ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

フクシマ原発事故 その後処理問題のゆくえ

2025-03-13 08:49:36 | 日記
最近のテレビ報道は、2011年の「あの日」を「原発事故記念日」から「大津波記念日」へ改ざんしようとしている。そういう歴史修正主義の捏造報道が、私には政府の原発推進策と密接にリンクしているように思えてならない。ーー前回のブログで、私はそう書いた。

ただ、「あの日」を「原発事故記念日」として取り上げようとする動きも一部では見られる。ーーそうも書いた。具体的には、NHKのドキュメンタリー番組「”傷み”とともに〜西田敏行の知られざる故郷の物語〜」がそうである。

しかしながら、今年はこれまでとちょっとおもむきが違うのではないか。「あの日」、すなわち2011年3月11日に起きたフクシマの原発事故を、きちんと記憶・記録にとどめよう、ーーそういう方向に潮目が変わりはじめた気がする。

そんなふうに感じたのは、おととい3月11日のNHKのニュース番組「ニュース7」を見たからである。
このニュース番組では、津波で亡くなった人々を追悼する東北各地の慰霊行事を取りあげたが、そのあとでフクシマ原発の廃炉作業や周辺地域から出た除染土の処理など、原発事故の後処理が遅々として進まない、ぶ厚い壁のような現実を伝えていた。

ニュースの後で、夜の10時からは「NHKスペシャル 約束はどこへ原発事故14年 さ迷う除染土」が放送された。
このドキュメンタリー番組は、

「電力の需要が急速に高まる中で 、原発を活用する 動きが 加速しています。 一方で14年前の原発事故の後処理は 積み残されたままです」

とのナレーションから始まり、除染土の処理をめぐって戸惑う原発周辺地域住民の苦境を描いていた。

では、除染土の処理はなぜ進まないのかーー。
きのうの朝日新聞は「除染土、福島県外の理解遠く」と題する記事の中で、次のように書いている。

環境省は22年末、東京都の新宿御苑や埼玉県所沢市など同省の関連施設で、除染土を花壇などに使う実証事業を計画した。しかし、住民らが『放射性物質の拡散だ』と反発し、頓挫した。
(朝日新聞3月12日)

つまり、東京都や所沢市など、福島県外の住民たちの「地域エゴ」がガンになっているというのである。

もっとも、福島県外の住民たちの気持ちも解らないではない。だれだって自分がかわいい。放射能に汚染された「除染土」が自分たちのすぐ近くに持ち込まれたら、「もしかすると健康に悪い影響があるのでは・・・」と心配し、除染土の処理計画に「断固反対!」の気持ちを禁じ得ないだろう。

しかし、しかしである。それこそ自分勝手な「エゴ」と言うべきではないか。
もとはといえば、フクシマ原発は東京都や所沢市など、都市の住民が消費する電力をつくるために建造されたインフラ施設である。その事故のしわ寄せを、フクシマの住民だけが押しつけられ、(その恩恵をこうむっていた)東京都など都市の住民はそれを免れるというのでは、あまりに虫がよすぎるというものだ。ケシカラン!

と思ったが、けさのことである。くだんの「NHKスペシャル」のビデオ録画を見ていたら、環境省による同様の検証実験の計画は、我がつくば市でもあったという。
私はその計画のことも、その計画がどうして中止になったのか、その経緯についても知らないが、もしその計画のことを知らされていたら、つくば市の住民である私は、その計画を「どうぞ、どうぞ」と迎え入れただろうか。

正直いうと、我ながら複雑な心境である。やれやれ(汗)。


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