ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

民主主義の根幹を蝕む新型ウイルスのうごめき(その5)

2025-01-12 09:11:44 | 日記
(承前)

民主主義の根幹を蝕む新型ウイルスーー。「かの国」が放つこの(シロアリのような)新型ウイルスは、日本をも脅かしているのではないか。
こんなことを書くと、私は「被害妄想にとらわれたネトウヨの典型だ!」となじられ、キ印扱いされるに違いない。
今の日本で、こんなことを言っているブロガーや言論人は、一人として見当たらないからである。

しかし、その私から見ると、我が日本の政治的トップ・石破首相の言動は奇妙に見えて仕方がない。石破首相はASEAN加盟国であるマレーシアやインドネシアを訪問し、対中包囲網を築くことに精を出している。きょうの朝日新聞は次のように報じている。

インドネシア訪問中の石破茂首相は11日、ジャカルタ郊外で、プラボウォ大統領と会談した。中国の南シナ海での軍事活動の活発化を念頭に、両首脳は海洋安全保障分野での連携強化を確認。防衛装備品などを無償提供する『政府安全保障能力強化支援(OSA)』による高速警備艇の供与や、外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の年内開催で合意した。
(朝日新聞1月12日)

ネトウヨからは「媚中派」と揶揄されることもある石破首相だが、この人は自民党総裁選に立候補した当初から「アジア版NATOの構築」を口にしている。軍事膨張路線の独裁国家・中国への警戒感は人一倍強いと見なければならない。

奇妙なのは、それほど対中警戒感の強い石破首相が、先の衆院選における自民・公明大敗の原因を、「中国の関与」と結びつけて考えないことである。

石破首相の無頓着・能天気ぶりは、野党との「大連立」の可能性に言及するまでにエスカレートしている。
最大野党の立憲民主党と「大連立」を組めば、政策面で何かと妥協を強いられ、政権を実質的に乗っ取られることになりかねないのに、この能天気宰相はその可能性にすら考えが及ばないのだ。

先の衆院選で、自民・公明を大敗に追い込んだ原因が立憲民主党・野田代表の弁舌にあることを、石破首相はもう忘れてしまったのだろうか。

それだけではない。先の衆院選で自民・公明を大敗に追い込んだ原因はもう一つ、SNSを利用した「中国の関与」にあったのかもしれない。その可能性に、どうしてこの人は思い及ばないのだろうか。

(つづく)

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民主主義の根幹を蝕む新型ウイルスのうごめき(その4)

2025-01-10 08:45:00 | 日記
(承前)

一つはっきりしたことがある。読者は、私が先日、ブログで次のように書いたことを憶えておられるだろうか。これまで述べたことは、そのことと密接に関連している。私は次のように書いたのだった。

尹大統領が野党を『破廉恥な従北反国家勢力』と呼んだとき、彼は『北の脅威』を身近に迫るリアルな脅威として感じていたに違いない。これは被害妄想でも何でもなく、『北朝鮮共産勢力の脅威から自由大韓民国を守る』ことを自らの使命とする、韓国大統領ならではの切羽詰まった感性である。
(2024/12/17《韓国動乱のゆくえ(その1)》)

つまり、「非常戒厳」を宣布した韓国・尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領のやり方こそ、独裁国家(北朝鮮)の策略に対抗するための、とっておきの切り札だったのである。

韓国は東欧ルーマニアとは違い、情報機関が北朝鮮の策略に気づかず、シロアリの産卵を許した。だが尹錫悦大統領はこの卵が孵化する一歩手でそれに気づき、この卵を排除しようと非常戒厳の鉈をふるったのである。

尹錫悦大統領による非常戒厳の宣布は、一部の韓国の市民にとっては、過去の軍事政権と同じ権威主義的・アンチ民主的なやり口に映ったに違いない。
だが、目には目を!歯には歯を!である。
(民主主義を破壊しようとする)独裁国家の策略に対抗するには、生ぬるい民主的なやり方は通用しない。となれば、強権的なやり方をとるしかなかったのである。

それにつけても気になるのは、我が日本の政治の現状である。日本でも政権与党の自公は少数与党に転落した。だが、そこに「かの国」の関与を読みとった与党の政治家が一人でもいただろうか。肝心要の石破首相はどうなのか。
(つづく)

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民主主義の根幹を蝕む新型ウイルスのうごめき(その3)

2025-01-08 09:24:23 | 日記
(承前)
民主主義の根幹を食い荒らすシロアリに対して、
民主主義の住人である我々はどう対処すればよいのだろうか。
この問題を考えるために、
このシロアリを放つことによって、ロシアや北朝鮮などの独裁国家は一体何をしようとするのか、民主主義をどう変えようとするのか、ーーまずそれを見る必要がある。

一口で言うなら、独裁国家がまずもって狙うのは、(シロアリの)傀儡政権に働きかけて、「法の支配」を「法による支配」に変えることである。その実例を、我々は香港の実情に見ることができる。

自由が尊重されてきた香港で、『法の支配』が音を立てて崩れてゆき、『法による支配』に塗り替えられていった。
法を作る側の権力者自身も縛り、基本的人権、表現の自由を守らせるのが、法の支配(ルール・オブ・ロー)
一方、法による支配(ルール・バイ・ロー)は、権力側が権力の維持と市民への支配を強める道具として法律を作り、反対意見やデモを力で封じ、市民に服従を強いる。
似ているようでまったく違う
。」
(朝日新聞1月4日)

「法の支配」から「法による支配」へーー。それによって香港にどういう状況が訪れたかを、読売新聞は次のように分析している。

「■香港が英国から中国に返還されて7月で25年。国力を増した中国による統制が強まり、香港の民主化は挫折し、民主化を求める政治的な自由も消滅した。

■7月に就任した香港の行政長官は、反政府抗議運動の弾圧を主導した元警察幹部だ。中国が決めた『選挙』で選ばれ、香港社会の統制強化が懸念される。

■返還前後、中国の経済発展とそれを支える香港が中国の民主化を促すとの期待もあった。だが、力をつけた中国は共産党の一党独裁と香港や少数民族への強権統治に進んだ。

■国際社会は、中国の権威主義体制下で、香港の自由と民主主義、人権が抑圧されている現実を直視し、容認しないことを示していく必要がある」
(読売新聞オンライン2022/08/04)

中国が、また、ロシアや北朝鮮などの独裁国家が(シロアリを使って)行おうとするのは、民主国家の国民から「自由」と「人権」を奪いとり、彼らの活動を徹底的に弾圧して、独裁国家の陣営に引き込むことなのである。

では、この事態はどうすれば回避できるのだろうか。
香港では「民主化を求める政治的な自由も消滅した」とされることからも判るように、
ひとたびシロアリが食い荒らしたあとではもう手遅れであり、
民主主義は回復不能になる可能性が大きい。

とすれば、民主主義を守ろうとするなら、
このシロアリが孵化する前に、
つまり卵のうちに、
独裁国家に対抗する手を打つ必要がある、ということになる。
つまり、傀儡政権が生まれる前に、
(独裁国家の意を受けた)最大野党が政権を握る前に、
この野党勢力を排除する必要がある、ということである。
(つづく)

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民主主義の根幹を蝕む新型ウイルスのうごめき(その2)

2025-01-06 08:43:11 | 日記
(承前)

SNSの発達は、世界各国の選挙事情に暗い影を投げかけている。独裁国家の陰謀が、シロアリのように民主主義の根幹を食い荒らしはじめている。今年2025年には、蝕まれたその残骸が、世界のあちこちに姿を現すのではないか、ーー前回見たのは、そういう思いに駆り立てるような朝日新聞の記事だった。

では、我が日本はどうなのか。韓国と同様、政権与党の自公は少数与党へと転落した。その背景に、もしかしたら「かの国」の関与があったのではないか。にもかかわらず、日本の情報期間は、その存在にすら気づけずにいるのではないか。そんな剣呑な気持ちにさせる昨今の世界情勢である。

こんなことをいうと、「おまえはアホか!」、「妄想も大概にしろ!」と袋だたきにあいそうだが、それもまあ、日本の情報機関がさる10月の衆院選の実情を暴いてくれるまでである。
(少なからず妄想癖のある)天邪鬼爺は思うのだが、当の自民党内から「いくら何でも我が党がこれほどボロ負けするなんて、おかしいぞ。『かの国』の関与を調査すべきだ!」という疑念の声が上がらないのは、どういうことだろう。「この国」の議員たちが驚くほど「平和ボケ」に埋没してしまっているからではないか。そう思われてならないこの頃である。

さて、それでは民主主義の根幹を食い荒らすこのシロアリに対して、民主主義の住人である我々はどう対処すればよいのだろうか。
(つづく)

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民主主義を蝕む新型ウイルスのうごめき(その1)

2025-01-04 09:30:08 | 日記
新型コロナウイルスのパンデミックに悩まされたのは4年前の2020年のことだが、今年2025年には別種の新型ウイルスが猛威をふるいそうな気がする。1週間ほど前、朝日新聞にこんな記事がのっていた。

東欧ルーマニアでSNSにより急速に支持を集めた候補が首位となった大統領選の第1回投票をめぐり、憲法裁判所が選挙の無効を決めた。当局は選挙へのロシアの関与を指摘するが、陰謀論めいた主張を展開して当選可能性が低いとみられた候補が、SNSに特化したとも言われる選挙戦で躍進した衝撃は大きい。
(朝日新聞2024年12月26日)

この記事を見て、私が「おおっ!」と目を見はったのは、ルーマニアの選挙の現状に、韓国政治の現状を見る思いがしたからである。
お隣の韓国では、政権与党「国民の力」が少数与党に転落し、野党の「共に民主党」が躍進したために、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が焦って「非常戒厳」を宣布し、大きな政治的混乱を生じさせた。
他方、東欧ルーマニアの大統領選では、泡沫候補が首位に躍り出た背後に、独裁国家・ロシアの(SNSを利用した)関与があったという。
韓国の議会選挙でも、これと同様、野党「共に民主党」の躍進の背後に、独裁国家・北朝鮮の(SNSを通しての)関与があったのではないか。一部のユーチューバーの間で、そんな疑惑が取り沙汰されている。

ルーマニアでは政府の情報機関・ルーマニア情報庁がロシアの陰謀にいち早く気づき、選挙を無効と決めたために事なきを得たが、韓国では情報機関の調査能力がイマイチ及ばなかった、ーーそれだけの違いではないかと思えるのである。
(つづく)


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