国家間の確執は、主に領土をめぐって繰り広げられる。領土をめぐる争いはたいていの場合、武力による戦争を伴うが、ときには戦争抜きで「領土の変更」が行われることもある。
ほう、それはいいことではないか。戦争ほど愚かで非道いものはない。私は戦争を激しく忌避する。戦争抜きで事が済むなんて、そんなすばらしい事例があるのなら、ぜひ知りたいものだ。ーーそう言いたくなる人も少なくないだろう。
だが、戦争抜きで行われるからよい、というものでもないのではないか。
こんな記事を見かけた。
「日米国防拠点の無人島、迫った影 所有者『中国企業がお金出すと…』
鹿児島の南から台湾にわたって弧を描くように連なる南西諸島。そのうちの一つの無人島をめぐって、日本の安全保障を揺るがしかねない動きが今から数年前にあった。
無人島の名前は馬毛島(まげしま)。
日米の防衛の要所とされるこの島に、中国側の影が迫っていた。」
(朝日新聞DIGITAL11月14日配信)
2011年の当時、日米両政府は無人島の馬毛島に、米空母艦載機の離着陸訓練拠点を作ろうとしていた。その無人島を買収すべく、中国企業が暗躍していたというのである。
ったくもう!中国って奴は、カネに飽かせて日本防衛の拠点にこっそり手を伸ばす。この国は油断も隙もないトンデモな国だ!
・・・と言いたいところだが、事情は少し違っているようだ。
キーになるのは、「立石勲」なる人物である。この男は当時、不動産会社「タストン・エアポート」の代表取締役だった。彼は馬毛島が日本防衛の拠点になるのを見越し、大枚をはたいてこの島を買い取っていた。
(つづく)
ほう、それはいいことではないか。戦争ほど愚かで非道いものはない。私は戦争を激しく忌避する。戦争抜きで事が済むなんて、そんなすばらしい事例があるのなら、ぜひ知りたいものだ。ーーそう言いたくなる人も少なくないだろう。
だが、戦争抜きで行われるからよい、というものでもないのではないか。
こんな記事を見かけた。
「日米国防拠点の無人島、迫った影 所有者『中国企業がお金出すと…』
鹿児島の南から台湾にわたって弧を描くように連なる南西諸島。そのうちの一つの無人島をめぐって、日本の安全保障を揺るがしかねない動きが今から数年前にあった。
無人島の名前は馬毛島(まげしま)。
日米の防衛の要所とされるこの島に、中国側の影が迫っていた。」
(朝日新聞DIGITAL11月14日配信)
2011年の当時、日米両政府は無人島の馬毛島に、米空母艦載機の離着陸訓練拠点を作ろうとしていた。その無人島を買収すべく、中国企業が暗躍していたというのである。
ったくもう!中国って奴は、カネに飽かせて日本防衛の拠点にこっそり手を伸ばす。この国は油断も隙もないトンデモな国だ!
・・・と言いたいところだが、事情は少し違っているようだ。
キーになるのは、「立石勲」なる人物である。この男は当時、不動産会社「タストン・エアポート」の代表取締役だった。彼は馬毛島が日本防衛の拠点になるのを見越し、大枚をはたいてこの島を買い取っていた。
(つづく)