に入る学生数自体がまず少ない。また、学部は卒業しても、大学の博士課程まで進もうという人はさらに少ないからだ。
給料は6707,99レアル。日本円で約35万円。ブラジル国内ではかなりの高給取りの部類に入る。公務員であるから、解雇されることはないし、毎年1ヶ月の有給休暇やボーナスなどが保証され、身分も安定する。
僕が3年間のJICAでの青年ボランティアを終え、またブラジルに戻る決断を下した際に、親に約束したのが修士課程を取るということであった。それは僕が学歴をつけて、就職につなげ、収入を安定させるという趣旨であった。3年後に修士の選抜試験に挑戦したが、不合格。もしあの時受かっていても、修士に2年、博士に最低で4年かかるわけで、6年という歳月を必要とする。だから、今回のサンパウロ大学の教授募集の試験には間に合わなかったということだ。
2年前に日本に帰国した時に、日本で博士課程を取得しつつあった大学時代の韓国人の友達と会った。彼は日本の博士号を引っさげて、韓国に帰国して、韓国の大学の日本語学科の教授のポストに就くということだった。そして、彼の人脈や力を通じて、韓国の日本語学科の先生に推薦できると誘ってくれた。本当にありがたい話だった。
でも、僕は1つ気づいたことがある。それは僕が研究が好きな学者向きではないことである。僕は難解な文献を数多く読みこなし、それを基礎資料に論文を発表することに、あまり魅力を感じない。また、そもそもその能力もない。
僕が好きなのは、日本語教師として実際に生徒と接し、生徒が日本語が話せるようになっていく成長振りを感じたり、生徒との意見交換を通じて日本・ブラジル文化を発見したりするのが好きなのだ。だから、研究室にこもって論文を書くより、色々なことに幅広く精通する方が断然楽しい。
人にはそれぞれ向き不向きがある。社会や親が望んでいることをやっても、その人生を過ごすのは自分なのだから、自分が満足できていなければ全く意味がない。もちろん、安定した収入、地位は魅力的だけど、自分らしくない生き方をすると、どこかでひずみが生じてくる。
将来的には、僕自身がいくつかの私立高校に日本語の授業を導入し、僕が教えた優秀なブラジル人の教え子を日本に留学させられたらいいかなあと思う。また、こちらのビジネスビルにオフィスを持ち、そこで日本語の授業ができたらいいなあとも思っている。
自分らしい生き方、お金の稼ぎ方、社会への奉仕の仕方を追求していきたい。
ブラジルの公立大学で文学部で日本語学科があるのは、上述のサンパウロ大学を含めて5校余りと少ない。日本の公立大学と同じく、公立大学の先生は公務員であり、学歴、職歴などの書類審査のほか、筆記・面接試験などによる選抜試験がある。
ブラジルの場合、小中高の公立学校などの毎年教員が必要となる機関でも公務員試験は毎年行われない。すべての公立機関が人数が不足してきたら試験をやり、合格しても必ずしも採用されない。その合格の有効期間が2,3年だかに設定されており、それを過ぎるとまた同じ試験を受けなおさなければならない。基本的に採用されるのはテストで上位にランクされた人からなので、上位で合格するのがなるべく早く採用されるための秘訣である。
今回、ブラジルの最高学府と崇められているサンパウロ大学の日本語学科の教授のポストの選抜試験が実施されたということは、前教授の方が退職されてポストが空いたからと想像する。
昔は公務員試験がブラジル国籍の者に限られていたため、こういったポストに就くためにブラジルに帰化し、日本国籍を失っていた人が多かった。しかし、昨今では帰化せずに日本国籍のままでも合格できる。
但し、この試験の受験資格は厳しい。まず、日本語関連分野で博士号を有している必要がある。そして、もちろん大学の学士の修了書はブラジル教育省に認知されていなければならない。つまり、日本で大学を卒業した人は、卒業した学部に関係なく、基本的にこちらの大学で何十もの授業を受けて単位を取り、ブラジルでの大学卒業資格を取得するという手順を踏んでいる必要がある。
この条件は外国人である日本人にとってはかなり厳しい条件である。また、ブラジル人であっても、この条件を満たす人材はブラジル国内に僅かしかいないものと想像する。なぜなら、日本語を勉強してもあまり就職に有利にならないから、日本語学科に入る学生数自体がまず少ない。また、学部は卒業しても、大学の博士課程まで進もうという人はさらに少ないからだ。
給料は6707,99レアル。日本円で約35万円。ブラジル国内ではかなりの高給取りの部類に入る。公務員であるから、解雇されることはないし、毎年1ヶ月の有給休暇やボーナスなどが保証され、身分も安定する。
僕が3年間のJICAでの青年ボランティアを終え、またブラジルに戻る決断を下した際に、親に約束したのが修士課程を取るということであった。それは僕が学歴をつけて、就職につなげ、収入を安定させるという趣旨であった。3年後に修士の選抜試験に挑戦したが、不合格。もしあの時受かっていても、修士に2年、博士に最低で4年かかるわけで、6年という歳月を必要とする。だから、今回のサンパウロ大学の教授募集の試験には間に合わなかったということだ。
2年前に日本に帰国した時に、日本で博士課程を取得しつつあった大学時代の韓国人の友達と会った。彼は日本の博士号を引っさげて、韓国に帰国して、韓国の大学の日本語学科の教授のポストに就くということだった。そして、彼の人脈や力を通じて、韓国の日本語学科の先生に推薦できると誘ってくれた。本当にありがたい話だった。
でも、僕は1つ気づいたことがある。それは僕が研究が好きな学者向きではないことである。僕は難解な文献を数多く読みこなし、それを基礎資料に論文を発表することに、あまり魅力を感じない。また、そもそもその能力もない。
僕が好きなのは、日本語教師として実際に生徒と接し、生徒が日本語が話せるようになっていく成長振りを感じたり、生徒との意見交換を通じて日本・ブラジル文化を発見したりするのが好きなのだ。だから、研究室にこもって論文を書くより、色々なことに幅広く精通する方が断然楽しい。
人にはそれぞれ向き不向きがある。社会や親が望んでいることをやっても、その人生を過ごすのは自分なのだから、自分が満足できていなければ全く意味がない。もちろん、安定した収入、地位は魅力的だけど、自分らしくない生き方をすると、どこかでひずみが生じてくる。
将来的には、僕自身がいくつかの私立高校に日本語の授業を導入し、僕が教えた優秀なブラジル人の教え子を日本に留学させられたらいいかなあと思う。また、こちらのビジネスビルにオフィスを持ち、そこで日本語の授業ができたらいいなあとも思っている。
自分らしい生き方、お金の稼ぎ方、社会への奉仕の仕方を追求していきたい。
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