真の動物福祉牧場を目指して

86.プレバイオティクスの理解

食物繊維が第六の栄養素とされ、一般的に摂取目標値が置かれたのは21世紀に入る直前でした。

今では人体のセルロース消化率がほぼ100%だというコトも分り、それは腸内細菌によって消化され様々な代謝物を生み出しています。
これは人体にとても複雑な影響をもたらし、その解明はまだ始まったばかりですが、既にかなりの所まで理解は進んでおります。

このコラムを全部読まれたら、どんな活字中毒の方でもお腹一杯になるかと思うので、早々に締めに入ります。
腸内細菌の代謝物では「水素ガス」(おなら、血中から脳まで巡る)が特に健康作用で注目され、これは牛乳に含まれる乳糖やオリゴ糖などからも多く生成されます。
特に乳糖不耐性の方はその生成量が多いので、お腹を壊さない程度にチビチビと、断続的に飲まれるコトをお勧めします。

水素と言えば、それを資化(ATP化)して生きるアーキア(古細菌)について、この栄養素シリーズを始めるに当たっての「いっさいかいくう」で触れました。
具体例としてメタン古細菌を挙げ、それが牛の巨体を養っているコトや、ヒトでもこのアーキアと共生し、青汁だけでフクヨカな体を保っている女性が居るコトも紹介しました。

これは私の想像ですが、森さんの腸内では水素ガスが何らかの要因で発生し続けており、それをアーキアが資化し繁栄するコトで、その代謝物が森さんのフクヨカな体を養っているのかと思います。

こうしたプレバイオティクスの理解を経て、「シンバイオシス」(共生)を真に理解する日がやがて来るかと想像します。
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