人はみな「萌立つ命」を求めており、その理想を普遍的に実現させた星こそが、永遠の繁栄を謳歌できると思います。
普遍的と云うのは「全ての命」を指し、「萌立つ命の星」では微生物、植物、動物がみんな見事に共生して支え合い、共に進化して行きます。
この「共生進化」こそが、地球の未来のカギを握っているかと思い、それを「宇宙文明から学ぶ」のをこの「燦」章のテーマとします。
因みに、これの前の第二部1章は「讃」とし、「銀河鉄道」が発車する処までを描きます。
「Sun」の物語もいよいよ佳境に入り、まだ誰も描けていない「理想の星」との、精神的な交流を描いて行きます。
その前に、対比として現在の地球が如何に「萌立つ命の星」から遠く隔たっているかを述べておきます。
これはハッキリ言って、地球上で今「萌立っている」のは都会ばかりで、田舎は都会に若者を奪われ衰退している観があります。
そんな都会の「萌っぷり」は当然歪んでおり、「全ての命との共生」などとは程遠くて、単に享楽の競争に走っている観すらあります。
これが特に顕著なのは中国の都会で、歪んだイデオロギーの押し付けは精神文化の発展を妨げ、巨大な消費社会と化した都会は欲望ばかりを追い求めて田舎を搾取しています。
中国の田舎の疲弊ぶりは、「中国はここにある」(梁鴻)という本がリアルに描き出していて、わたしは自転車で中国の田舎を旅したコトもありますが、本当に哀しくなる程に荒んでいました。
それは長年、経済発展のタメに自然と土地を搾取して来たからで、その歪んだ発展のツケを背負わされた農民達は、荒廃した農地を捨てて都会に出稼ぎに行き、そこでもまた搾取されています...
銀河鉄道の乗客の殆どは、そんな中国の下層階級の人達(少数民族と兵士)なので、「萌立つ命の星」の田舎の光景を、のんびりと走る車窓から眺めて感動します。
そこには自然と人間が見事に調和した光景が観られ、その昔なからの自然と、畑と牧場の多様性と豊かさに、彼等は大きな感動を覚えます。