う〜む、よくわからない。
トランプはアメリカの大統領としてホントに適任なのかどうか。
トランプが打ちだす政策は、ホントに合理的なのかどうか。
「タリフ(関税)マン」を自認するトランプは、中国製品に60%の高率関税をかけるとうそぶいているという。
その気持ちはわかる。「アメリカ・ファースト」をかかげ、「アメリカをふたたびグレイトにする」と公言するトランプは、アメリカを脅かしそうな新興国、台頭いちじるしい中国に脅威を感じ、まっさきにこの国をたたきのめそうと思ったに違いない。
トランプが最初にアメリカ大統領に就いた2017年、まっさきに対中貿易戦争を仕掛けたことはまだ記憶に新しい。
だが、中国製品に高率の関税をかけることは、中国をたたくことにつながるのかどうか。
朝日新聞は次のように述べている。
「関税の引き上げは、米国への輸入品価格を上昇させ、インフレを再燃させるおそれがある。」
問題は、中国製品が今やアメリカの産業にとって欠かせなくなっていることである。
トランプはこう考えたに違いない。
「中国製品に高率の関税をかければ、中国製品の価格が高くなるから、アメリカでは中国製品が売れなくなる。そのぶんアメリカ製品に需要が生まれ、アメリカの産業は復活するはずだ」。
だが、中国製品の価格が上がっても、アメリカの国民はそれを買うしかない、ーーそれが問題なのだ。
たとえば何でもいい。今まで1万ドルで買えた中国車が(関税引き上げによって)1.6万ドルに値上がりしたとしよう。アメリカの国民は中国車を買うのをやめて、1.2万ドルのアメ車を買うだろうか。
おそらくそうはならない。アメリカの自動車メーカーは、自動車製造の原材料を中国からの輸入部品に頼っており、それらも(高関税のため)値上がりするから、それまで1.2万ドルで売れたクルマは、1.7万ドルで売るしかなくなるのである。
他の製品も同様で、その結果、「関税の引き上げは、米国への輸入品価格を上昇させ、インフレを再燃させる」ことになる。
朝日新聞は次のように記している。
「経済政策を研究するブレンダン・デューク氏は公聴会で言い切った。関税は輸入品価格に上乗せされ、最終的には消費者が負担する。全輸入品に20%、中国製品に60%の関税をかけた場合、平均的な家庭で年3900ドル(約60万円)の負担増になるとの試算もある。デューク氏は、家計の関税負担がトランプ氏の別公約である大型減税の恩恵を打ち消し、『純粋な増税になる』とみる。」
(同前)
それだけではない。ダメージは輸出産業にも及ぶ。アメリカは農業大国だから、農産物の輸出に頼っている。中国はアメリカ農産物のいいお得意様だ。ところが、アメリカが中国製品に高率の関税をかければ、中国は報復のためにアメリカ農産物に高関税をかけることになり、その結果、アメリカ農産物の輸出は振るわなくなる。
朝日新聞は次のように述べる。
「心配するのはトランプ次期大統領の通商政策だ。トランプ氏は全輸入品に10~20%、中国製品に60%の関税をかけると公約。実現すれば中国から報復関税をかけられるのは必至だ。
(大豆・トウモロコシ農家の)ガックルさんが会長を務める米大豆協会が発表した研究では、米中貿易摩擦の再燃で米国産大豆の対中輸出は年1400万~1600万トン減る見通し。貿易摩擦がない場合からほぼ半減するという。トウモロコシも同84・3%減。これほどの需要減を補う市場は存在しない。」
(同前)
さて、大統領に就任したトランプは、ホントに中国に対して60%もの高関税をかけるのだろうか。きのうの大統領就任式でのトランプの演説を伝えるきょうの新聞には、そんな話は出ていなかった。
「どういうことだろう」と思ってネットで調べると、中国製品への高関税の導入を、トランプはすぐには実施せず、見送っているのだという。
おそらく、政権内の側近から、「そんなことをしたら、大変なことになりますぜ」と異論が出て、「待った!」がかかっているのだろう。
異論に耳を傾ける余裕がでたぶんだけ、「トランプ2.0」は進化したのかもしれない。
トランプはアメリカの大統領としてホントに適任なのかどうか。
トランプが打ちだす政策は、ホントに合理的なのかどうか。
「タリフ(関税)マン」を自認するトランプは、中国製品に60%の高率関税をかけるとうそぶいているという。
その気持ちはわかる。「アメリカ・ファースト」をかかげ、「アメリカをふたたびグレイトにする」と公言するトランプは、アメリカを脅かしそうな新興国、台頭いちじるしい中国に脅威を感じ、まっさきにこの国をたたきのめそうと思ったに違いない。
トランプが最初にアメリカ大統領に就いた2017年、まっさきに対中貿易戦争を仕掛けたことはまだ記憶に新しい。
だが、中国製品に高率の関税をかけることは、中国をたたくことにつながるのかどうか。
朝日新聞は次のように述べている。
「関税の引き上げは、米国への輸入品価格を上昇させ、インフレを再燃させるおそれがある。」
問題は、中国製品が今やアメリカの産業にとって欠かせなくなっていることである。
トランプはこう考えたに違いない。
「中国製品に高率の関税をかければ、中国製品の価格が高くなるから、アメリカでは中国製品が売れなくなる。そのぶんアメリカ製品に需要が生まれ、アメリカの産業は復活するはずだ」。
だが、中国製品の価格が上がっても、アメリカの国民はそれを買うしかない、ーーそれが問題なのだ。
たとえば何でもいい。今まで1万ドルで買えた中国車が(関税引き上げによって)1.6万ドルに値上がりしたとしよう。アメリカの国民は中国車を買うのをやめて、1.2万ドルのアメ車を買うだろうか。
おそらくそうはならない。アメリカの自動車メーカーは、自動車製造の原材料を中国からの輸入部品に頼っており、それらも(高関税のため)値上がりするから、それまで1.2万ドルで売れたクルマは、1.7万ドルで売るしかなくなるのである。
他の製品も同様で、その結果、「関税の引き上げは、米国への輸入品価格を上昇させ、インフレを再燃させる」ことになる。
朝日新聞は次のように記している。
「経済政策を研究するブレンダン・デューク氏は公聴会で言い切った。関税は輸入品価格に上乗せされ、最終的には消費者が負担する。全輸入品に20%、中国製品に60%の関税をかけた場合、平均的な家庭で年3900ドル(約60万円)の負担増になるとの試算もある。デューク氏は、家計の関税負担がトランプ氏の別公約である大型減税の恩恵を打ち消し、『純粋な増税になる』とみる。」
(同前)
それだけではない。ダメージは輸出産業にも及ぶ。アメリカは農業大国だから、農産物の輸出に頼っている。中国はアメリカ農産物のいいお得意様だ。ところが、アメリカが中国製品に高率の関税をかければ、中国は報復のためにアメリカ農産物に高関税をかけることになり、その結果、アメリカ農産物の輸出は振るわなくなる。
朝日新聞は次のように述べる。
「心配するのはトランプ次期大統領の通商政策だ。トランプ氏は全輸入品に10~20%、中国製品に60%の関税をかけると公約。実現すれば中国から報復関税をかけられるのは必至だ。
(大豆・トウモロコシ農家の)ガックルさんが会長を務める米大豆協会が発表した研究では、米中貿易摩擦の再燃で米国産大豆の対中輸出は年1400万~1600万トン減る見通し。貿易摩擦がない場合からほぼ半減するという。トウモロコシも同84・3%減。これほどの需要減を補う市場は存在しない。」
(同前)
さて、大統領に就任したトランプは、ホントに中国に対して60%もの高関税をかけるのだろうか。きのうの大統領就任式でのトランプの演説を伝えるきょうの新聞には、そんな話は出ていなかった。
「どういうことだろう」と思ってネットで調べると、中国製品への高関税の導入を、トランプはすぐには実施せず、見送っているのだという。
おそらく、政権内の側近から、「そんなことをしたら、大変なことになりますぜ」と異論が出て、「待った!」がかかっているのだろう。
異論に耳を傾ける余裕がでたぶんだけ、「トランプ2.0」は進化したのかもしれない。